「カヌレの内層ってどれが正しいのですか?」

「すが入らなくて失敗しました」

 

生徒さんからの質問でぶっちぎりトップのこの2つの質問。

 

00が正解!と話す前に、まずカヌレってどんなものなのかをざっくり理解してみませんか?

悩んだ方は少しこのブログにお付き合いいただけたらと思います。

 

カヌレは、最近ブームみたいなのですが、昔から何度かブームみたいな波があって去り、

また波が来て去り。

 

そもそもカヌレはボルドー地方の地方郷土菓子。

フランスって意外に面白くて、その地方のお菓子は他の地方では知らないということが多い。

だから、昔はパリでカヌレはそんなに見かけなかったということをパリに住んでいるおじいちゃんの知り合いに聞いたことがある。

(まあ、食関係の人じゃないので、興味がなくてあるけど気が付かなかっただけの可能性もあるので・・・でも、フランス語の先生は

食の専門学校に行っていたけど、昔はカヌレなんて見たこともなかったと行っていた。)

 

カヌレも、結構日本でブームになって逆輸入みたいな感じで流行ったという噂もある。

ピエールエルメさんが火付け役となったらしい。

(エルメさんは確かアルザスの方だっけ?の出身だった気がしますが、相当マニアックな地方菓子や料理をご存知のようです)

 

色々カヌレの歴史を調べると、ねじった生地を焼いた焼き菓子にたどり着いたり

船底に飛び散った粉を集めて焼いた小さなお菓子とか

16世紀、修道院の尼僧姉妹が棒状に作ったお菓子がその始まりだろうとする説はよく知られています。

1789年のフランス革命で、特権階級だった聖職者は迫害を受け、カヌレのレシピの秘密もこの影響で失われてしまいました。

20世紀の初めになると、カヌレはボルドーの郷土菓子として認識され、以来今日までボルドー市のシンボルとなっています。

caneléの名前は登録され、1985年には伝統的なカヌレを保存するために同業組合が組織されました。

canneléとは溝を指します。12の溝のある銅の型で焼き、型には蜜ろうを塗ります。蜜ろうを塗ることによってお菓子が型から簡単に外れるばかりでなく、お菓子にカリカリした食感を与えます。黒っぽく焦げたような、キャラメリゼされたカリカリした表面の中に、しっとりとした弾力のある生地が隠されています。この意表をついたコントラストがカヌレの特徴です。

アキテーヌ地方には800のカヌレの製造業者がいて、そのうちジロンドだけで600を占めているということです。

 

1990年前後に日本で流行。

そして下火になって、

また2010年ごろにまたブーム。

その時は、日本人ならではの抹茶だの色々なバリエーションがあって「邪道」ってなんか思った記憶だけある。

 

そして、また最近またブーム。

今回はコンビニを巻き込んで結構大々的なメジャー。

冷凍のEコマースがコロナ禍でみじかになったのも流行の原因と言えると思います。

 

まず私が思う回答から

「切らずにかぶりついて美味しい!と思ったカヌレの断面が正解!!!!!!」

です。

 

というのも、色々作ったり、色々レシピを調べていくと面白いことに気がつきます。

A

B

C

D

みたいな大分類ができて感じです。

それが全て同じ内層であるわけないとわかりますか?

・水分が多い少ない

・生地がドロッとしているさらさらしている(これは水分や粉によっても違いますが、混ぜる温度によってもかなり変わります)

・小麦のグルテンの強さ(食感や発射などに関係する。

 

硬さは混ぜあげ温度もかなり変わるし

、みんないう理論が違うので、これはいつかレッスンで私なりの検証と意見を語りたいと思います。

 

それによって、求める食感も内層も違うのです。

はっきりしたスが入る生地はどんな生地だと思いますか?

これを書き出すととてつもなく長くなりそうなので、その理屈はいつかレッスンやります。

 

バゲットもそうですよね

・ディレクトの軽いバゲットは内層もめが細かくてシュワっとして軽くてボリュームが出る

・低温長時間発酵のバゲットは、少し内層も粗くなり、もち感が少し出てくる。味わいが少し深くなるが軽さもディレクトより少ない。

・長時間発酵(レスペクなど18度の温度帯)内層が荒くなって味も濃くなる

 

 

言いたいことは、

どんなカヌレを作りたいのですか?

ということです。

私はどうせならボルドーのカヌレを目指したいが行ったことがない。

 

でもボルドーも実は色々お店がたくさんあるので店によっても違うらしい。

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これはボルドーの有名なカヌレやさんのカヌレ。

真ん中が白いじゃん!!ではなく、型によってこう焼き上がりやすいものもあるし、

こうなるのはやわらかい生地だとこんな感じに仕上がりやすい。

 

柔らかいきじは、お店に多いと思います。

というのも、家庭と違って数個じゃないので、わざわざオーブンから取り出して落とし込みなんてできないのです。

だから、とにかく発射はしないように焼きます。

型の構造にもよりますが、こんな感じになりやすい。

でもこれを上をもっとちゃんとくっつけたい場合は、落とし込みをしたりすると良いのですが、

柔らかい生地を落とし込みすると

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こんな感じにあながあく。

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乱暴にやりすぎるとこんな感じになります。

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こんなやつもあったな・・・

 

(これは昔失敗したカヌレ。4・5せんちの方ですね。

こんな感じになってしまった時も、

焼き始め、中もある程度固まった時にこれをしてしまうともう溜まった部分はお団子みたいになってしまいます。

 

同じすが入っていなくてもたとえばこれ

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これはどんな食感をイメージしますか?

 

トローーーーーりして口溶けが良いですよね。

でもカヌレの中がこれじゃNGですよね。

(これぐらいとろとろにしてしまうと外に焼き色がつく頃には相当外だけカチカチって感じになります)

というより、固まらないかな・・・

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水分が多すぎるとこんな感じになって固まらなくて終了になる事が多い。

 

じゃあ反対に生地を硬くするとどうなるのか

 

生地が硬いのは

・粉

・水分量

 

それが同じ場合で硬いとゆるいがあるばあいで牛乳が蒸発していない事前提とすると

 

混ぜあげ温度!!

 

これはかなり重要ということに気がついています。

 

これは

やれ

牛乳は沸かしなさい

00℃

 

ってありますよね。

それも

卵と粉を混ぜてから牛乳

砂糖は00に混ぜてから00・・・・

 

でも、みんな結構いうことは違う!!

どれが正解?????

 

配合がシンプルなだけに

みんな言いたい放題言っているので迷う

 

迷ってください。

私も色々迷って片っ端から潰すように作っていました。

でもただ闇雲に作るだけじゃなくて、

00の場合は00

00の場合は00

 

と配合を比率で書き直して

色々研究しました。

だってそんな作ってばかりいられないので。

そうするとだいたい配合はほぼ同じです。

ちょっとリッチにしたいから00にするとかありますが、

基本的な配合はほぼ変わらない。

 

じゃあ硬くするのと柔らかくするのどちらが良いの?

硬いとね

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こうなったら終了・・・

これぐらい飛び出たら戻りません。

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コンコン1回で戻ってそれから飛び出なければOK

 

でも2回も3回もやってダメな場合はもうそれは「生地」から見直さないとそもそもNG。

 

それはオーブンによっても違います。

 

最初コンベクションとミック(パン窯)で必死に作り比べていました。

はっきり言って横火が入りにくいミックは焼きにくい・・・。

火力の強いコンベクションが一番成功します。

 

だから4.5の型でコンベック(ガスおーぶん)で焼いていた頃は、発射で苦労したことはそんなになかった。

 

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もうこうなると・・・

コンコンして無理やり押し込む。

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15年前ぐらいは、

「浮きでたらへらで押し込む」

ってレシピに書いてあった気がする。

へらで無理やり押し込むとこんな感じにシワが横によります。

でも別に昔はこれでも良かった気がする・・・。

 

イルプルのレシピは「やさしくコンコンして落とし込む」って書いてあるらしく

「そっか、やさしくコンコン落とし込みしてあげるんだ」って思ったのです。

 

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これも無理やり押し込み系

 

飛び出たのをガンガン激しくやると

上にも載せましたが

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こうなる。

 

発射しやすい生地は

・粉の種類

・粉の量

・牛乳と卵の量

 

それが同じなのに飛び出る時と飛び出ない時があるのは

その後に混ぜたの混ぜないの混ぜ方云々もありますが、

・混ぜあげの温度

が結構重要なのです😅

 

もう私は、ありとあらゆるレシピを比率配合に直して分類して

作り方や焼き方と混ぜ温度を色々研究してみた。

そうするとある程度の一貫性が出てくることに気がつく。

 

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これは00だけど00にすると上のようになる。

これですいぶんが少し多いか、グルテンを強くすると発射する。

 

またコンベクションで焼くか、

パンかまで焼くかも違うと思う。

 

コンベクションは横火が入るので固まる速度が速い(その分上が焦げやすいのである程度の時間で焼き上げる必要がある)

逆にミックみたいなパン窯の場合は、下火を一定に綺麗に入れることができるので最後の焼き色は食感を変えずに綺麗に焼き込みやすい。

でも途中までは発射リスクが高いので、発射しない配合にする必要がある。

 

となると発射しない配合って?

それで美味しい配合って?

ってなる。

 

でも、色々調べても、そんなにレシピ自体振り幅はない。

となると・・・

というのも、

 

すいぶんを多くしすぎると

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恐ろしや・・・かたまりません・・・

または

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これは違うお菓子ですがこんな感じになります。

でもこんな感じに焼き上がらないです。外にいろがつかなくて結局は焼き時間が長くなるので

外がカリッというよりカチカチで水が戻った日には最悪です。

上は違うお菓子です。

粉が少なすぎて卵の配合が多いいわゆる「ぷりん」や「クレームブリュレ」に近い配合です。

それじゃカヌレじゃなくなってしまうわけです。

 

そうすると、ある程度固まる卵の量と発射しすぎない粉の量と水分の量は決まってくるのです。

 

その中でも、発射しない系は

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こんな感じに焼き上がります。

どこみてわかるかというと、

この場合はそこの真ん中・・・。

 

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焼きたてはほかほかでトロッとしているのが好き。

トロッとしているから生焼け?そんなことはないです70分以上オーブンには言っっているので・・・。

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今日焼けたやつ。

いい感じ!!

 

少し前のブログに書きましたが、

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同じ重量方に入れて焼きました。

小さい方が粉が少ない

これですが、断面的には違いがないけど、

食べたら全く食感は違います。

 

私はどちらも好きなのですが、

右は6個ぐらい焼くなら良いけど10個以上焼くなら絶対左にします。

 

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焼いた時の焼き上がりの形

結構高さが違いますよね。

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型によってもかなり違います。

厚みや大きさや上の形状。

カクカクしているのがインスタばえするのか、やたらエロいぐらいの錨肩の型が多い。

型についても書いてありますので時間がある時に読んでみてください。

このブログの中に紹介されているカヌレの作り方はこれより最新がありますので、一番下にでもリンク貼ります。

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焼き色もどれぐらい焼く?で見解が分かれます。

流石に右は・・・左はもう少し、真ん中でしょうか。

 

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個人的にはこんな感じが好き。

でもこれを冷えてから包丁できるとどうなると思いますか?

 

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ほら、同じでもやわらかいカヌレは包丁で切ると断面はこんな感じになりやすいですよ。

 

手でちぎったら良くね??といってます。

 

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これはかじったな・・・すみません

ババアの歯形

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熱々とろーーー

 

ちなみに熱いうちは外がぐにゃっと硬くて中がハフハフで、口の中やけどして、

もれなく甘さが感じない。

 

我慢しましょう。

 

生徒さんが、持ってきたカヌレ

「あの・・・スってどうやったら入るんですか?」

 

カヌレを手でちぎったら「入っているじゃん」しかもうまいですよ。

 

「でも私が見るとスがないんです」

 

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冷めてからカットするとこうなります。

(すみません、手で割った時の写真は食べちゃったのでないのですが、

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手でちぎったらこんなかんじ(よこはかじったかも)

です。

 

みんな切るんじゃない!!

 

と言いたい。

 

偉そうに、いかにも「上手」そうに私もインスタアップしていますが、

今日めちゃ美味しいのが焼けました。

でもガブって齧って「まいうーーーーーーーーーー」って娘と喜んでいて

ふとカヌレを見ると

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おーーーーー穴。

 

じゃだめですか?超うまいんですけど・・・買ったカヌレがこれだと「あの店ひどいんだよ・・カヌレ穴が空いていた」ってなりますか?

(これはデバイヤーの型で焼いたので出す時にはっついてしまってちょっと強引に出した時によったものだと考えられる)

 

でも穴が空いているってみてしまって写真撮ると、突然「美味しくない、失敗した」ってなっていませんか?

 

生徒さんのカヌレも結構これ系が多い。

 

綺麗にできていても味が美味しくない場合は、それを伝えどうやったらどのように変わるかをお伝えします。

 

私は別にこれぐらいいいじゃんって思っています。

少しぐらいなるって・・・

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これだめ?

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これはすいぶんが多すぎたか粉が弱すぎた、流石にこれはNGゾーン

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これは混ぜあげ温度が0000

これは焼温度が高すぎた(コンベクションで4・5サイズで練習していた頃のしゃしん)

 

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クレーターと呼んでいるが、これはバターが少ないよ

バターが多すぎると坊主👩‍🦲になります。

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理想はこんな感じが良いかな。

 

飛び出なくなった時に意識したことは「均一化」ということ。

混ぜる時もやれ00とか色々あるけど、

その時に考えて欲しいのは「均一にするにはどうしたら良いのか」です。

 

混ぜすぎてもNGだし、混ぜたら休ませるべきだし、

休ませる時に分離沈殿してしまうとそれもだめだし

休ませる時間が足りないと発射するし。

 

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でもさ、ほらちょっとぐらいのまだらはご愛嬌だと思います。

別に綺麗に焼き色つけられますが、あと5分ぐらい焼き足さないといけない。

だったら、少しぐらいグラデーションでも良いと思っています。

 

あえて何が正解?というなら

 

目を閉じて

ガブっと一口食べて

食感と味がよかったら

そのカヌレの内層が良いのです。

 

断面なんてどうでもいいじゃん。

 

というか、私もうまくできないですよ。別にちょっとぐらい気にするな!!

って気にしないで欲しいです。

 

最近混ぜ方変えたのです。

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こうならずに

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こうなるようになりました。

すみません。上はバニラ入れなくて下は兄ら入れたのでつぶつぶありますが、つぶつぶは関係ないので無視してください。

 

ちょっとこのやり方じゃないのですが、

YouTubeでカヌレに悩んだらみて欲しいと思って動画作りました。

 

これをみたからといって1回でできるようにならないと思います。

じぶんなりのやり方を掴んだら勝ち組です!!

 

いつかレッスンやりたいのですが、

既存の生徒さんで継続的に通っている生徒さん園庭でしょうか・・・。