東日本大震災から3年がたちました。2月28日付の紙面から連載を開始した企画記事「その先へ 復興日本」では、前を向いて一歩一歩進んでいく人々の姿を追いました。
震災当日の11日の紙面で、岩手県大船渡市出身の歌手、新沼謙治さんは「あのときのことは、今も軽々しく言葉にできない」と話しました。宮城県石巻市の教諭は「ようやく震災について授業で話したりするようになった」と語りました。
新聞はあの日以来、多くの言葉で震災を語ってきました。人々が語れなかった、語る気分にすらなれなかった重い言葉をどのように扱ってきたのか。震災と人々の3年間をどれだけ伝えられたのか…。振り返ると複雑な気持ちになります。
それでも語り続け、伝え続けること。それが新聞に求められる役割だと思っています。(編集局総務 五嶋清)