アルゼンチンからは、メッシとマラドーナという、史上最高のプレイヤーが出ています。
そして誰が見ても明らかなように、彼らのプレーの根本には「ドリブルで1人は必ず抜ける」というものがあります。
ドリブルという絶対的な武器があるから、パスやシュートも輝くのだと思います。
パスしか選択肢がなければ、当然その選手のプレーは限定されてしまいます。
ですが、相手を抜けないまでも、相手と向かい合ったときに少なくともボールを取られない技術があれば、かなり優位に立てます。
そして人には成長過程があります。
当然、小さいうちは自分のことばかりです。そこから成長して、周りに気を配れるようになります。
よく「個を育てるといっても、むやみにドリブルすることではない」と言った意見があります。
もちろんそういった意見は尊重していますが、私は違う意見を持っています。
特に低学年のうちは「むやみにドリブルすればいい」と思っています。自分のことに集中している年代でやることは、私はドリブルだと思っているからです。
ドリブル以外では「止めて蹴る」だけは徹底してやればいいと思っています。止めて蹴る、も相手は関係なくて個人技術だからです。
では、ドリブルで具体的に何をやればいいのでしょうか。
まずコーンドリブルです。
以前に動画で挙げさせてもらいましたが、けっこうアルゼンチンはコーンドリブルをやっていると思っています。
アルゼンチン流の素晴らしいと私が思っているところは、アジリティトレーニングと組み合わせてやるのです。これは凄い効果があると思います。
日本で言えば静岡学園や西宮SS(堂安律の出身チーム)のコーンドリブルは、かなりいいと思います。
次にボールコーディネーションです。
これは無数の種類があります。
私はいろいろな種類をやればやるほど、いいと思っています。なので、コーディネーション系の動画を見まくり、気に入ったのをランダムに練習に取り入れています。
私はこういうときだけ、元ドリブラーでよかったと思います(笑)。youtubeに挙がっているような足技は、けっこう難しいのでも見れば大抵一発でできるからです。子どもたちに見せられるということではよかったと思います。足技系は、実際に見本を見せられないと、きつい部分があります。
ですが今は映像技術が発達しているので、いくらでもやりようはあると思います。
私としては、元興国高校の内野さんの意見が的を得ていると感じています。メニューも素晴らしいですが、語っている内容が素晴らしいと思います。
静岡は昔からサッカー王国として有名です。
そして静岡は今でも、技術を中心にしてやっていると思います。
たとえば↓です。技術を楽しそうにやっています。
サッカーの本質はこういうのとは違うという人もたくさんいると思います。
ですが私はサッカーの本質は「技術」だと思います。
そう書くと「技術の本質をはき違えている、本当の技術は魅せるテクニックではない」という意見がけっこうな部分を占めると思います。
ですが、それは本当でしょうか。
魅せる部分と本質的な部分は連動していると思うのです。
本質的なプレーが、地味でつまらないとは限りません。多彩なテクニックは、自分のプレーの幅を広げます。
現に技術偏重に見える静岡から、いい選手はたくさん出てきています。
私は練習のとき、ボールコーディネーションに時間を割きますが、子どもは結構熱中するものです。
そしてどんどんうまくなります。
○○しなきゃうまくなれない、とかの前に、教えていて本当におもしろいのです。
たぶん、南米で年齢関係なくやるストリートサッカーは、そういう感じだと思います。大人が技を見せて、子どもが「すげー!」ってなって真似するのだと思います。そしてそれがサッカーの原点だと思うのです。
実は、パス回しばかりやっていると思われているバルサカンテラでも、ボールコーディネーションはやっていると思います。
↓8分12秒からです。
史上最高の選手だと思われるメッシは、12歳までアルゼンチンで過ごし、その後はバルサカンテラに渡りました。
もちろんメッシが天才であって出身国は関係ないかもしれません。
ですが、もう一人の史上最高選手のマラドーナもアルゼンチン出身です。
私は偶然だとは思えないのです。
というのは、私の推測では、アルゼンチンはサッカー大国の中で、最も「ドリブル重視」の国だからです。
ドリブルで抜きにかかってくる割合は、筆者の感覚だと日本5、ブラジル8、アルゼンチン10といったところだろうか。
次にアルゼンチンのパターンを見てみる。前章でも述べた通り、アルゼンチンではパスを受けたらまずは相手を抜こうとしてくる。
そのため、パスはドリブルが出来なかった時の次のオプションとなる。「ヤバい奪われそう」となった時に、奪われるよりはチームでボールを保持した方がマシなのでパスを出す。
ドリブル重視と書くと、「周りが見えなくなる」とか「味方との連動ができなくなる」ということを言われたりします。
ですが、メッシやマラドーナは味方を使えないのでしょうか。
むしろパスセンスが芸術的だったりします。
現アルゼンチン代表のマクアリスターやエンソフェルナンデスなんかも、パスが持ち味です。
ですが彼らはドリブル重視のアルゼンチンで育ったはずです。
そこで問いがあるのです。
ドリブル重視だった「のに」パスがうまくなった。
ドリブル重視だった「から」パスがうまくなった。
人は自分の論理に囚われすぎて、この辺の論理を恣意的に曲げる傾向があると思います。
たとえばコロナワクチンです。
日本は世界一ワクチンを打ちましたが、世界一感染者が多かったというデータがありました。
ですが大抵の人は「なんでワクチンを打ったのに感染者がこんなに多いのか」という問いの立て方をします。
そこで「マスクをしていない(マスクを日本ほどした国はないです)」「緊張感が足りない(緊張感で風邪は防げません)」といった言動が支配的でした。
ですが素朴に考えれば「日本はワクチン接種世界一で、感染者世界一ならば、原因はワクチンではないか」と思うでしょう。
ワクチンがいいものだと思い込んでいるから、ワクチン自体を疑う思考が出てこないのだと思います。
じゃあなんで国がこんなにワクチンを勧めるかといえば、単にアメリカ様の威光に逆らえないのでしょう。
もしくは製薬会社からの利益が、日本上層部の人たちに、〇兆円規模で流れているのだと思います。
そしてコロナワクチンには「抗原原罪」「ADE」「スパイクたんぱく質による血栓」「DNA汚染」等々、非常にまずい機序がたくさんあります。
詳しく知りたい方は、↓の荒川先生の記事を参照いただければと思います。
話を戻します。
パスを重視すればパスがうまくなるわけではないのだと思います。
パスをうまくなりたければ、ドリブルを磨く必要があると私は思っているのです。
なぜなら、パスを出すときに、まず対面の相手に対して優位に立てなければいけないからです。
この辺の感覚は、論理的に説明するのは難しいですが、わかる人はわかってもらえると思います。
対面の相手に「パスも出せるしいつでも抜けるよ」という技術がある選手は、その分パスに集中できます。
この感覚は、↓動画の、メッシ、イニエスタ、シャビ、ブスケッツを見ていただければわかると思います。
彼らはいつでもドリブルで相手を外せるから、パスコースを、よりストレスフリーで探せるのだと思います。
私は指導した子どもの理想を、↑のようなメッシやイニエスタ、シャビやブスケッツに置いています。
なぜなら、おそらくこの4人はめちゃくちゃサッカーを楽しんでいるのだと思います。
これだけできれば、それは楽しいでしょう。
そしてその基礎は「ボールを持てること」だと思っています。
毎度書きますが、私は市内最弱だったときも含めて、延べ30人弱を卒業させて関東大学リーグキャプテンと副キャプテンを輩出できました。
そう書かないと、説得力がないから書いています。
関東大学リーグとは、元高校サッカー強豪とかJ下部組織とかの選手しかいないような場所です。
その場でその実績を出せたわけです。
そして私の練習は、とにかく低学年のうちはドリブルドリブルです。
もちろん違った意見も尊重しています。
ですが、最初からパスありきだと、けっこう苦しくなるというのが私の意見です。
なぜなら自分で運べないと、自分で状況を変えられないからです。パスだけ狙っているのは、相手からしても楽なのです。