三菱養和は最高だ②! | 徒然に。

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思ったことを気ままに。

 前回ブログで、私の養和愛について書かせていただきました。

 養和についての続きの動画も出ていましたので見てみました。

 やはりとても素晴らしい動画でした。

 口でいくらいいことを言っていても、実際にやっていることと違うということはあります。

 ですが、動画で養和コーチの生方さんが語っているようなことは、実際に養和グラウンドで起こっていることだと思います。

 私自身、養和巣鴨ジュニアユースとユースに4年ほど在籍して、本当にそうなのでした。

 当時から生方コーチはいましたが、本当に兄貴みたいな存在でした。

 そして、養和は日本トップクラスの育成組織でも、かなり独特だと思います。そしてその独特さを、私は素晴らしいと思っているのです。動画を見ていただいて「こんなチームもあるのか」「こんな考え方でやっているチームもあるのか」ということが伝わったら、養和出身者としてはこんなにうれしいことはありません。

 

 

 日本代表にも選ばれた田中選手の子ども時代はドリブラーだったと生方コーチは言っています。

 養和出身者はドリブルを基にしてプレーする選手が多いです。

 元日本代表の永井雄一郎選手、現役日本代表の中村啓斗選手や相馬勇紀選手など、みんなドリブルを得意にしています。

 そんななか、田中選手と生方コーチはこんな会話をしています。

 

田中選手:ドリブルって大事ですよね。

生方コーチ:大事だよ。止めて蹴る、運ぶ、奪うというのは、サッカーのなかではすごく大事なことだから。

(中略)

田中選手:仕掛けることにだめとは言われなかった。

生方コーチ:「だめだめ」がなかったから、また自分でいろんなことを考えただろうし。(中略)言わないってのはけっこう大事だよ。

 

 私はドリブラーでした。

 小学時代は街の普通のクラブでドリブルをすると怒られていました。

 ですが養和に入ってみたら、ドリブルしても何も言われません。おかげさまでどんどんドリブルのスキルを伸ばせたと思います。

 選手のやりたいことを制限しすぎないということは大事だと思うのです。

 

 さらに養和のグラウンドの雰囲気がいいのです。

 それは指導者がグラウンド上以外のことも見てくれているからだと思います。

 

生方コーチ:サッカーで武器がなくても、おまえめちゃめちゃ仲間に優しいなとか、そういう人間性のところでも、オールラウンドで、その子のいいところを探してあげるというか、そういうのが大事かもしれないよね。(中略)(素晴らしいところは)だれにもあるんだよということは、教えてあげたいし。

 

 

 昨年度、養和ユースは関東プリンスリーグ1部から2部に降格しました。

 さらに養和巣鴨ジュニアは、三井のリハウスu12 T1リーグからT2リーグに陥落しました。

 その時に私は憶測で「養和のコーチはそんなことは気にしていない気がする」と書きました。

 そして生方コーチの発言を聞くと、私の推測はあながち間違っていなかったなと思います。

 賛美両論あるかもしれませんが、私は養和的な感覚が好きです。

 

田中選手:(自分の頃は)Tリーグ発足したてのころですけど、増えましたよね。いやでも結果を意識しなくてはいけない組織図になっているじゃないですか。それは育成年代でもそんなに必要なの?と思うんですけど。

生方コーチ:のんびりやりたいよ。

田中選手:勝ち負けを意識せざるをえないじゃないですか、それは指導者もそれを意識しちゃうし、勝たないと子どもが集まらないとかっていうのは、すごくなんか息苦しいというか。プロに入ってからでもいいんじゃない?と思っちゃうところは、まあ個人的な意見なんで。

生方コーチ:でもそうだよ、本質はそうだし、うちも勝て勝て勝て勝てっていうことはないし、養和らしいいい選手をやっぱり上にあげようというね。

 

 そういった点で、中村啓斗選手は、養和のなかで力を伸ばしたと言えるのではないかと思います。

 

 

 私はコーチをやっていて、良いのか悪いのかは不明ですが、試合中に指示の声を出さないことには自信があります(笑)。

 未だかつて、対戦相手のコーチより指示の声を出していたことはないと思います。

 そう書いていたら、1チームだけ、やたらベンチが静かなチームを思い出しました。

 私も無言、相手ベンチも無言。

 おそらく少年サッカー現場を見慣れている方だったら、その試合は異様だったでしょう。

 私も気になって、帰宅したあとそのチームをネットで検索してみました。

 そうしたらなんのことはない、コーチほぼ全員が養和出身なのでした(笑)。

 こういうところにも、養和イズムが出るんだなと嬉しくなりました。

 試合は子どもたちのものです。

 練習ではもちろん細かくやります。

 ですが試合は、子どもたちが自分たちで楽しめばいいのです。

 私はそう思うので指示の声を極力ださないようにしています。

 それは養和から学んだことでした。

 

 さらに、養和は自主練を自分で考えて促してくれる土台があります。

 

生方コーチ:こういう練習をしろって絶対に言わないの。「工夫しろ」って言うの、自分で。

 

 こういった養和の伝統はずっと続いていて素晴らしいと思います。

 私自身、養和の先輩だった永井雄一郎さんに、永井さんが開発した練習をジュニアユース時代に教えてもらっています。

 そして素晴らしい練習を教えてもらったからには、サッカーブログを書いている以上、定期的にあげています。

 

 

 相馬勇紀選手も養和グラウンドで、壁当てをやったりレンガを使ってパス練習をしたりと語っています。

 

 

 2回にわたり、養和のすばらしさを書かせていただきました。

 私は養和は、なにか現代のサッカーが忘れてしまっているかもしれない何かを思い出させてくれる気がします。

 私の言葉で書けば「サッカーは子どもたちのもの」「勝つことよりも楽しむこと」「個人が工夫を楽しむ」等でしょうか。

 生方コーチが言うように、私は4年ほどの養和在籍で、言われたことは「取られたら取り返せ!」くらいしか覚えていません。

 試合中にああしろこうしろと言われた記憶もありません。

 ですが、養和時代に最もサッカーを楽しめたのは間違いないのです。

 そして、だからといって養和からいい選手が出ていないわけではありません。

 現役日本代表には、相馬勇紀選手と中村啓斗選手と2人もいます。J下部組織や超強豪校でも、日本代表に2人いるのはあまりないと思います。

 さらに2024年Jリーグ所属チームに養和出身者は16人もいます。普通にJ下部組織並みの人数です。

 最もうまい子がJ下部に入る時代の養和のこの成果は、私はJ下部を上回っているとすら思います。

 そして養和のスタイルは結局「選手個人が輝くように」なのです。

 私はそれが最高のスタイルだと信じています。