4年をかけ準備万端で迎えたはずだった。前回五輪で7位となった23歳の遠藤は金メダルをつかむつもりで臨んだソチの決勝1回目で21・73点の15位に終わった。2回目進出の12位とは0・08点差。「悔しいし情けない」とうなだれた。
エアの完成度が高く、ターンも安定して23・38点で4位通過した予選1回目とは別人のようだった。決勝はスタート直後にいきなりターンが乱れ、第2エアの手前では板がコブにかかって体勢を崩した。そのまま踏み切ると着地が左方向に流れ、滑る位置がずれて大きな減点につながった。
「この4年間、一切手を抜いたつもりはなかった」と話した。仕上げの時期には約30種類にまで増えた腹筋メニューをこなし、バランスを崩しても持ち直す体幹の強さをつくった。軸をずらしながら3回転する最高難度のエア「コークスクリュー1080」も習得して成長を実感していたが、味わったのは五輪の厳しさだった。(共同)