ベネッセコーポレーションから流出した顧客情報がIT大手のジャストシステムに渡ったのとは別ルートで、複数の名簿業者間で取引されていたことが12日、分かった。ジャスト社以外の企業にも大量の個人情報が出回った可能性があり、警視庁生活経済課が流通ルートの実態解明を進めている。
東京都内の名簿業者によると、今年4月ごろに別の業者から「800万件の子供のデータを買わないか」と持ち掛けられた。出所ははっきりしなかったが、相場より大幅に安い20万円を提示され、購入を決めたという。
個人情報保護法が平成17年に全面施行され、個人情報取扱事業者に利用目的を明示するなどの義務が定められたため、まとまった子供の個人情報が手に入ることは少ない。
CDに記録されたデータを確認すると、ベネッセの顧客情報と思われる内容を含んでいたため、この名簿業者は不正流出を疑い、企業や他の名簿業者に販売せずに破棄した。
その後、業界内ではベネッセから大量の顧客情報が流出したとの噂が広がり、実際に数社に転売した業者もあったという。この業者は「既に多くの業者がデータを持っている。全てを回収するのは難しいのではないか」と話す。
ベネッセは7月、名簿業者が販売していた約822万件のデータを独自に入手し、大半がベネッセの顧客情報だったことを確認している。