『駄菓子』と『Apple』と『ディズニーランド』の共通点を考える | マーケティングブログ@Arty-CO 

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皆さんおはようございます。


昨日は、個人的に、ちょっといいことがあったので、お昼ごはんをワンランクアップ。

写真をSNSにアップして、『いいね!』がつくのをワクワクしながら楽しみにしていた

小市民(死語?ですかね?)のArtyマーケティング担当です。

 


さて、今日のお話です。

ボクは、小さいころから駄菓子が好きで、小学生のころは駄菓子屋さんに入り浸っている子どもでした。近くに駄菓子屋さんが何軒かあり、それぞれ品揃えが違ったりするので、アレはこっちの店、コレはこっちの店 とこだわり、遠足の前には、あっちこっち『ハシゴ(さらにテレビでCMをやっているようなメジャーなお菓子を買うためにスーパーも)』するような、今考えると『ちょっとヤな小学生』でした。

 

 

最近の駄菓子屋さんは、ボクらが入り浸っていた『おばちゃん(もしくはおばぁちゃん)がひとりでやっているタイプ』の駄菓子屋さんはほとんど見かけなくなり、ショッピングセンターなどの『駄菓子を扱っているチェーン店』になっているのが多いように思います。


時代の流れと言ってしまえばそれまでで、これはある程度仕方ないことなのかもしれません。


しかし、供給側のそんな事情はさておき、依然として駄菓子のニーズはあるようで、最近よく見かけるようになってきたのが『コンビニ(の駄菓子コーナー)』です。

 

コンビニという販売チャネルと組むことができたメーカーは、やはり強いようです。

ムカシのように『お小遣いをもらった子どもがチマチマと』買っていく(1日の売上が比較的小さい)のではなく、『自分のお金で買うことのできる大人に【大人買い】』されていくことで、結構な規模で売上があがっているようです。(商品自体も、そもそもそういったターゲットに向けて作られているようです。今回ボクも、まんまとまとめて買っちゃいました。(笑))

 

 

最近では『駄菓子バー』という駄菓子をベースにした非日常を楽しめるお店も流行っているようです。

 

ムカシは、駄菓子は『子どものおやつ』だったモノが、最近は『大人がムカシを懐かしむもの』として流通している。

でも、作っているモノは(客観的にみて)『駄菓子』であることは 変わっていません。

 

 

自社のビジネス・商品を、どうカテゴライズするか?

うまく対応できたメーカーが、市場で生き残っていく...

 

自社のビジネス・商品にこだわりを持つのはタイセツですが、

『子どものおやつ』を(子どものおやつとして駄菓子を)作り続けたメーカーは、おそらく...

 

想像できますよね…

 

 

Apple社は、以前『アップルコンピュータ (Apple Computer, Inc.)』という社名でしたが、2007年、社名から『コンピュータ』を外し、Appleとなりました。この時点でコンピュータの会社ではなく家電メーカーになった(会社のポジショニングを変えた・『ウリ』を変えた)ということです。

 


駄菓子に話を戻しましょう。

駄菓子は、『いかに世界観を緻密に作り上げるか』がタイセツな商品といえます。

 

 

パッケージで世界観を見せ、商品そのもののカタチや味などで納得させる。

 

大人が相手だと、余計に『子どもだまし(笑)』は通用しません。

 

 

Appleも、商品パッケージや商品の中身(基盤やボディの裏側など)まで緻密に・こだわりをもってデザインされている というのは有名です。新発売時の『開封の儀』がWEBで公開されるのも多く、こういったこだわりが『信者』を生む要因となっています。

 

 

先日買った駄菓子も、そういう目線で見ると、なかなか面白いモノです。

 

 

コンビニという競争の激しいチャネルの店頭でお客の目を引き、手に取らせるために選んだ戦略は、『パロディー』です。(ちなみにこの駄菓子メーカーは、ボクの実家の近くだったりします)

 

表面もモチロンですが、Appleと同様(笑)裏側も抜かりはありませんでした。

すばらしい。


 

 

別の例を…

 

Appleと同じように『世界観』をいかに作り上げるかに秀でた企業として、よく例にあがるのがディズニーランド(会社名は『株式会社オリエンタルランド』)です。

 

ディズニーランドは、(有名な話ですが)その世界観を極めるために、いろいろな『シカケ』が施されています。

 

例えば

  • 外の景色が見えないよう木を植えたり
  • 入り口からシンデレラ城に向かって道幅がだんだん狭くなるように(過剰な遠近法を演出)つくってあったり
  • 落葉樹がなかったり
  • 迷子のアナウンスが流れなかったり...

 

こういった工夫を施すことで、ディズニーランドは、より非日常であることを高め、『価値』をあげているのです。

 

 

 

駄菓子も同じです。

先ほど書いたように、商品のパッケージで世界観を伝え、商品のカタチや色などで納得させる...

 

パッケージを手に取り、眺め、開封し、食べ...

この時間を、いかに『非日常』として作り上げるか?が、(大人にとっての)駄菓子の価値(≒子どものころを思い出す という非日常の世界)ではないかな と思います。

 

 

時代に合わせ自社のポジショニング(対象とするユーザーや提供する価値)を変えること。従来競合関係にあった他社と、どうすみ分けるか?

 

とても大切なことだと思います。