全国各地のホテルや百貨店で相次いでいる偽装表示問題で、消費者庁が阪急阪神ホテルズ(大阪市北区)と、同社系列の「ザ・リッツ・カールトン大阪」(同)に、景品表示法違反の疑いで立ち入り調査をしていたことが12日、同庁と同社への取材で分かった。一連の問題で同庁が立ち入り調査を行ったのは初めて。
同庁は阪急阪神ホテルズから10月7日に問題の報告を受けて以降、担当者に聞き取りを行うなど調査を進めてきたが、その中で、現場での確認が必要と判断した。立ち入り調査は11日に続いて12日にも行い、食材の仕入れ先に関する帳簿や、実際に使われていたメニューなどを調べる。
同社は直営のホテルやレストランなどで、「芝エビ」とメニュー表示しながら、実際にはバナメイエビを使ったり、「九条ネギ」としながら、青ネギや白ネギを使っていたことを公表していた。
同庁では報告のあったほかのホテルや百貨店についても事実確認を急いでいる。阪急阪神ホテルズと同様に、景品表示法に抵触するような具体的な事実が見つかった場合は、聞き取りや立ち入りなど本格的に調査を行うとしている。
阪急阪神ホテルズは「立ち入り調査は事実だが、調査を受けている立場なので、詳細についてはお答えできない」と話している。