㉝紫の上 参 | 吉備路残照△古代ロマン

吉備路残照△古代ロマン

吉備路自転車道を回って以来すっかり古代吉備国の残り香に取り憑かれました。
歴史と神話が絡み合っているから多くの遺蹟の故事来歴が謎に包まれています。
鬼ノ城・温羅伝説・鳴釜神事等の謎に新しい解釈を加えていけるので楽しみです。

源氏物語名場面㉝

 

紫の上 参

 

朝顔

 

 

朝顔

源氏の従姉妹

朝顔と紫の上の父はともに皇弟で同格

(先帝と桐壺帝の関係性は不明)

一方

朝顔の母は正妻だが

紫の上の母は正妻ではない

 

🔲

 

朝顔

桃園式部卿宮逝去後

《*賀茂の斎院》を退いて実家の

【桃園邸】に戻り

叔母の女五の宮と暮らしている。

 

*賀茂の斎院

賀茂神社に奉仕する未婚の皇女or王女

伊勢神宮の「斎宮」に倣って設置

 

若い頃から

従姉妹の朝顔が気になっていた

源氏

叔母女五の宮の見舞いに言寄せて

紫の上不安になるほど

足繁く【桃園邸】を訪れた。

 

世間では

「とてもお似合い」と

正妻候補として噂しあっていた。

 

女五の宮も二人の婚姻を望んでいる。

 

そうした噂が

否が応でも耳に入るので、

紫の上ますます気がかりになった。

 

 

朝顔も、源氏に好意を寄せている。

 

だが

「奔放な女性遍歴」と

六条御息所など源氏愛した女君たち

不幸な顛末」を迎えているので

になろうとは思わなかった。

 

源氏の求愛を拒み続ける一方

四季折々につけて

風流な便りを交わす関係を続けた。

 

朱雀帝の世から

《賀茂の斎院》を長く続けたため

朝顔

婚期を逃して独身のまま出家する。

 

こうして

朝顔物語の表舞台から

ひっそりと

消えたので紫の上は事なきを得た。

 

 

次回は、女三宮