皆さま、こんにちは！
国鉄時代は全国各地に機関車の車庫である機関区がありました。
35年前までは、普通列車は機関車牽引の客車で、
隅々にあるローカル線にも貨物列車が運行されていた時代でしたからね。
地元周辺だけでも、青森、秋田、盛岡、福島、長町、酒田、内郷と…
今じゃ信じられない数の機関区が存在してましたよ。
消えた機関区の中には、用途の特殊性から
伝説のように今でも語り継がれているモノがありましたの。
そのひとつが庭坂機関区ですが、
その機関区を併設していた駅がこちらでした。
奥羽本線（山形線）庭坂（にわさか）駅です！
明治32年に福島駅‐米沢駅間が開通した奥羽本線。
途中には33，3‰の勾配が連続する板谷峠があり、
必要な補助機関車のねぐらとして開設したのが庭坂機関区でしたの。
なぜ庭坂機関区が有名だったかといえば…
① 奥羽本線が開通した当時は上越線や羽越本線が全通前。
奥羽本線は東京と東日本の日本海側を結ぶ大動脈で、
大量の機関車が配置されていたこと。
② 配置された機関車が、急勾配の補助機関車に
特化した形式（4110やE10などなど）ばかりだったこと。
などが挙げられるかも。
他にも、近隣には福島機関区があるのに、
わずか２駅先に庭坂機関区が設けられた点もあるかもしれませんね。
こちらは庭坂機関区が現役な頃の昭和22年に撮影された航空写真です。
国土地理院のサイトより転載。
中央に見えるのが庭坂駅の駅舎で、
機関区は駅構内の北側に広がっておりました。
奥羽本線の福島駅‐米沢駅間は昭和24年に直流電化され、
同時に庭坂機関区は廃止されてしまいましたが、
今でも当時の面影が残っているのではないかと思いながら
庭坂駅を訪れましたよ。
まずは駅舎から。
奥羽本線には福島駅‐庭坂駅間の区間列車が数多く運行されているので
そうは思っていませんでしたけど、まさか無人駅だったとは…
現在の駅舎は、明治32年建立の木造駅舎に代わって
平成15年に建て替えされた２代目駅舎だそうです。
庭坂駅は、相対式ホームと島式ホームを持つ２面３線構造の駅です。
それぞれのホームは跨線橋で結ばれてますが、
無人駅化によって自由通路に改装されたようですね。
国鉄時代には無かった北側出入口が設けられてました。
この出入口がある場所は、かつての機関区の敷地内ですよ。
で、肝心の機関区跡の様子ですが…
想像はしてましたけど、機関区が閉鎖されてから既に65年以上が経過。
これだ！っていうものは見つけられませんでした。
駅周辺の住宅が、かつての機関区に正面を向けるように広がっているのが
唯一の名残かな？
庭坂駅は福島市内の北限に位置してます。
こちらは駅前の様子、密集した住宅地が見られるのもこの辺りまでですよ。
この先にあるのは板谷峠。
かつての難所も今は新幹線が余裕で通過してゆくんですから、
この様子を先人が見たら、さぞ驚くでしょうね。
ところでところで！
先に挙げた昭和22年に撮影された航空写真を見て気付いたのですが…
庭坂駅の構内北側から大きな弧を描き、
その先にある奥羽本線まで繋がる（直行する）、
線路跡らしきモノが写っていたのですよ。
写真をズームアップすると線路は写ってなさそうですが…
右上に見える黒い敷地は緑地帯ですから、砂利線ってのも考えにくいし、
このカーブ具合は、とても道路とは思えないんですよね。
ちなみにこの廃線跡らしきモノ、現在も一部が残ってます。
この正体、ご存知の方がいらっしゃったら是非教えてください！
グーグルマップより転載。
☆追 記☆
謎の廃線跡、明治32年の開通時に造られながら数年後に廃止された
キャッチサイディングと呼ばれる設備だそうです。
勾配でブレーキが効かず、暴走を始めた列車を食い止めるための側線ですが…
実験の結果、設備に進入前に脱線しちゃうことが判明したそうです。
↑（福島駅方面）
庭坂駅（平成２７年２月７日）
米沢駅
高畠駅
茂吉記念館前駅
山形駅
漆山駅
天童駅
さくらんぼ東根駅
村山駅
神崎駅
新庄駅
↓（秋田駅方面） 