新年。 | 徒然に。

徒然に。

思ったことを気ままに。

 明けましておめでとうございます。

 今年も宜しくお願いします。

 去年はすっかりサッカーブログ化していました。

 自身もコーチをやっていて、マニアック気質によりサッカー研究をしているわけですが、その中でも本質的に思うことがあります。

 それは「なぜ人はサッカーをやるのか」ということです。

 

 けっこう前のことですが、うちのチームにいた、あるイギリス人の保護者Aさんがコーチと話をしたいと乗り込んできたことがあります。ちょっとした出来事があったあとでした。

 私はまだコーチとして復帰する前でしたが、監督とは友人なので暇なときにはグラウンドに顔を出していました。私はなぜか「仲裁役」として、その場に駆り出されました。

 Aさんとは「飲み友達」なのでした。

 こういう場では、お互いに感情的になるのはしょうがないでしょう。

 ただ、私はAさんが、さすがサッカーの本場のイギリス出身だなと思いました。

 彼は言いました。

「コーチ達は、うまくなるためにどうすればいいのかばかり、子どもたちに言います。うまくいかないと注意ばかりします。でも子どもたちはうまくなるためにサッカーをしているんですか?違うでしょう?楽しむためにサッカーをやっているんでしょう?サッカーをエンジョイすることが一番でしょう?指導の根本が違うんじゃないですか?」

 

 私はなるほどと思いました。

 しかも私はAさんと考え方が近いのです。

 前回の記事で「私が指導をほとんどしない」ということで一部保護者から不信感を持たれることがあるということを書いたら、親切に慰めのコメントをくれた方がいました。

 ありがとうございます。

 ただ、やっぱり一部不信感を持たれようとも、試合で細かな指示はしたくないのです。

 根本的に「サッカーを楽しむのは子どもたちであり、大人は極力口出ししない方がいい」と思っているのです。

 私は試合中のコーチとしては「観客」のつもりで試合を見ています。

 その方がおもしろいからです(笑)。

 さらにコメントをくださった方は「自チームベンチは静かで、相手チームのコーチの指示の声ばかり聞こえる異様な状況にも慣れました」と書かれていました。

 ただ私は、本心では「コーチの指示の声ばかりが聞こえることが異常」だと思っているのです。その方のチームのコーチとは、仲良くなれそうな気がします(笑)。

 

 経験としての裏打ちもあるつもりです。

 度々書いていますが、市内でも弱い方といっていい自チームで、私は3代延べ30人弱を卒業させました。

 その中から、関東大学リーグキャプテン1人と、関東大学リーグ副キャプテン1人を輩出しています。関東大学リーグはプロ一歩手前です。

 徹底的に指示したからうまくなるわけではないと思います。

 むしろある程度は子どもの自主性に任せた方が、うまくなると私は思います。

 さらに、うちよりは強いですが、それでも市内で最強というわけでもない近隣チーム出身者で、U18日本代表のダブルボランチを組んでいたことがありました。

 今回たまたまリーグ戦で同じ組になり、それぞれ1点差と2点差で負けましたが、そのくらいの力関係だということです。

 彼らの出身チームも、選手の自主性を重んじるチームです。

 彼らの小学時代に何度も対戦したし、合同練習をやらせていただいて実際に指導しましたが、自由奔放にプレーしていました。

 そういった姿勢が伸びしろになるのだと思います。

 

 自身の選手時代は三菱養和巣鴨でプレーしました。

 養和巣鴨も選手の自主性をとことん尊重してくれるチームです。

 そのチームから、中村敬斗や相馬勇紀といった日本代表選手を送り出しています。

 Jクラブに一番の有望株を持っていかれる中、養和はすごいと思います。

 

 

 サッカーを楽しむこと、について書かせていただきました。

 もちろん一生懸命に指導すれば、うまくなるのは間違いないと思います。

 ただ、なんというか、才能がある子というのは、やっぱり違う気がします。

 分野が違うしうちの甥っ子K君の話で恐縮ですが、数学は全国模試で10番台とかでした。

 去年高校受験でしたが、大して勉強していないのに「落ちたらどうしよう」とか言っています。だったら勉強すればいいのにと思うのですが、そういう気持ちはよくわかります(笑)。

 結局、東京学芸大学附属高校に受かって開成高校は落ちました。

 だいたい2校とも同じ程度の偏差値です。

 本人曰く「開成は今年、数学が簡単だったから差がつかなかった。開成がもっと数学を難しい問題出してくれたら受かったのに」とか言っています。負け惜しみでしょうけど(笑)。

 勉強面でいえば、そのレベルまでは、いくら教えても無理だと思います。

 本人の地頭というしかないと思います。

 そしてサッカーも同様だと思います。

 

 私は父に、サッカーで過剰な期待をかけられました。

 良かった部分もあります。

 小学時代に、泣きながら練習させられたおかげで、三菱養和巣鴨に合格し、高いレベルでサッカーをできました。

 ですが、マイナス面も大きかったです。

 燃え尽きてしまったのです。

 そして一度燃え尽きると、精神的な復活まで、数年かかります。

 

 やはり「エンジョイ」は大事だなと思うのです。

 現象面で、たとえ試合に勝てなくても、もっと大事なことがあると私は思っています。