伊藤忠子会社が家庭向け電力に参入 自前の石炭火力も新設 | 毎日のニュース

毎日のニュース

今日の出来事をニュース配信中!

 伊藤忠商事の子会社で新電力(特定規模電気事業者)の伊藤忠エネクスは、2016年の電力小売りの全面自由化をにらみ、家庭向けの電力小売りに参入する。小売り用電源を確保するために、新たに東北などで2石炭火力発電所を新設するほか、既存火力も増設する。

 新設する石炭火力は約10万キロワットで、早ければ2016年度に現在の約12万4000キロワットの持ち分発電量を約3倍の38万キロワットに引き上げる計画。投資額は約500~600億円を見込んでいる。

 他社からの電力調達も含め販売電力量は3年後に約10倍の10億キロワット時に引き上げる。

 同社は家庭向けの液化石油ガス(LPG)で100万世帯の販路を持つ。2200カ所の系列ガソリンスタンドの販売網も活用し、顧客を開拓し、電力小売り事業と火力など安定電源確保を両輪で進める。大手商社では海外の火力発電事業のノウハウを生かし、国内電力事業に本格参入する動きが相次ぎ、競争が激化している。