こんにちは。

今日は軍歌について話します。

 

最初に断っておきますが、私は戦争を肯定していません。

 

軍歌ってどういう歌だと思いますか?

私は、街宣右翼が流している歌、またはケロロ軍曹主題歌の「ケロッ!とマーチ」の熱きこの血潮と~のところのイメージがありました。

特に、街宣右翼と軍歌が結びついていました。軍歌を聞いてもいないのに。勝手にそう思っていました。

余談ですが、街宣右翼って最近は流行りのJ-POPや幼児向けアニメの主題歌(アンパンマンとか)を流しているそうですね。DA PUMPの「USA」の街宣右翼アレンジを聴いたことがあります笑

 

軍歌を聴いてみようと思ったのは、ただの興味本位からでした。こういうのも教養かなって。サブスクにあったのを適当に聴いたのですが、意外にも聴きやすくてビックリしました。

そりゃそうですよね。国民の士気を高めるために作られていますから。テンション上がりますよね。勉強中のBGMにいいなって思いました。

 

その後、図書館で軍歌のCDを借りました。CD2枚組で、30曲くらいはあったと思います。歌詞カードを見て、改めて軍歌は面白いなと思いました。面白いというと語弊があるかもしれませんが。

 

で、今、図書館でこのような本を借りてきました。

歌詞とメロディ譜が載っています。イメージとしてはキリスト教の「賛美歌21」とか聖歌集みたいな感じです。

メロディ譜を見て気づいたのは、4分の2拍子が多いこと、長調が多いこと、コードのCやGから始める歌が多いこと、です。あと、今の歌は「1番、2番、大サビ」という構成だと思いますが、14番、15番まであるとか、多いもので20番まで歌詞があります。

 

軍歌はやっぱり歌詞に目が行きますよね。軍歌のこと、戦時歌謡曲という言い方もしますけど、恋愛の歌はないんですよね。ソ連は戦時下でも恋愛の歌はあったそうですよ。

歌詞を見ていて、有名な「月月火水木金金」はまだ戦争に夢を持っている感じがしますが、その一方で、「国のために死んでいく」なんて内容の歌詞も散見されます。私が特に印象的だと思ったのが「同期の桜」という歌です。これは先に述べた、図書館で借りてきたCDに収録されていて、それで知ったのですが、再録なので橋幸夫が歌っているんですけど、冒頭に台詞がついていたんです。それが凄く印象に残りました。考えさせられます。ああ、この頃には日本は戦争に焦りを感じているな、と思いますね。

「空の神兵」もそうですね。「死」を感じさせられます。死ぬ、と直接は言わないんです。この曲では「青空に花負いて」「肉弾粉と砕くとも」と表現しています。

「同期の桜」では「花の都の靖国神社 春の梢に咲いて会おう」ですからね。

「散る」なんて言葉で死を表現する歌詞もあります。

 

この時の国民は戦争をどう思っていたんでしょうね。

 

他にも、プロパガンダソングも多くて、そういうのも面白いな、と思います。「兵隊さんよありがとう」とかそうですよね。これ、きっと子供が歌ったんですよね。賛美歌みたいな宗教音楽もそうですけど、みんなで歌うことで刷り込むんでしょうね。

 

「爆弾三勇士の歌」という歌もあります。タイトルのインパクトが凄いです。爆弾三勇士は実在したそうです。自爆して敵陣への突撃路を開いたため、彼らを称えるためにこの歌が生まれました。生まれた、というのも新聞社が公募して作ったとか。いくつかバージョンがあって、私が聴いたのはポリドールが出したやつだと思いますが、イントロに爆撃音が入っていて当時としては最先端なイントロでは?と思いました。自爆した人を美談にする辺りが日本って感じがします。この自爆については諸説あるそうですが。

 

「空の勇士」という歌は、歌っている人達が凄いですよ。『日本の流行歌史大系』というアルバムに入っていたんですけど、歌/藤山一郎/霧島昇/松原操/二葉あき子/渡辺はま子/コロムビア合唱団です。豪華なメンバー!戦争に対する意気込み(?)を感じますね。

 

20世紀の中頃になって、ようやく戦争は悪いことだと気づいただけで、それまでは戦争は悪いことという認識はきっとなかったんですよね。

YouTubeで軍歌の動画を聴いてて、コメント欄に「当時戦った兵士までも否定しないでほしい」と書かれていて、その通りだな、と思いました。

私はそもそも勝ち負けを決めるもの全てが嫌いなので戦争も嫌いですが、全員が全員、第二次世界大戦を教訓に戦争を否定しているかといえばそうじゃないですよね。でもそれでいいと思います。いろいろな考え方があっていいと思います。

 

私は平和教育を好きになれません。子供の頃に戦争のことを考える機会はたくさんありました。歴史の授業だけではありません。国語の教科書には必ず戦争にまつわる話が載っていました。道徳や総合といった授業でも戦争を取り上げました。小学校の夏休みの登校日は8月6日でした。そこで戦争体験者の方から話を伺いました。修学旅行は広島に行きました。

どれも、日本が受けた被害を強調していました。日本は確かに被害を受けています。空襲や原爆の被害を受けています。でも、それと同時に加害国でもありました。

保育園に通っていたころ、頻繁に「火垂るの墓」を見させられました。記憶に残っているのは冒頭の空襲のシーンです。子供の頃、飛行機が頭上を通るだけで怖かったです。

映像作品に文句を言うつもりはありませんが、平和教育に関して、被害だけを強調して恐怖を煽らないでほしい、と言いたいです。戦争に対してアレルギーみたいになっていて戦争について考えたいと思えなかったです。私はなぜ戦争が起こったのか、とかそういうことを知りたかったです。加害国としての日本も知りたかったです。

 

軍歌は、日本の加害国な部分も歌詞の中に現れていると思いました。誰かを傷つけ、自身も傷つけられながら死んでいく。

狂った時代だな、と思います。戦時下に最前線に立っていた政治家や軍の幹部は別かもしれませんが、国民の多くは戦争が嫌だっただろうな、ということも軍歌を聴いていると伝わってきます。

 

軍歌のCDに、歌詞カードの中でこのCDを出した方が「当時、軍歌の歌詞を反戦の内容に改変して替え歌を歌っていた人もいたそうだ。臭い物に蓋をするように当時反戦の気持ちを持った人がいるということまでも風化させたくない。だからこのCDを出した。」といったようなことを書かれていました。

 

軍歌を聴いてみるまではどういうものかわからなかったけれど、実際に聴いてみて戦争がどういうものなのかを後世に伝えるためにも軍歌の存在はなくしてはならないだろうと思いました。

 

今日、ブログを書くにあたって軍歌のことを少し調べていたら明治時代にも軍歌はある、ということを知りました。明治時代の軍歌は日清戦争や日露戦争のことを歌っているのでしょうか?気になったので聴いてみたいと思います。その時代の歌を聴くことで当時の日本のことを知ることができるような気がします。

 

以上。