脳から考えるサッカー上達のヒント。 | 徒然に。

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 現役時代は世界最高の司令塔と言われたシャビの脳を調べた映像があります。

 

 

 映像によると、シャビはパスコースを探すときに、大脳基底核が比較対象の選手に比べて活発化しているとのことです。

 大脳基底核はスポーツにおいて「手続き記憶」と言われる働きをします。

 繰り返し技を覚えることで「身体の動き」を記憶するのです。

 「パスコースを決定する」というのは、普通は「前頭前野」の働きのはずです。

 ですがシャビは「身体の動き」の働きの関与が、最も多いと考えられます。

 

 それは何を意味するでしょうか。

 「パスコースを決定してパスを出す」というときに、判断すらしていない可能性があるということです。

 判断するというのは前頭前野の働きです。

 そうではなくて、最善のパスコースにパスすることが、もはや一つの運動なのです。

 

 私が思うのは、バルサの特殊な育成事情もある気がします。

 バルサは小学年代からボール回しばかりやっているようです。

 

 

 子どもの頃から飽きるほど、同じ局面が発生する練習を繰り返しています。

 そう思うと、メッシは育成環境という点からでも、奇跡的な幸運に恵まれた気がします。

 メッシは日本で言えば、中1に上がる段階でアルゼンチンからスペインのバルサカンテラに入りました。

 アルゼンチンは「ドリブルの国」です。

 おそらく小学生年代までは、アルゼンチンで徹底的にドリブルを磨いたのだと思います。

 

 

 そこから、アルゼンチンとは正反対のポゼッションの国であるスペインでボール回しを磨いたのだと思います。

 

 ある程度こういう考えが正しいのであれば「ドリブルチーム」や「パスチーム」という区分けよりは、ある年代までは徹底的にドリブルを磨いて、あるときに一気にパスに切り替える、という考えもありだなと思いました。

 大脳基底核が活動するには、身体に染み込むまでやる必要があるのだと思います。

 

 そうやって徹底的に同じような局面を繰り返していると、イメージを司ると言われる「右脳」が活発化するのではないでしょうか。

 ↓動画は羽生善治先生の脳を測ったときのものです。

 右脳が非常によく働いています。

 

 

 論理や言語を司ると言われる「左脳」はあまり働いていません。

 将棋のプロ棋士は、頭の中に将棋盤があり、それを頭の中でひっくり返して考えたりすると言います。

 「配置」が大切だという点において、サッカーと将棋は似ている気がします。

 理屈というより空間的に良し悪しも把握する感じです。

 もしかたらサッカーでよく言うような「まず敵のゴールに近い味方から見よう!」とかは、違うのかもしれません。

 それとも、そういう声かけを続けることによって、その選手の無意識下に入るのかもしれません。

 いずれにしましても、サッカープレイヤーに対しては、空間的に局面を把握するような仕掛けを多く持つことが大事なのかもしれません。