最近立て続けにリブログしてくださった方がいて、ありがとうございます。
いつもはアクセス数が100PVくらいなのが、最近は500PV〜1000PVということになっていて、ブログを始めて7年くらいで初めてのことで、嬉しいのと同時に戸惑いもあります(笑)。
というのはこのブログを始めたきっかけが、医学部時代の勉強ストレス発散なのでした。だから「ブログランキング」には入っていないです。ブログを読んでほしいとは思っていない部分もあるのです。
私の医学部時代の記事をちょっと読んでいただければわかるように、読者を想定していない、勉強ストレスの発散の場でした。さらに私は「活字中毒」でして、とにかく活字を読んだり書いたりしないと、落ち着かないのです。内容は頭に入っていないのに、本を読んでいることもしょっちゅうあります(笑)。
なので基本的には、自己満足ブログであり、私自身の幼稚な自己顕示欲などを遠慮することなく発揮する場だということで、お付き合いいただければと思います。
ですが私がちょっと思うのは、なぜ日本人はここまで「自己顕示」を否定するのでしょうか。みんながみんな「自分はすごい!」と思っていて、同じように「自分はすごい」と思っている他者と楽しく付き合って生きていけばいいのにとシンプルに思います。
私は社会人を経て、中国の北京大学医学部に留学しました。
日本の報道では「中国最低」というものばかりなので、どんなに酷い国かと思っていました。
ですが6年間北京に住んでみて、圧倒的に日本より暮らしやすかったし、楽しかったです。
中国人はみんな「俺はすごい!」と天真爛漫に思っています(笑)。みんなそう思っているから、全然それでOKなのです。おかげで中国にいるときは、素の自分でいれたのでした。
「人をなぜ殺してはいけないか」
そんな命題にお釈迦様はこう答えました。
「人はみな自分が世界で最もかわいい。すべての人間がそう思っている。であるからして、その人が最も大切に思っている命を奪ってはならない」
最近サッカー関係のフォロワーさんが一気に増えたので、ブログを楽しく拝読しています。その中でやっぱり「少年サッカーの世界でも日本病で苦しんでいるよなあ」と思うのです。
息子が活躍すれば飲みに行って「今日の俺の息子、すごかっただろ!」と自慢して、お会計ではちょっと多めに払えばいいのにと思います(笑)。中国人ならそうやると思います。周りも心の底から「今日のおまえの息子はすごかった!乾杯!」となるでしょう。ただ酒ですしね(笑)。
ですが日本では、自分の息子が活躍したときに限って、「いえいえ、たまたまです」とか言わなくてはいけないのです。
こんな国、日本だけですよ。
話を戻します。
もちろん、書くからには(自己満足の次の欲求ですけど笑)読んでくださる方のためになることを書ければという思いもあります。
今日は、簡単に筋肉の話を交えながら、インサイドの切り返しを書きたいと思います。
そして筋肉の基本的な働きを理解していただければ、きっとお子さんやご自身の身のこなしを見る視点が変わってくるのではないでしょうか。
最近はちょっと陰りが見えてきましたが、ブラジルと言えば世界一のサッカー王国として有名です。その独特のリズムは「ジンガ」として知られています。
そのブラジル人選手がよく使うのが「エラシコ」です。
私はこのエラシコの動作にこそ、インサイドでの切り返しの本質があると考えています。
解剖学的な話を書きたいと思います。
まずは腸腰筋。
高岡英夫先生が「超一流の筋肉」だと発表して以来、その重要性は認可されつつあります。
ところで、よくストレッチなどで筋肉を伸ばすわけですから、筋肉の役割を「伸ばす」と思っている方がけっこういるかもしれません。
ところが実際は逆なのです。
筋肉は「収縮する」ことによって、働きます。
たとえば、腕を曲げて力こぶを作ります。
上図にありますように、腕を曲げるのは上腕二頭筋が収縮するからなのです。
収縮して盛り上がるから「力こぶ」になります。
腸腰筋に話を戻します。図を再掲します。
たとえば右の腸腰筋が収縮したことを思い浮かべていただきたいと思います。
足を地面に固定していたら、右斜め方向に上体が倒れるのがイメージできるかと思います。
足を地面に固定しないならば、右足が上に上がるのがわかるかと思います。
両方働いたら、右上半身が右方向に倒れつつ、右足が上がるでしょう。
そういった意味で見ていただければ、↓動画のマラドーナのトレーニングの凄さがわかるかと思います。
普通は何も教えられずにこんな動作はできないはずですが、やはりマラドーナは天才なのでしょう。
さて、筋肉には拮抗筋というものがあります。
ある筋肉が縮むと、拮抗筋は伸びます。
「力こぶ」から考えるとイメージしやすいかと思います。図を再掲します。
上腕二頭筋の下についているのが、上腕三頭筋です。
力こぶを作ると、上腕二頭筋が収縮するのと反対に、拮抗筋である上腕三頭筋は伸長します。
反対に、腕を伸ばせば、上腕三頭筋が収縮し、拮抗筋である上腕二頭筋が伸長するのです。
それでは、腸腰筋の拮抗筋はどの筋肉でしょうか。
ハムストリングスです。
腸腰筋との関係は↓です。大腿直筋の下にある←の筋肉です。
ハムストリングスの働きは「足を後ろに蹴り出す力」です。
ハムストリングスを収縮すれば、足が後ろにいくのがイメージできるかと思います。
さらに「伸張反射」です。
筋肉には、伸ばされると収縮しようとする働きがあり、それが伸張反射です。
ちょっと難しくなってきたかもしれません。
簡単にまとめたいと思います。
1,筋肉は収縮することによって働く。
2,収縮した筋肉に対しては拮抗筋があり、その筋肉は逆に伸びる。
3,伸びた筋肉は伸張反射により縮もうとする。
そこで本題の「インサイド切り返し」です。
ロナウジーニョのエラシコを再掲します。
ロナウジーニョが切り返す際、常に切り返し足の同じ方の肩が下に落ちているのがわかるかと思います。
つまり例えば右足で切り返すならば、右側の腸腰筋が働いているということです。
ということは、拮抗筋であるハムストリングスはどうなっているでしょうか。
伸びています。
伸張反射によって、ハムストリングスはその瞬間どうしようとしているでしょうか。
縮もうとします。
ハムストリングスが縮むと、どうなるでしょうか。
足を後方に蹴り出すことになります。
ということは、速い切り返しができることになります。
私はエラシコ的動作の切り返しは解剖学的には、このようなメカニズムが働いていると考えています。
たとえばメッシの↓動画45秒を見ていただきたいと思います。
左足インサイドで右に切り返す瞬間、一瞬顔とか肩が左に落ちています。
練習方法は至って簡単です。
私がよくやるのは「歩きながら、エラシコの動作をやる」です。
左右左右と、毎回エラシコをやります。ですがエラシコのようにアウトでボールを触る必要はないと思っています。たとえば左足ならば左足を左に真横にいくイメージで動かしながら、着地する瞬間に左足インサイドで切り返せば、勝手に左肩が落ちます。つまり腸腰筋が使えるようになってきます。
簡単な練習なので、試していただいて効果があったら嬉しく思います。