㉜紫の上 弐 | 吉備路残照△古代ロマン

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吉備路自転車道を回って以来すっかり古代吉備国の残り香に取り憑かれました。
歴史と神話が絡み合っているから多くの遺蹟の故事来歴が謎に包まれています。
鬼ノ城・温羅伝説・鳴釜神事等の謎に新しい解釈を加えていけるので楽しみです。

源氏物語名場面㉜

 

 

紫の上 弐

明石の君編Ⅱ

 

 

嵐山

大堰川の紅葉

 

🔲

 

「急なお願いで恐縮ですが、

明石のを育てていただけませんか」

 

明石の君のもとで育てるよりも

身分の高い紫の上の養女になる方

の将来のために良いと判断したからだ。

 

例えば

地方官/国司の娘である

明石の君では入内できない。

 

孫娘の入内が

前播磨国司明石入道の悲願だった。

 

ちなみに

入内できるのは大納言以上だが

大納言の娘は《更衣》として

大臣以上は《女御》と

して入内する。

 

《更衣》が

《中宮》になることはなかった。

 

 

紫の上はもともと無類の子供好き。

 

姫君を大事に育てます」

 

 

姫君【二条院】に迎えた当初は

実母を慕って泣いていたが

日を追って

紫の上に懐くようになった。

 

紫の上

姫君が打ち解けるに

従って

明石の君を訪ねる源氏を怒った

り膨れたりしなくなった。

 

それどころか

「もし

わたし明石の君の立場であれば、

と引き離されて頭がどうかなりそう」

 

紫の上

明石の君気持ちを慮る余裕が芽生えている。

 

姫君抱き上げたり

追いかけたりして戯れている

紫の上さながら実の母のようである

 

次回は、朝顔

 

 

紫の上挽歌