「鹿の王」良い意味でタイトルに裏切られたと感じた。てっきり群を束ねる堂々としている鹿の話かと思ったのだが全く違った。精霊の森と同じ著者だというのをあとがきで知り、早く気付けよと自分に突っ込んだ。身体の仕組みや、病について子供でもわかるような優しい記述で解説しているところや、国や組織が生き物のように複雑で、一見して別々の組織が干渉して生かしたり殺したりしているのだと素直に納得できるところがあった。その上で、後退する味方を守る為に最後尾に立って敵の攻撃を食い止める「しんがり」を英雄扱いする暗い風習に哲学的な問いを投げているようで気持ちを揺さぶられた。
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