こんにちは。

最近、このような本を読みました。

 

上差しCDブックと書いてありますが肝心のCDは借りれませんでした。CDの内容が気になります。

 

軍歌の話 | 田舎出身の芋娘がTHEキラキラ女子を目指す話 (ameblo.jp)

軍歌については以前ブログに書きましたがこの頃は昭和軍歌しか知らなくて、明治軍歌を知りたくて上の本を図書館で借りてみました。

(※私は戦争を肯定していませんし、右翼・左翼的な思想も持ち合わせておりません。)

 

 

日本で初めて軍歌が作られたのは1890年代です。日清戦争が1894年~1895年にありましたので、その前後に軍歌が作られました。日本にとって初めての戦争ということで戦意高揚の軍歌がたくさん作られたそうです。

「敵は幾万」が1991年7月14日発行の『国民唱歌集』にて発表されたものですが歌詞は1886年4月発行の『新体詞選』に「戦景大和魂」として発表されたものでこれが1890年代に作られた軍歌の中では一番古い軍歌ということになります。

イントロがかっこいいです。上に張ったYouTubeの動画だと動画内に歌詞が表示されますので、七五調であることがわかりやすいですね。歌の内容は置いといて伴奏はめちゃくちゃかっこいいなと思いました。

音階は、長音階だけどヨナ抜きで作っているみたいです。

 

「道は六百八十里」は1991年5月に発表されました。

 

イントロがラッパの演奏で始まります。

作詞者の石黒行平が陸軍教導団の教官を勤めていた頃の作品のようです。軍楽隊は作曲した通りに歌っていたが兵隊たちは行軍のときにこれを兵隊節で至って歩いたのでそれが一般化し盛んに歌われた、と書いてありますが、それがどのような感じなのかは想像つきません。YouTubeのリンクを張っていますが多分再録ですよね。

この頃の軍歌ってレコード化されたのでしょうか?レコード産業自体は明治時代末期からあったみたいですがよくわかりませんあせる

 

「元寇」は1992年4月25日発行の『音楽雑誌』に掲載されました。

 

作詞・作曲は永井建子という方です。ぱっと見たとき、この頃すでに女性の作曲家がいたのか、と感心しましたが調べてみると男性の方でした。ながいけんし、と読むそうです。

この曲は元寇の役(日本史で習いましたね)を記念して博多に亀山天皇の銅像を建てることを聴いた永井が感激して宣伝もかねて作った曲のようです。それが軍楽隊から全国の軍人に普及し、小学校の唱歌の教材にも使われて大流行しました。その流行の最中に日新戦争が始まりました。

ちなみにこの曲は七五調ではありません。音階もヨナ抜きではなく七音の長音階で変化音まで使っているそうですが、私は音感がないのでヨナ抜き云々はいまいちわかりませんあせる

 

1890年代以前に作られた軍歌に「抜刀隊」という歌があります。

 

8分ほどある動画ですが、この曲はかっこいいですよ!

歌詞は1882年に発表され、1885年に東京日比谷の鹿鳴館の演奏会で陸軍軍楽隊により初演されたようです。

 

この「抜刀隊」という歌が流行したというよりは、1886年に起こったノルマントン号沈没事件(日本史で習いましたね)を受けて1887年に「ノルマントウ号沈没の歌」という替え歌が流行り「抜刀隊」のメロディが全国的に流行したようです。新聞(かわら版)はあってもインターネットもテレビもラジオもない時代に歌が流行するって面白いですね。レコードだって国民の全員が買えたものじゃないですし。

 

上差し「抜刀隊」の勇ましい要素が排除され悲しい演歌みたいな感じになっています叫び

 

日清戦争中に作られたのは「婦人従軍歌」(1894年)「勇敢なる水兵」(1895年)「雪の進軍」(1895年)です。

 

 

 

「雪の進軍」は歌詞が七五調ではなく七七調です。当時としてはかなり珍しいですよね。この七五調って全部詞先で作るのでしょうか?

 

日清戦争に関連した軍歌だけをまとめてみました。これ以降のことを書くと長くなりそうなので今日はここまでにします。昭和の軍歌はたま~に聴きますが、第二次世界大戦の切羽詰まった感じがひしひしと伝わってきて、そこに私は関心を持っていますが、日清戦争中の軍歌はどれも長音階でマーチ調で、戦争に勝って経済を回したいとか友人や家族が国のために死んでいったとか、そういう戦争に対する意気込みみたいなのはあまり感じませんね。初めての外国との戦争ということで、戦争そのものをまだわかっていないのでしょうか。

ジャンルとして軍歌のことを軍歌とひとまとめにしてしまっていますが、戦争ごとに曲の色が変わってくる感じがします。流行歌が作られるのはもう少し後のことで、この流行歌(いわゆる歌謡曲)が誕生してからは軍歌も歌謡曲寄りなメロディになっていくのかな~と考えました。

日露戦争中の軍歌と昭和の軍歌についてももうちょっと調べてまたブログに書こうと思います。

 

軍歌というものについて、戦争に関連づくものだから軍歌に対しても否定的な気持ちを持ちたいと思いつつも、軍歌を通してその時代の日本がどういう状態だったかわかるような気がして、個人的には軍歌そのものに興味を持っています。ただ、「音楽のことをいろいろ知っているから軍歌も聴いてるぜ(ドヤァ)」みたいな、ファッション的な感じで聴きたくはないですね。幸いにも軍歌に関しての書籍はたくさんあるので今後も読んでいこうと思っています。

 

以上。