のどの手術を2度受け、一時は声を失うという試練を乗り越えた魂のシンガー・ソングライターの6作目のスタジオアルバム。全世界のセールスが2千万枚でグラミー賞の常連という若き巨匠の新作は、バラエティーに富んだ内容だ。
1曲目の「ワイルドファイア」はカントリー&ウエスタンの味わいをもつ楽しい曲。生きる喜びを素直に表現しているよう。ギターのリフが美しい。
4曲目の「ペーパー・ドール」はミッド・テンポの曲で、すこしビターな味付け。ミステリアスな詞で、単なるラブソングではなく、孤独な現代人の心情を歌い上げている。情感あふれるメロディーが聴く者の心に寄り添ってくるよう。人生経験を積んでこそ理解できる音楽だ。(ソニー・ミュージック、2520円)