ワイン片手、大人のジャズ マット・ダスク「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」 | 毎日のニュース

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 甘い歌声と端正な容貌で「21世紀のフランク・シナトラ」の異名を持つカナダ人歌手、マット・ダスク(34)のアルバム「マイ・ファニー・ヴァレンタイン~チェット・ベイカー・ソングブック」(ランブリングレコーズ、2625円)がリリースされた。

 朗々と歌う正統派のボーカリスト。シナトラとキーが一緒というのも自慢だ。その魅力が最大限に発揮されているのが、タイトル曲の「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」だ。ミュート奏法を駆使したトランペットとともに、大人の雰囲気を醸し出している。「自分の人生を振り返りながら録音した。僕は本当にジャズが好きなんだと感じながら」と話す。

 プロデュースも担当した。「エンゼル・アイズ」はビッグバンドの演奏をバックにしたゴージャスな雰囲気に仕上げた。「007のテーマを意識したアレンジなんだ。ロシアの楽団に演奏してもらったんだけど、映画のことを知らないので、こちらの意図が伝わらず苦労した」と苦笑した。

 ジャズの黄金期の音楽のイメージを大切にしている。「ジャズは古い音楽だって? そんなことはないよ。モーツァルトが古いなんてだれも言わないよね。それと一緒」

 7日には東京ジャズの公演に出演した。コンサートで歌を一層楽しく聴く方法をたずねたら、「ワインを一杯飲んでから来てくれるといいと思うよ」といたずらっぽく笑った。(櫛田寿宏)