オートハープの和音演奏は、張ってある全ての弦のうち、コード構成音以外の音は鳴らないように、バー(コードボタン)についたフェルトでミュート(消音)する仕組みです。
例えば、コードボタンが「C」であれば、その構成音である「ド、ミ、ソ」以外の音をミュートしています。
 
しかしながら、よく調べるとコード構成音(ド、ミ、ソ)の音なのに、ミュートされている箇所がいくつかあります。
 
今まで、東海楽器のキャロラー(https://ameblo.jp/asafu1yoshiya2/entry-12477561437.html)、オスカー・シュミットのケース一体型(https://ameblo.jp/asafu1yoshiya2/entry-12477562026.html)で調べてきましたが、今回はアリアで検証してみました。
 
以下21種類の各コードです。ベース音と36本の弦のミュート状態について記します。
<メジャー系>
A♭・・・ベースはC=長3度。コード構成音の全ての音が鳴っている。
E♭・・・ベースはG=長3度。コード構成音の全ての音が鳴っている。
B♭・・・ベースはF=完全5度。コード構成音の全ての音が鳴っている。
F・・・・ベースはF=ルート音。コード構成音の全ての音が鳴っている。
C・・・・ベースはC=ルート音。一番低いG音(完全5度)がミュートされている。
G・・・・ベースはG=ルート音。コード構成音の全ての音が鳴っている。
D・・・・ベースはD=ルート音。コード構成音の全ての音が鳴っている。
A・・・・ベースはE=完全5度。コード構成音の全ての音が鳴っている。
 
<セブンス系>
B♭7・・ベースはF=完全5度。コード構成音の全ての音が鳴っている。
F7・・・ベースはF=ルート音。コード構成音の全ての音が鳴っている。
C7・・・ベースはC=ルート音。一番低いG音(完全5度)がミュートされている。
G7・・・ベースはG=ルート音。一番低いF音(短7度)がミュートされている。
D7・・・ベースはD=ルート音。一番低いC音(短7度)がミュートされている。
A7・・・ベースはE=完全5度。一番低いG音(短7度)と、もう一オクターブ高いG音がミュートされている
E7・・・ベースはE=ルート音。一番低いD音(短7度)がミュートされている。
B7・・・ベースはF#=完全5度。コード構成音の全ての音が鳴っている。
 
<マイナー系>
Cm・・・ベースはC=ルート音。一番低いG音(完全5度)がミュートされている。
Gm・・・ベースはG=ルート音。ベースより高いB♭(短3度)がミュートされている
Dm・・・ベースはD=ルート音。一番低いF音(短3度)がミュートされている。
Am・・・ベースはC=短3度。コード構成音の全ての音が鳴っている。
Em・・・ベースはE=ルート音。一番低いG音(短3度)と、もう一オクターブ高いG音がミュートされている。
 
 
コード構成音なのにミュートされる音の法則(理由)を探ってみました。
①短7度はベースにしたくない
②短3度はベースにしたくない(謎:しかしAmの時だけは何故かOK
③完全5度はベースでも良いが、1本低い(隣に)ルート音がある場合は、そちらを鳴らした方が良いためミュート
謎:以上はベース音の問題だが、A7、Gm、Emにおいては、ベース音ではない1オクターブ上の短7度、短3度がミュートされているただし、A7に関しては1オクターブ高い箇所でもG#音がなく、G音をミュートしないとA音と隣接してしまうからかもしれない。基本的にどの箇所でも、“隣り合わせの弦を両方(2本続けて)鳴らす”ことはしないらしい。)
 
ちなみに、Gmに関してはオスカー・シュミットでは、1オクターブ上のB♭は鳴らしていました(ミュートされていませんでした)・・・!謎?
 
まぁ、何らかの響きの特性を考えてのことなのかな~、と推測しています。
 
でも、ソロ演奏の時は、コードの構成音は全て鳴ってほしいので、自分は全部の構成音が鳴るようにカスタムしています。
 
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