源氏物語
39帖夕霧
源氏50 紫の上42 落葉の宮(女二の宮)26
夕霧29 雲井の雁31 秋好中宮41 一条御息所47
朱雀院53 致仕大臣(頭中将)52
源氏にとっては息子世代の若い三人のことよりも、人生をともに歩んできた紫の上の行く末の方が気がかりである。
紫の上に、
「私は、私亡き後の貴女のことが心配でなりません」
紫の上はほんのり頬を染めた。
「源氏の君はそれほど長く、わたしをこの世に残して置かれたいのでしょうか。
この世で、女ほど絶えず身の処し方に思い悩むものはございません。
また事の良し悪しを自分なりに弁えていながら、あえて自らを抑えてしまう日々の何と多いことでしょう」
紫の上は今、女一の宮(養女・明石中宮の娘)の養育を生き甲斐としている。
一条御息所の《四十九日法要》を夕霧が仕切っているうちに、夕霧と女二の宮の奇妙な関係が世間に知られてしまった。
朱雀院は、「もし女二の宮が落飾すれば、夕霧と上手くいかなくなったからと人々が誤解するだろう」と案じている。
何より、女三の宮に続いて姉の女二の宮が出家すれば、皇女として人聞きが悪いと出家しないようたしなめた。
夕霧は女二の宮の同意を待っていても埒が明かないので、【一条邸】を改築して【小野の山荘】から移そうと思いついた。
名作映画案内112
原題*LA GRANDE ILLUSION
大いなる幻影
1937年フランス公開
監督*ジャン・ルノアール
主演*ジャン・ギャバン/マレシャル中尉
エリッヒ・フォン・シュトロハイム/ラウフェンシュタイン大尉
ドイツ貴族
ピエール・フレネー/ド・ボアルデュー大尉
フランス貴族
★
第1次世界大戦下のドイツ捕虜収容所
自由を
求めて脱走を繰り返すフランス人将校たち。
さまざまな国籍や年齢、階級の人々が、
【捕虜収容所】で繰り返す脱走劇を描いた反戦映画。
独軍に撃ち落とされて
捕虜となった仏飛行隊のマレシャル中尉と
ド・ボアルデュー大尉は脱走を繰り返すが失敗。
脱出不可能とされる【将校捕虜収容所】に送られる。
所長は、
二人を撃ち落とした独貴族のラウフェンシュタイン大尉。
貴族のド・ボアルデューとラウフェンシュタインは
親交を深めるが、
マレシャルたちの脱走計画は着々と--。
114分
《アカデミー作品賞》
に初めてノミネートされた外国語映画。