皆さま、おばんです!
先々週半ばに稚内市内を旅した時のこと。
ノンビリ温泉に浸かりたくて、夜に稚内副港市場を訪れました。
ここの2階に天然温泉「港のゆ」がありまして、
露天風呂からは稚内港の全景が一望出来るのですよ。
館内の至る所に稚内市内の昔の写真が飾られていました。
入浴目的でここに来たのに写真に見入っちゃって、なかなか入浴出来ません。
写真を眺めながらフロア中央に進むと、そこにあったモノは…
駅!?
稚内港駅…稚内港駅って、稚内駅の前身のあの駅?
そうなんです。
大正13年に稚内港と樺太の大泊港を結ぶ稚泊航路の待合所として造られ、
昭和3年の稚内港駅開業の際には駅舎に転用された、あの稚内港駅が、
稚内副港市場内に再現されていたのです。
自分、このことを知らずに入館し、館内に駅舎があったので、
本当にびっくりしちゃいましたよ。
この駅舎、敷地面積の制約があるために駅舎を丸っきり…とまではいきませんが、
竣工当時の資料を元に精密に再現されているそうです。
切符売り場とか…
稚泊航路の乗航口もしっかりと再現されておりました。
駅舎正面に港の着岸設備があったようですが、
駅舎裏側から乗船していたようですね。
壁には連絡船の「亜庭丸」の名が掛けられております。
ちなみにこの当時、連絡船は稚内港~大泊港間を約8時間で結んでいたとか。
おっ、ダルマストーブがある!
「懐かしの列車ストーブ」の看板が掲げられてましたが、
これがホンモノでしたら車掌車(ヨ)辺りから取ってきたんでしょうかね?
説明には「客車のストーブ」とありましたけど、
もしそうだとしたら、現存していること自体が奇跡のような気がしますが。
壁には稚泊航路が現役だった頃の稚内市内の街の様子や稚内港駅、
そして、昭和13年に開業し終戦まで営業していた稚内桟橋駅の説明書きが。
もうね、入浴どころじゃありませって。
説明書きによりますと、
稚内港駅の駅舎は元々は連絡船の待合室だったために、
稚内港の岸壁近くにあったそうですよ。
稚内港駅の様子が少しでもわかればと思い航空写真をチェックしましたら…
ありました!
こちらは昭和23年に撮影された航空写真です。
稚泊航路は廃止され稚内港駅は稚内駅に改称、
駅舎も既に街の中心側に移設された後の写真ですが、
岸壁近くに旧・稚内港駅の駅舎が写り込んでおりました。
これを見ると、岸壁ギリギリの位置に駅舎が建っていたことがわかります。
なお、稚内港駅の駅舎があった、この位置の現在の様子ですが…
昭和40年代に施された海岸付近の工業地域造成のための埋立工事により、
連絡船が往来していた時代の面影は、跡形もなく姿を消してしまったようですよ。
それにしても何でしょうね、この胸のトキメキは。
稚内駅、面白すぎますって!
最後に稚内副港市場の施設のこと。
昭和初期の時代の街並みを再現した「港町一丁目商店街」などがあり、
あっという間に時間が過ぎてゆくこと間違いなしです。
あっ、もちろん入浴も楽しみましたからね。
お湯の温度はあまり高くなく、長く入っていられる温泉でした。
ヌルヌル成分が気になりましたけど、あれは一体何だったんだろう?
お次は、北防波堤ドームのすぐ脇にあった稚内桟橋駅跡ですが…
またも長くなりましたので、次回に続きます。
(こちらもぜひチェックくださいね)
稚内駅の歴史→国内最北端の駅、宗谷本線・稚内駅の歴史が面白すぎる。
稚内駅訪問記→【まったり駅探訪】宗谷本線・稚内駅に行ってきました。
稚内桟橋駅跡→昭和20年に稚泊航路とともに役目を終えた稚内桟橋駅跡に行ってみた。