死亡後も約7年半にわたって放置され、5月30日に白骨遺体で見つかった斎藤理玖ちゃん。横浜地検は理玖ちゃんが立てないほど衰弱した様子を目の当たりにしながら放置した経緯を重視、父親の斎藤幸裕被告に「未必の故意」による殺人罪を適用した。
殺人罪を適用した最大の理由は量刑の違いだ。保護責任者遺棄致死罪の最高刑は懲役20年だが、殺人罪なら死刑もあり得る。
平成22年に大阪市で3歳の長女と1歳の長男が餓死した事件でも検察は母親を殺人罪で起訴。衰弱した2人を放置したことなどにより未必の故意が認定され、懲役30年の判決が確定。横浜地検は大阪の事件と同様、親の身勝手な態度を極めて重く判断した。
県警などによると、斎藤被告と理玖ちゃんの2人暮らしが始まったのは、母親(32)が自宅を出ていった16年10月ごろ。斎藤被告は当初、ほぼ毎日帰宅して、パンやおにぎりなどを与え、休日には公園で遊ばせていたという。17年ごろに別の女性と交際が始まると、斎藤被告の心は理玖ちゃんから離れた。死亡する約2カ月前には週1、2日の帰宅となり、食事の回数が減った理玖ちゃんは、あばら骨が浮き出るほどに痩せ、自力で立つことも困難になった。