バイオリン・漆原啓子・朝子 姉妹で弾く無伴奏デュオ | 毎日のニュース

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 それぞれソロやアンサンブルで活躍するバイオリンの漆原啓子・朝子姉妹が、初めて無伴奏作品ばかり集めたCD「無伴奏ヴァイオリン・デュオ」(日本アコースティックレコーズ、3240円)を作った。

 「デュオは中学のころからしていました。若いころは、曲の解釈などでよくけんかをしましたが、ここ20年くらいはしていません(笑)。録音のために調べて、2つのバイオリンのための無伴奏作品がたくさんあることが分かりました」と姉の啓子は話す。

 2人とも血液型はA型。しかし、性格が違うように生み出す音楽も違う。朝子の恩師、徳永二男は「姉の啓子さんは明るく響く音で、歯切れのよい鮮やかな演奏。一方、妹の朝子さんは落ち着きのある音でガチッと輪郭のある力強い、いぶし銀のような演奏です」と評する。「2人がまったく同じだったらそろい過ぎてつまらない。違うから面白い」と啓子。

 収録曲はルクレールからシュポア、ビエニャフスキ、ミヨー、武満徹と作曲者の国も時代も大きく異なる。「2人でいろいろな音の世界を表現したかった。シュポアの分厚い響き、武満の研ぎ澄まされた色彩感など、どこまでできるか挑戦してみました」と朝子。

 楽器は啓子がストラディバリウス、朝子がグァルネリウスで、音色の違いも楽しめる。「曲の持ち味が割とはっきりしています。バイオリンのエネルギー、繊細さを感じ取ってほしい」と朝子は話した。(モーストリー・クラシック 編集長 江原和雄)