プーチンと三島由紀夫 | 私の好きなアートと建築

私の好きなアートと建築

50年に亘り、世界中の野外彫刻と建築を見てきています。その中から、わたくしの好きな「作品」を紹介していきたいと思っています

         貴族趣味と小柄。身体に対する劣等感から武道で鍛える。

プーチンは特に、ロシアの熊のような大男どものKGBの中で柔道などで強さをアピール。

そして鍛錬した筋力の裸体を見せるナルシストである。

樋口正一郎 「花盛りのプーチン」 紙 1090x790mm(B全判)、アクリル絵具、木炭 2022

 

          三島は「楯の会をつくり、「宇宙戦艦ヤマト」の制服のような、

あるいは近衛兵を思わす気取ったコスチュームの隊員の動きは

非日常の映画かパーフォーマンスに見えた。

 

          作家である三島は非日常イマジネーションの世界に遊ぶのは当然であり、

しかし、段々、非日常から日常に変っていったのだろう。

「ヤマト」を数名の隊員で運行し、敵をやっつける誇大妄想が、

三島の夢と自衛隊が重なり一体化したと考えられないか。

 

      プーチンは世界第二の軍事大国の軍隊が自分の手の中にあり、

自分が世界の中で忘れられ、無視されるのを我慢ができず、

堪忍袋の緒が切れた。ナルシストの本領が発揮されたというわけだ。

樋口正一郎 「プーチンのエルドラド」 紙 1090x790mm(B全判)、アクリル絵具、木炭 2022

 

      三島は市ヶ谷の自衛隊駐屯基地でクーデターの檄を飛ばしたが、

トップから末端の自衛官まで、映画か演劇などの撮影風景と思われ、

現実には全く意図は通じなかった。

切腹も介錯も1人芝居だった。

武士道も現実社会に対しても、間違った認識で突き進んだのである。

 

        プーチンはクレムリンの中で、

テレビゲームや戦争ゲームをするように、兵士や戦車を動かす。

しかし、モスクワにはウクライナ兵が攻め入ることのない

絶対的な安心感で楽しんでいるのだろう。

樋口正一郎 「プリズンの男」紙 1090x790mm(B全判)、アクリル絵具、木炭 2022

 

 

        プーチンは三島のような武士道の美学などとは

無縁であるばかりでなく、

大量殺人鬼を野放しにしているロシア国民も同様の人種という

レッテルが世界中で固定されることになる。