台風8号で特別警報が出された沖縄県は8日、暴風雨が吹き荒れた。ビニールハウスの覆いはめくれ、家屋が倒壊する被害も発生。「今までの台風と違う」。自主的に避難所に身を寄せた住民らは恐怖を口にした。
「家が揺れ、ガラスが風で割れるのではないかと思った」。那覇市の清掃員の女性(54)は恐怖を感じ、パートの次女(19)ら家族と昼ごろ、何も持たずに、避難所となった市の保健所に来た。
那覇市のある住宅街では、倒れた家屋が道路を完全にふさぎ、むき出しになった材木が飛ばされないようにロープで固定されていた。街路樹が至る所でなぎ倒されていた。
宮古島も猛烈な風雨が吹きつけた。「おおばり農園」の下地久子さん(62)は「マンゴーはまだ1割しか収穫していない」と嘆く。7日は普段より多めに収穫したが、航空便は欠航したため冷房の効いた集荷場に保管。「台風通過まで何とか鮮度が落ちないように」と声を落とした。
久米島町の「久米島イーフビーチホテル」は朝から全館停電となり自家発電に切り替えた。フロント業務を担当する古堅宗勝さん(50)は「天気は回復しても施設の被害は手を掛けないと直らない」と話していた。