通信教育大手「ベネッセコーポレーション」(岡山市)から顧客情報が大量に流出した問題で、社内データベース(DB)を管理する下請け業者で派遣社員のシステムエンジニア(SE)が、顧客情報を外部に持ち出した疑いが強いことが12日、ベネッセ関係者への取材で分かった。DBから昨年末、派遣社員のIDで大量の顧客情報がコピーされ、直後に名簿業者の間に出回っていた。警視庁生活経済課は、派遣社員は当初から転売目的だったとみて事情聴取する方針。
ベネッセ関係者によると、派遣社員はDBの保守・管理を担当するグループのIT関連会社「シンフォーム」(岡山市)の下請け業者で、SEとして勤務。シンフォームから業務用のIDを与えられていた。
DBのアクセス履歴を解析したところ、シンフォームの東京都多摩市にある事業所から昨年末、派遣社員のIDで複数回、DBのサーバーに接続して顧客情報を大量にコピーした痕跡が確認された。
顧客情報はベネッセが同じ下請け業者に貸し出していたパソコンにコピーされており、記録媒体に移し替えて外部に持ち出され、転売されたとみられる。今年1月に名簿業者の間で顧客情報が売買され、5月にはIT大手のジャストシステム(徳島市)が約260万件分を買っていた。