イラク 政権に打撃 過激派、第2の都市制圧 | 毎日のニュース

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 【カイロ=大内清】AP通信などによると、イラク当局者らは10日、同国第2の都市である北部モスルのほぼ全域が、イスラム過激派組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」とみられる武装集団に制圧されたと明らかにした。今年初めにISILが掌握した中部ファルージャも奪還できずにいるマリキ政権にとり、モスル陥落はさらなる打撃となる。

 マリキ首相は同日、「イラクは激しいテロ攻撃を受けている」として周辺国に武装勢力のイラク流入阻止を要求。議会には非常事態を宣言するよう求めた。

 武装集団は、数百人規模で9日夜からモスル市街地を攻撃し、10日までに政府庁舎や警察署、軍基地、空港などを制圧。過激派系のウェブサイトは、武装集団が刑務所から約3千人の囚人を脱走させたとしている。モスル駐留の政府軍部隊は市外へ撤退したという。

 モスルは首都バグダッドの北約360キロにあり、人口約145万人。住民の大半はISILと同じイスラム教スンニ派で、これまでもシーア派主導のマリキ政権に不満を持つ武装勢力の拠点となってきた。

 同国では2011年末の米軍撤収完了後、宗派間抗争とテロが深刻化している。