師匠2人。 | 徒然に。

徒然に。

思ったことを気ままに。

 日曜日は、勝手に師匠だと思っているA監督チームと試合でした。

 私にはサッカーコーチの師匠が2人います。

 一人はたびたび登場するM監督で、もう一人が今日メインで書かせていただくA監督です。

 私がこのお二方を尊敬するのは、毎年いい選手を輩出するのにも関わらず、運動が苦手な子がほとんど卒業までサッカーを続けるところです。

 いい選手を輩出するということでは、10年ちょっと前ですが、U18日本代表のダブルボランチを、A監督出身チームの子とM監督出身チームの子が組んでいたのを何気なくニュースで見たときは、驚愕しました。

 そのときはコーチを辞めて普通に働いていたのですが、昔からこのお二方の指導を知っていたので、私は感動して泣きそうになったのでした。

 運動が苦手な子も一生懸命に育てるチームで、ときには市内大会でも最下位トーナメントになるようなチーム力のなかで、選手を育てています。

 普通の街クラブでも、しっかりした指導をすればいい選手が生まれるということです。

 そしてもちろん、私は運動が苦手な子にサッカーを楽しんでもらおうと思いつつ、うちのクラブからU18日本代表を輩出してやろうと燃えています。

 

 A監督から「3年以下、3連休もあり全部で人数10人ちょっとなんだけど、2チーム作って試合しない?」とお誘いいただきました。

 

 ところで私はけっこう、ある意味変な憤慨を感じてしまいます。

 今、新興のクラブチームがどんどんできています。

 何箇所かでスクールを開催し、上手い子を吸い上げてチームを作り大会に出てきたりします。

 元J下部出身などの輝かしい実績を持ったコーチが多いように思います。

 ただ、元プロとか元J下部出身だからといって指導力があるとはかぎりません。

 強いからといって指導力があるとはかぎりません。

 それでも「〇〇クラス」という名前に、サッカーに限らず人は弱いようです。

 そして〇〇クラスに入るために燃えるのは、人間の性かもしれません。

 そうした中、A監督のような、私が思うに少年サッカー指導にかけては超一流だと思っているチームからすら(A監督のチームからはJリーガー2人、なでしこジャパン1人、フットサル日本代表1人輩出しています)選手が抜けているし、低学年では人数が揃わない状況になっているのです。

 少年団側からすると、難しい時代になったと思います。

 

 話を戻します。

 日曜日、練習試合。

 ラインを引くのが面倒くさいのか(笑)ペナルティエリアには皿コーンが置かれています。

 サッカーは細かいのにグラウンド作りはおおらかだなとおかしくなります(笑)。

 アップをしていると「あと5分後に試合でいい?」と聞いてくるので「10分後でいいですかね?」と言います。

 すると「妙に入念にアップするな」と言ってくるので、私は「この半年間、A監督のチームを倒すためにやってきたのでそれは入念ですよ」と。するとA監督「俺のチームを練習試合で倒すために半年間やってきたのか!」と笑いながら言います。

 試合中もこんな調子です。

 ラインを出たか微妙なところでA監督のチームの若手審判がうちに不利な判定。

 私はA監督に「ホームアドバンテージですか!」と叫びます。A監督「アウェーの洗礼だ!」と言ってきます(笑)。

 そんなこんなで楽しい雰囲気でした。

 

 ただ、そんな中でもA監督の指示はさすがに細かいのです。

「広い方に逃げてから、相手と向き合いフェイント!」

「広い方はタッチ大きく、狭いところでは細かく!」

 私はこういった指示を聞くと、サッカーの達人がいると思って嬉しくなります。

 もう一人の師匠のM監督も、あまり指示はしませんが、指示をするときは細かいです。

 ウイングがファーストタッチでゴールに向かわないでコーナーフラッグに向かうタッチをしたときは「そのタッチじゃ、おまえのサッカー終わっちゃうよ」。

 私はまだまだ到底A監督やM監督のような、深みのある指示ができないので、この両監督のチームと試合をしたときは、すべてを吸収してやろうと思っています。

 

 ただ、私的には勝手に思っているだけかもしれませんが、M監督にもA監督にもかわいがっていただき、いろいろ教えてもらっているので財産になっています。

 しかもそれなりに私のやっていることを認めてくれるのは本当に嬉しいです。

 この両監督に認められるということは、それなりということだろうと勝手に思って自信にしています。

 今日のA監督、うちのアップを見ていて「ほんとボールタッチ、うまくさせているな」と言っていただけました。

 

 M監督には、いつも含蓄がある言葉をもらいます。

 あるときは「そんなに子どもたちをうまくさせてどうするの」と言われたことがあります。

 嬉しいのと同時に私なりに答えがあるのですが「うまくさせるだけではだめだよ」ということを、絶妙に言ってくれるのです。

 

 さらに10年以上前の、まだ昭和が残っていた時代です。

 M監督のチームとうち、あともう1チームが強豪で、3チームリーグになったときがありました。

 M監督のチームはその代は都大会に出るくらいの強いチームで、うちは5年時には文字通り市内最弱でした。ですがそのときは6年前半で、強くなりかけていて手応えを感じていました。たびたび書いていますが、その代6人からは関東リーグ所属チームに2人セレクションで合格しました。

 M監督はそのような変化を感じてくれたのだと思います。

 なぜかグループリーグの強豪相手にBチーム(あまりA、B分けしない監督ですがそのときは分けてきました)を出し、うち相手にAチームを出してきたのでした。

 もちろん10点差で、ボコボコにされました。

 ですが卒業最後の練習試合、3月末にうちを指名してくれたのです。M監督のチームにとっても最後の6年生の試合です。

 その試合にうちを指名してくれたのです。

 その試合は引き分け。

 私はM監督の「指導」に最後答えられた気がして、勝手に感動したのでした。

 

 師匠を持つということは、自分の基準にもなると思います。

 私はたまたま大学生時代にサッカーコーチバイトをやったとき、M監督のチームとA監督のチームが同じ市内にいて、そのサッカーに衝撃を受けて勝手に自分の中の師匠にしたのですが、私の嗅覚は間違っていなかったと思っています。

 なにしろそのときはまだ、M監督チーム出身の子とA監督チーム出身の子がU18日本代表でダブルボランチを組んでもいないし、プロもまだ出ていませんでした。(M監督のチームからもプロは2人出ています)

 そしてその両監督にサッカー面で認められるくらいになれば、自分のコーチとしてのレベルもそれなりに近づいたかなと思えるのです。

 私は今まで両監督のように継続してコーチをやっていません。

 もしかしたら今後もそうかもしれませんが、それでも時間のやりくりをして一生コーチを継続してやりたいというのが今の気持ちです。

 そしてある程度、両監督に認めていただいたということを心の糧にしつつ、自信をもって継続的にやっていきたいと思います。