ってことでtakです
気が付けば2024年も始まってました
遅くなりましたがあけましておめでとうございます
本年もふんわり書いていければ、と思っとりますので何卒よろしくお願い致します
ってことで、信念一発目、いよいよ彼らのライブを体験してしまいました
アイルランドの男女混合エレクトロデュオWARGASMの来日公演です
彼らを知ったのは2021年、愛読してるヘドバンVol.32の記事
若き頃のビリー・ジョーlikeなファニーな眼の奥に「誰にも媚びねぇ」って炎をメラメラ燃やすよな(マカロニえんぴつのはっとりさんにも似てる)サム
金髪ピクシーカットにこの世の終わりのような超小顔
アバンギャルドに見えて端々に知性を感じるミルキーウェイ
2人が並んだ時のこの佇まい
シド&ナンシー
ボニー&クライド
カート&コートニー
ロック界の絵になる男女の系譜にばっちり連なるこの感じ
一撃でノックアウトされた
曲調はインダストリアルラウドを基調にしながらも、ニューウェーブ/クラブミュージック/EDM/ヒップホップをそこかしかに散りばめた音楽性は「ドーピングしたThe Prodigy」みたいな趣もあって、そのThe Prodigy「Omen」を激重カバーしたCrossfaithあたりとシンクロするのは至極真っ当に思えます
4thシングルとなった「Spit」がスマッシュヒットし、界隈に名前が轟き始めた彼らですが、絶え間なくオリジナル曲/コラボ曲を発表するも、なかなか1stアルバム発表には至らず
そうこうするうちに、2022年には編集EP「Explicit: The Mixxxtape」(すごいタイトル)をリリース
2023年2月にcoldrain主催のBLARE FEST.2023でまさかの初来日
しっかりと爪痕を遺してます
そしてとうとう2023年10月、1stアルバム「VENOM」を上梓、今回の単独初来日と相成りました
会場である渋谷duoにつくと、イカしたアルバムジャケポスターがお出迎え
ジャパニーズアニメにも造詣が深い彼ららしい、2人をヱヴァンゲリヲンlikeに捉えた1枚に否が応でも期待が高まる
さて、この日のライブはOPアクトにASPが抜擢されとりました
渡辺淳之介率いる「WACK」所属のアイドルグループです
このブログを読んでいるtakマニアはご存知かもだが、私は古の時代、BiSヲタでした
それこそりなはむやユケがいた時代からなのでまぁまぁ筋金入りです
BiSが終わり、BiSHが始まり、ある程度システマティックな集団になった時点で私はWACK界隈を離れてしまっており、最近の動向は一切チェックしていなかったのですが、彼女達の名前くらいは知っていたのでふんわり見る事に
おぉ、良い!
さっぱり期待して無かったのだが、想像以上に良い
お行儀が良くなり、どうしたってあの頃BiSが携えていた八方破れなパワーが薄れたと感じていたWACKアーティストだが、彼女達は真面目そうなのに、何人かはぶち壊れてそうなメンバーが混じってる。双子のマチルダー・ツインズとウォンカー・ツインズのクソ尖った空気感も実にカッコいい
プロディジーのマキシムが原曲を作ったTOXiC iNVATIONやなんとWARGASMの作曲した「MAKE A MOVE」等、EDMっつーよりはBig Beat寄りな楽曲の数々も非常に今の時代のフィーリングに合ってる。音楽的な狙い処も分かり易い
また見てみたいものである
再び客電が落ち、いよいよWARGASMが姿を現す
グラサンにファーのコートを纏ったサム
カットした革ジャンにホットパンツにガンベルトのミルキー(随分ロングヘアになってる!)
癖の強すぎる出で立ちから放たれたのはアルバム冒頭を飾るタイトルチューン
ハンドマイクを駆る2人は早速ステージを縦横無尽に暴れまわる
アルバムでは打ち込み主体のドラムが完全に生で音源を大きく超える音像で眼前に迫ってくる
サムもミルキーも一挙手一投足が完全にロックスターのそれでステージから放たれるエネルギーが尋常でない
このスパークする感覚をくれるアーティストは極わずかで、その意味でも本物のロックスターだ!とテンションが高まる
「モッシュピット見せてくれ!」のサムの煽りから早くも2曲目でキラーの「RAGE ALL OVER」が放たれ、場内は喧騒の渦へ
いや、とんでもねぇ
なんだこの扇動力は
RATMにも引けとってねぇ
サビで一斉に手が上がり、会場が縦に跳ねる
You lit the fuse
And we’re the reaction
どうしようもないほど暴力的でスーパーアジテーティッドなこの曲の登場でライブは終盤戦のような盛り上がりを見せる
ヘヴィな「Minigun」を挟んだ後、サムがギターを抱え中指おったてながらお立ち台へ
「FUKSTAR」の登場だ
これぞ正しくプロディジーの系譜に連なるアジテートチューン
ビッグなリフとキャッチ-なシーケンスがあれば気分はどこまでも高揚していける事を改めて教えてくれる1曲に会場のボルテージはブースト
パンキッシュに疾走する「S.A.D」(この曲のミルキーは超絶セクシーだった!)に続くはこれまたキラーの「PYRO PYRO」
パイロなんて物騒な曲名を聞いたのはデフレパードとJ兄以来だが、ヘヴィな曲調に「燃やせ燃やせ」といキュートなアジテートを入れたり、ニューウェーヴ的なサビをぶち込んだりと、至る所にフックが仕込まれておりめちゃめちゃ耳に残る。サビではまさかのワイパーも登場、初めて彼らの曲を聞くならキャッチーなこの曲は第一候補かもしれない
曲がスタートしたと思ったら、いきなりストップ
「皆、サークルちっちゃいんじゃない?」と煽るミルキーにフロアも応え、巨大サークルが出現。どこまでこの盛り上がりは続くのか
「ラブソング2曲やるわ」とミルキーが話すと「Modern Love」「Sonic Dog Tag」と続けて披露。客席には次々にスマホライトが点灯する
兎角ラウドでいつも怒ってる印象の強いWARGASM、実際にその通りなんだけど、ニューアルバムはその一辺倒に終わらず、こういったニューウェーブ/ゴスな方向性も打ち出していて、それが非常に高い次元で結実しているのもポイントだ
事実このパートはただ会場をクールダウンさせただけでなく、デカダンな匂いに染め上げることに成功しており、良い意味のチェンジアップとなっていた
そんなしっとりした2曲の後は一転、アルバムの先行シングルにもなった激情の「Bang Ya Head」が放たれる
「頭を振れ 首の骨が折れるまで」
これ以上ない位のヘッドバンギング誘発チューンでとんでもない怒りと熱量に満ちたこの曲で(サムがまだ稼げずに絶対生活できなかったい時代の思いを載せているらしい。持たざる者のパワーを考えた時に、その質量の強大さには大いに納得できる)、なんとCrossfaithのkoieさん(その後Teruさんも)が飛び入り。元々はリンプピズキットのフレッドが歌っていたパートを激音で染め上げるる夢のコラボでこの夜のハイライトの1つとなった。
サムはこのコラボを「Crossgasm!」と名付けていた。元々Crossfaithのファンだった彼らからしても念願叶った瞬間だったのだろう、とてもエキサイトしていた。
その後、私の撮影した動画がオフィシャルでシェアされていた(ありがとう!)ので、本当に嬉しかったのだな、と微笑ましくなった→動画はコチラ。貴重でスペシャルなコラボなので良かったら拡散してください
「Feral」を挟んだ後、「日本の為に特別な曲をやるよ」とサムが告げると、日本盤のみのボーナストラック「Circle Pit」がまさかの披露
ミルキーのドライヴィンなベースに乗って、サムがアジりまくって、文字通りサークルも出現
サブスクにも無い超絶マニアックな選曲なのにこの上がり具合は凄い
ミルキーの日本語パートも「全てが難しい」とか「人生は暴力的です」とか絶対日本人なら歌詞に選択しなそうな、カタコト感溢れる言葉のチョイスとか含めて正に「kawaii」を地でいっており、世界中の野郎共が恋に落ちそうな破壊力
人を喰ったようなサウンドもカッコいいし、これどう考えても日本盤限定にしとくの勿体ないぞ
もっとやるべきや
そう言えば、Slipknotのショーンみたいにステージ脇で太鼓叩いてた小太りのおじさんがこの曲ではサムとマイク分け合って熱唱してたんだけど、後からこの人ツアマネだったと聞いて、その芸達者っぷりにびっくりした笑
いよいよライブは終盤戦
クソヘヴィで沈み込むようなリズムが跋扈する「Outrage」はタイトル通りの怒りに満ちた曲
「RAGE ALL OVER」といい「Outrage」といい、なぜに彼らはこんなに激怒しているのか
ここまで怒っているのは「Needled24/7」(一年中怒りっ放し)という曲を書き、「アリファッキンガトー」という名セリフを残した故アレキシ・ワイルドチャイルド・ライホ先輩以来であろう
最後はアルバムを代表するキャッチーなダンスナンバー「Do It So Good」を投下
サムとミルキーの掛け合いシャウトも最is高
クセになるどこまでもキャッチ-なシーケンスが会場を揺らし、本編は終了
程なくして登場したアンコールは「D.R.I.L.D.O」でスタート
「DRINK FXXK FIGHT LOVE」と人間の快楽欲求そのまんまなフレーズミルキーが全力アジテート
この曲ではミルキーがおもいっきり前面に出てくるのだが、彼女の生き様と言うか人生観が透けて見えて興味深い
肌を露出し、腋毛を剃らず、ガンベルトを腰に装着する彼女のファッション含め、宣言と言うか一種のステートメントなのだと思う
「私は私」「支配されない」という力強い意思表明
このあたりはステージでトップレスとなるマネスキンのビクトリアにも通じるステートメントで非常にカッコ良い
令和の世ではSNSでよく分からん女性たちがあたりかまわず難癖をつけるフェミニズムを展開してるが、元来フェミニズムとは「女性礼賛」であったはずで、その意味で令和の女性ロックスター達が「私たちは消費されない!」とばかりに強さを謳う事には惜しみなく拍手を送りたい
そして、ここで俺の大好きな「Salma Hayek」が投下!
アルバムに伴うツアーでは披露して無かったはずだったので、超嬉しい!
この曲もミルキーが主導権を握り、キレのあるラップを聞かせる
電気グルーヴにも似た捻じれたポップ感覚が気持良い
ブレイクダウンパート、彼女の狂気の「ハハハハハー」がロックスター然としててめちゃカッコいい
サイレンが鳴り響いて、いよいよラスト
曲は勿論「Spit.」
ビッグなベースリフ→キメ→ミルキーの歌うサビ
It’s so disgusting
Makes me wanna spit
It’s so disgusting
It makes me wanna spit it out
とても嫌だ
唾を吐きたくなる
とても嫌だ
吐き出したくなるよ
怒りを全力でぶちまける歌
とうとうサムはダイブし客席で歌いだす
「さぁラストチャンスだぞ!」と煽った後のラスサビで会場は最後の大爆裂
爽快にライブは幕を下ろしたのでありました
贔屓目無しに圧倒的なライブでした
見た目麗しいスター性十分な男女に拠るライオットアクト
私は、音楽って楽しむため、気晴らしにやってる、って人とどうしてもやらないと生きていけない人がいると思ってるのですが、彼らは完全に後者だと感じました
言い方を変えれば「音楽に選ばれた人達」、だと
前述しましたが、新作「VENOM」はインダストリアルラウドミュージックの枠だけに留まらず、ゴス/ニューウェーブ/ヒップホップ/アンビエント等より一層枝葉を伸ばしたサウンド
Spitで世界に唾吐いてからわずか数年でこの境地/このクオリティに達したことは驚異的ですらあると思います
そんな昇り龍状態の彼らをこんなに間近で観られたのは本当に貴重な体験で一生忘れられないと思います
すぐに皆に見つかると思うし、多分ここまでの至近距離で見られることはもうないはずなので、初単独来日は本当にいいよなー、と
単独で再来日してくれたら100%行きます
また、
Bring Me The Horizon
Babymetal
Architects
SpiritBox
花冷え。
あたりと共振しそうなバンドなので、次のNexFestでも見てみたいですね
いやー、想像しただけで楽しい
しかし絵になる2人だ。。。
なんせサムとミルキー、WARGASM、最高のライブをありがとう
そんなこんなで
長文お読みいただきありがとうございました<(_ _)>
tak