メッシの少年時代について、いろいろな人が語っている動画があります。
↑を見て、メッシに対して印象的だった言葉です。
シャビ「ドリブルができて(中略)1対1の素養があって、、、」
グアルディオラ「ドリブルがすっごくうまくて、、、」
セスクファブレガス「(メッシに1対1に惨敗して)それからは監督には言っていないですが、ペアを変えましたよ(笑)。スパイクをしっかり履きたいからといって他のヤツが先に行くようにして、他のヤツが苛まれるようにです(笑)。もう一回笑いものになりたくなかったですから(笑)」
メッシを最初に指導したアルゼンチンの少年サッカー監督「ゴールキックを味方がトラップしたら奪い取って自分でドリブルしていましたよ」
具体的なプレー面では、ほぼ全員が「ドリブルがうまい」「1対1が強い」と言っています。
唯一ヨハンクライフは「小さくて初速が速い」と言っていますが、これもドリブルでの切り返しを想定したものだと思います。
メッシは13歳でバルサの下部組織に入りました。
ということは、日本で言えば小6まではアルゼンチンで過ごしました。
選手としては、中学高校年代が大事だとはいえ、技術の骨格が小学生年代で固まるのは確かだと思います。
そしてアルゼンチンは「ドリブルの国」として有名です。
ドリブルで抜きにかかってくる割合は、筆者の感覚だと日本5、ブラジル8、アルゼンチン10といったところだろうか。
メッシは少年時代、まずドリブルで抜きにかかるアルゼンチンで育ったから、史上最高の選手になれたのだと私は思います。
マラドーナという、メッシと史上最高を争う選手が同じアルゼンチンから輩出されているのも、私は偶然ではないと思うのです。
私は何度もドリブル重視ということをブログで書いてきました。
そのたびに、批判を浴びました。ドリブルは手段であり目的ではないというわけです。
ですが、実際にドリブル重視の国から、マラドーナとメッシが輩出されているわけですので、私はその辺は考えるべきだろうと思います。
といいますか、私は根拠はないですが、妙に確信があるのです。
もし日本でドリブル重視が大半になれば、ブラジルアルゼンチンよりさらに強烈なドリブラーが生まれる気がするのです。
というのは、南米に対して、日本人のアジリティは優れていると思うのです。
アジリティを生かすのは、ドリブルが最もいいと思うのです。
私のブログを昔から読んでくださっている方は、サッカーに精通されている方ばかりですので、釈迦に説法になります。
ですが、ありがたいことに相変わらず読者さんも増えて続けていて、その中にはサッカー未経験でコーチを始められた方もいるかもしれません。もしくは息子さんに自主練をやってみようかと思う親御さんもいるかもしれません。
そんな方に伝わればなと思い、試してみたらおもしろいと思うことを書いてみたいと思います。
ほぼ確実に、3か月もやれば明らかに子どもたちのボールタッチが変わってくるし、試合で抜ける頻度が圧倒的に増えてくると思います。
といいますか、本質的に身体さばきが変わってくるのが実感できるかと思います。
ドリブルのトレーニングとして、まず思想としては「それが実戦で使えるか」ではなくて「その動作をやることによって、身体さばきをスムーズにする」と考えていただきたいと思います。
特に少年時代は動作の習得に有利なので「サッカーの本質とは」とかいう前に、私は「とにかくいろいろな動作を学ぶ」ことが大事だと思っています。そして実際にいろいろなボールタッチができるようになると、明らかに身体さばきが変わってきます。
具体的なトレーニングは「ボールコーディネーション系」と「コーンドリブル系」があります。
まずボールコーディネーション系です。
これはとにかくいろいろなタッチができた方がいいのです。
その中で、↓のようなものを、網羅的にできるようにするのがいいと思います。そしてできる種目は、毎回の練習で1種目10回とかやって、とにかくたくさんの種目を毎日やります。
次に、コーンドリブルです。
まずは、2種類のコーンドリブルです。
最初に何の変哲もないコーンドリブル。
次に角度をつけてジグザクに置いたコーンドリブル。
この2種類は、↓のマンチェスターシティのベルナルドシルバが少年時代にやっていたという動画を参考にするといいと思います。
もう1種類が、毎回毎回足の小指でボールタッチして、まっすぐ進むドリブルです。
これは私が勝手に師匠だと思っている監督から教えてもらいました。
その監督は、都道府県大会にたまーに出るくらいのチームですが、この15年でユース年代の日本代表を2人も輩出しています。さらに毎年のようにJ下部組織に選手を送り込んでいます。
皿コーンを幅50cmくらいに8組くらい置いて、その間をドリブルで真っすぐ通り抜けます。
この3つのコーンドリブルを3角形にして作れば、ぐるぐる回る感じで、コーンドリブルをできます。
あと付け足すと、私からすると「鉄板のフェイント」があります。
それはマシューズフェイントです。
もし私の書いていることを取り入れようと思った方がいましたら、絶対にこのフェイントは徹底的にやってほしいと思います。
狙いとしましては、ステップを変えるのです。
↑ディ・マリアでしたら、軸足の右足でケンケンする感じを掴んでほしいのです。
ですが、現象としてはケンケンですが、本質は違います。
ケンケンは飛び上がりますが、マシューズフェイントを覚えると、軸足は地面から浮くのに身体は下がるのです。
ディ・マリアを見ていただければ、軸足が浮いても頭が下がっているのが分かるかと思います。
そしてこれが古武術でいう「浮き身」「膝抜き」であり、本質的な動作なのです。
そういう難しい理屈を抜きにして、マシューズフェイントを覚えれば浮き身も膝抜きも、身に付きます。
このコツがわかると↓30秒で、メッシが何をやっているのか、体感的にも理論的にもわかってきます。
もう一つ。
ぜひボールコーディネーションの最後に「自由にフェイントを連続で出しながら、向こうまで行ってみよう」と、やってほしいと思います。
とにかく何でもいいから、自由にたくさんの種類のフェイントを出させて、ドリブルを数十メートルさせます。
これはめちゃくちゃ効果があります。
こういうに加えて応用編です。
↑は定期的に紹介しています。
こういう練習をやると、↓みたいなドリブルをできるようになります。
毎回書きますが、書いた方が説得力があるでしょう。
永井さんは、三菱養和巣鴨時代、私の先輩でした。
私は↑の練習方法を中学生時代に永井さんに教えてもらい(永井さんは本当に優しい先輩でした)実践したところ、東京選抜に選ばれました。
そしてチーム練習にこの練習を取り入れて、うまくならなかった人を見たことがないのです。
さらにブログ読者の方も複数取り入れてくれた方がいまして「子どもがうまくなった!」との声をいただいています。
人には勧めることはそこまでしていないつもりですが、この練習だけは、私は定期的に無条件にお勧めする感じであげています。
ぜひ試してみてはどうでしょうか。