子どもの頃の記憶で
父が灰皿をブン投げたことがあって
当時住んでいた小さな賃貸住宅の
縁側に面した掃き出し窓のガラスが派手に割れた
小学校卒業まで住んでた家なので
かなり幼い頃のことだったのは確かだけど
はっきりと覚えていて
けど
父は私たち娘にも母にも
酔って恫喝するような大声を出すことはあっても
手をあげることは決してなかったので
その場面はずっと不思議でもあった
この夏に実家に帰ったとき
母と昔の話をしてるうちにふと思い出し
『大喧嘩して灰皿投げたことあったよね?』聞いてみた
しばらく考えてから
『そう言えば文ちゃん(父の弟)が来てお金の話をして
お父さんが怒って灰皿投げた!』と母
『近所の人みんなで掃除してくれて大変だった!』と笑い
『そうだったのか!夫婦喧嘩じゃなかったんだ!』と私
『うん。お父さんはどんなに怒っても酔っぱらっても
私たちに怪我をさせるようなことは絶対にしないよ』と母
『酔っぱらって自分が田んぼに落ちちゃったりするのは
しょっちゅうだったけどね』と
『妹ちゃんの結婚式はおでこに絆創膏だもんね!』と
謎のような誤解が一つ消えて
また父の株が一つあがった