No.229しがけあプロジェクト | ART STYLE SHIGA(アートスタイル滋賀)

ART STYLE SHIGA(アートスタイル滋賀)

「滋賀には魅力的なアーティストがたくさんいる。
この素敵な事実をみんなに伝えたい」、そんな想いで始めた"アートスタイル"。
ミュージシャンやモデル、俳優、お笑い芸人、芸術家、建築家など幅広いジャンルのアーティストをご紹介。

現場の「ありのまま」を発信し、

介護職員不足を解決する!

 

全国的に高齢化が進むとともに、介護サービスの需要が高まる中、介護現場では人材の確保が重要な課題となっている。滋賀県でも介護関係の有効求人倍率が2・82倍(令和3年・滋賀県)と高く、2025年には約3千200人、2040年には約1万500人に及ぶ介護職員不足が見込まれている(2021年介護人材需給推計)。

 

 一方で介護業界からは、これから現場の中核になっていく若者の関心が低いという声がある他、民間企業が行った介護職に関するイメージ調査においても、実際とはかけ離れた「思いこみ」が就職の妨げの一つになっていると指摘されている。

 

これらの状況を改善するための検討の場として、介護業界やその関係者、行政らによって『滋賀県介護の魅力等発信部会』を設置。若者をはじめ、県民全体に介護を「自分ごと」として捉えてもらうことを軸に、介護業界への間違ったイメージの払拭や職のミスマッチの防止につながる取り組みを『しがけあプロジェクト』と命名し、誰もが参加・参画できる活動が始動している。具体的にはWebサイトやSNSによる情報発信と、学生や企業、プロスポーツチームなどとともに行うイベントの開催など、発信と交流に特化した取り組みを行っている。

 

 

 Webサイト『しがけあプロジェクト』では、「介護でミライをかえていく」をキャッチフレーズに掲げ、介護職の本音を聞くロングインタビューや、介護業界を目指し学んでいる高校生・大学生・専門学校生のメッセージ、地元愛V Tuber『ぽんぽこちゃんねる』とのコラボ動画などを公開。

担当者によると「現場のありのままを見せる・みてもらうことには勇気がいったし、受け入れられないのでは…という不安もあった」というが、視聴者からたくさんのコメントが届き「取り組んで良かった」と述懐。発信部会発足当時は、「県内の学生から、良い悪いといったイメージ云々より、そもそもイメージがわかないという意見もあった」という介護現場のリアルを見せたことで、大きな手応えがあったようだ。

 

 

また、介護現場の声を集めて発信することで、「素晴らしいことは真似しよう」「課題解決のヒントになった」という現場からの反応もあり、それによって県内に魅力ある介護職場がどんどん広がっていく…という思わぬ効果もありました」と介護業界内にも良い影響が出ていると語る。
「自分たちの姿や魅力を知ってもらおうと思うと、自分たち自身が仕事の意味を振り返らなければなりません。

 

ですから、発信したものが受け入れられることで自信が持てると同時に、介護業界自身が、自分たちの仕事に魅力を感じる機会にもなっていると思います。そういう意味でも今、現場で奮闘している皆さんのために、この取り組みを続けていきたいと思っています」。

 

 

 9月には、介護について学ぶ学生が介護スタッフをインタビューするなど、若者の視点で介護の未来を考えるコンテンツ『しがけあ学生プロジェクト』もスタート。12月10日には、イオンモール草津でイベントも開催予定だ。

 

「誰かを支えることで自分も支えられる。誰かを助けることで自分も助けられる。介護の仕事はそんな、好循環がうまれる仕事です。そして、景気に左右されにくい安定した職業でもあります。ぜひこの機会に介護の仕事に、興味を持っていただければありがたいです」。
介護は、誰もが通る道。人に優しい滋賀につながる道でもある。

 

【profile】

2019年/「滋賀県介護の魅力等発信部会」設置
2021年/コロナ禍で見送っていた活動を開始。事業、本格始動。
同11月/しがけあプロジェクト 特設サイト公開
2022年2月/イベント開催
同12月10日/イオンモール草津にてイベント開催予定