話題のあれ乗ってきました
今回またまたバイト先で試乗してきました。今回試乗したのはこちら!
希望小売価格:¥158,510(税込)
C36
・リムハイト:36mm
・重量:1488g
・対応タイヤ:CL or TL(TLR)
・対応スプロケット:11s or 12s
C50
・リムハイト:50mm
・重量:1570g
・対応タイヤ:CL or TL(TLR)
・対応スプロケット:11s or 12s
C60
・リムハイト:60mm
・重量:1649g
・対応タイヤ:CL or TL(TLR)
・対応スプロケット:11s or 12s
いま一番激アツな”15万円”ホイール
いま各メーカーが集中的に高性能ホイールを展開してきている「15万円前後価格帯」。フラッグシップのテクノロジーを色こく受け継ぎ、競技の方でも決戦用・練習用問わず使いやすい性能を持ちます。例としてはZIPP:303S、Enve:enve 45 / 65、Fulcrum:WINDシリーズなどがありますね。
また、多くのモデルで競技を視野に入れてない方向けのチューニングも各モデル行われており、扱いやすさ・乗り味・剛性感などがまとまっています。さらに、最近ではこの価格帯でもチューブレス対応(チューブレスレディ=TLR)やフックレスリム(TL専用)などもあり、ユーザーの好みに応じて多様な使い方ができます。
そんな加熱する15万円前後帯にシマノから満を辞して登場したのがアルテグラグレードです!!今回はそんなアルテホイール全モデル(C36/C50/C60)をお借りして試乗してきましたのでインプレッションをしたいと思います。
NEWシマノホイールの特徴とは
コンポのフルモデルチェンジに合わせてデュラエースとアルテグラどちらもホイールが刷新されています。そもそもアルテグラホイールが展開されていたことに気づいていたユーザーは少ないかもしれません。一応C24的なカーボンラミネートのローハイトモデルが展開されてはいました。シマノレーシングなど一部チーム・選手が練習用として使用していたのがSNSなどで確認できます。
さて、新型の両グレードですが、ロゴ以外はぱっと見違いがわかりません。それもそのはず、最も目立つリム部分はアルテグラもデュラエースも同じ形状を採用しているのです。このリム形状は今作から採用された「D2リム」と呼ばれるもの。
新設計D2リム。リム幅が広く、タイヤ接着面が深い独自のブレード形状により、これまでにないエアロダイナミック性能を実現。0~15°までのヨー角度において、他のエアロ形状リムに比べ空気抵抗の減少を達成しています。また、横剛性が強化され縦方向の追随性が高められたことにより、走行時の操縦性、快適性、さらには耐久性が向上しています。
簡単にまとめると、広いリム幅を採用し、タイヤとリムをなるべくツライチにする(ギャップ解消)ことで空気を整流するリム形状を採用しています。この整流という考え方は最近の GTなどカーレースにおいても採用されています。
10年前ほどは正面からの風の影響を低減するために前方投影面積を極限まで減らすことを主眼に置いているものが多かったです。特に旧型 S5などは極端ですね。ホイールで言えばナローリムですね。ですが、近年は正面だけではなく横風、もっと言えば斜め方向の風に対する対策が重点的に行われています。例としてはカンパニョーロ:BORA WTO、VISION:Metronシリーズ、DT SWISS:ACRシリーズ、ROVAL:ALPINIST/RAPIDEシリーズなどです。従来のモデルに比べてリム中央が少し膨らんだ形状をしているのが特徴的です。
乱流によるワット数削減は確かに1時間数Wなどですが、絶対出力が車やバイクよりも圧倒的に小さい自転車にとって、長く走れば走るほどライダーの恩恵は確実にあります。
DURA-ACEとULTEGRAの違いと共通点
10万円の価格差があるデュラとアルテですが共通点があります。
先ほど” D2リム”についてご紹介しましたが、実はこの"リム形状"はDUEA-ACEとほとんど形状です。もちろんD2リムもしっかり機能します。あくまでリム形状だけですが、デュラエースと同等の空力(エアロ)性能を持ちます。これだけでもアルテのコスパの良さがわかるかと思います。
あくまで同等の形状です。というのもシマノが明記してはいませんが、リム素材など細かい部分をアルテグラのためにチューニングしています。これによってマイルドさなどより幅広いユーザーが使えるようにスペックが向上したと思われます。
インプレッション
長々解説しましたが、以下がインプレです。試乗は広島のとある島のハーフ周回コースを使用。本格的な登坂はありませんが、平坦、コーナリングからの再加速区間、平坦区間とヒルクライム以外の性能はしっかり確認できました。余談ですが、当日はとんでもない向かい風爆風で、正直50mmと60mmのディープリムなんて使いたくなかったです(笑)
C36
まずは最もリムハイトの低いC36です。こちらのファーストインプレはフィールの軽さです。もちろん1400g台と重量的にも軽く、ダンシング、シッティング問わず最も軽快です。踏み込みに対するパンチ力はこのC36が一番素晴らしいと思います。デュラと違い爪タイプながらもフリーハブのかかりがいいですが、踏み込みに対してのたわみが少ないです。コーナリングからの巡航への再加速は素晴らしく、踏んだ瞬間から即加速に繋がる、吹け上がりのいいエンジンのようなフィーリングで35km/hまでの加速はスピーディだった印象です。もちろん維持に関してはC50/C60に部がありますが、常用速度域が40km/h オーバーでない限り他モデルに見劣りするエアロ効果ではないでしょう。
C50
シリーズの「基準」となる50mmリムハイトモデル。平坦能力に登坂力を付与したもの。
ファーストインプレとしては、C36には負けるもののリムハイトにしてはフィーリングが軽いことです。リムハイトが高いほど踏み込みに対してもっさりとしたフィールになるのですが、漕ぎ出しに関しては50mmを感じさせませんでした。
加速区間ですが、C36に対してよくたわみます。踏み込み始めに対して少々遅れて加速に繋がる感覚です。個人的にはもっさりというほどマイナスな印象ではなく、踏み込みのエネルギーをしっかり受けて止めて出力してくれる分無駄足を使いにくいのでとても好みな感覚でした。競技的視点で、アタックなど瞬発力に関しては踏み込みに対して少しラグがあるので向いてないかもです。ですのでパンチャー系はC36の方が良さそうです。
C60
最後に最もリムハイトの高い C60です。こちらのファーストインプレもリムハイトにしてはもっさりしない!!と感動。以前試乗した同価格帯別モデルの60mmハイトに比べて圧倒的に軽快な漕ぎ出しは素晴らしいです。
真価を見せる平坦区間ですが、正直に言いますと私の脚力では持て余す硬さで、全体的にもっさり感を感じました。徐々に巡航に乗せていくのであれば無問題ですし、35km/hあたりの維持はそこまでハードルは高くなかったのですが、アタックのように一気に踏み込んで加速かけていくには個人的に難ありです。脚力がある方なら大丈夫でしょう。登坂では、勢いつけていれば序盤かなり軽快に登れますが、本格的にダラダラと続くようなシチュエーションだとかなり尖る部分が見えてきます。
用途的には、スペックありきでいくとトライアスロンやタイムトライアル(TT)だと思います。
まとめ
全モデルに共通して、初速の軽快感が目立ちました。重量的な面もありますが、シマノが今回特に注力したリム外側(外周重量)の軽量化が功を奏していると考えられます。徹底的にリム外を軽量化することで慣性モーメントを低減でき、必要なエネルギーを低減、ソリッドなフィールをライダーに提供します。もちろん、必要な駆動剛性はしっかり確保されいます。
また、リムハイトに応じてしっかりとしたキャラ付けが行われており、使い方、脚質、脚力、それらに応じて適切なモデルを選ぶことができます。見た目のかっこよさとど平坦の力で言えばC50最強でしょう。少々たわむのが好みが分かれますが、レーシーな使い方でなく、ロングライドでは足を残して走れます。競技目線でC50同じ価格帯・同等スペックであれば、個人的にはZIPP 303SやCOSMIC SL45(セール価格)の方がおすすめです。ENVE45も面白そうですね。
私がNEWアルテを買うなら
私がWH-R8170を買うならC36でしょうか。最も軽快性があり、ソリッドな加速フィールで、最新のエアロ解析によってもたらされる平坦区間での巡航能力など、無駄足を使いたくない、ロングライド目線とたまに遊びたいシチュレーションでも遊べるスペックのとフィールは格別です。
見た目も考慮した場合はC50でしょうか。こちらもソリッド感は低減されるものの、平坦区間で無駄足を使わない「しなり・たわみ」があり、こちらも候補入りです。
また、今回はCLでの使用でしたが、TLRリムですのでTL運用することでさらに乗り心地の良さとグリップ感を手に入れることができるので、発展性の高さも個人的にはメリットです。
いかがでしょうか?
とてもおすすめなホイールです。ぜひ購入検討してみては?