2012年に死去した歌舞伎俳優、中村勘三郎さんが始めた「平成中村座」のニューヨーク公演が7日、リンカーンセンターのローズシアターで開かれ、約千人が入る劇場を埋めた観客が「カブキ」を堪能した。ニューヨーク公演は3回目だが、勘三郎さんがいない舞台は初めて。公演は12日まで続く。
観客席入り口のホールには劇場側の配慮で勘三郎さんの小さな写真が掲げられた。公演前、主役で長男の勘九郎さんは「ニューヨークの人に楽しんでもらいたい。父にささげるつもりでやる」と意気込みを語った。
演目は落語の怪談話を基にした「怪談乳房榎」で、勘三郎さんが得意とした。勘九郎さんの一人三役と大量の水を使った滝のシーンが見どころで、中村獅童さんの悪役ぶりも光った。(共同)