キース・ヘリングと子供の遊び | 私の好きなアートと建築

私の好きなアートと建築

50年に亘り、世界中の野外彫刻と建築を見てきています。その中から、わたくしの好きな「作品」を紹介していきたいと思っています

          アメリカと言えども、美術に対し偏見と差別があったのではないか。

高級芸術と下級芸術と言ったらよいのか。

          1970年代、建築家ジョン・アレンの

ウエストエンド89丁目のアパートに滞在するようになって、

そこから数分歩くと、ハドソン河畔のリバーサイド・パークに着く。

 

          そこでキース・ヘリングのパブリックアートに出合った。

男は寝転んで本を読む。子供は下で駆け回る。

スーラの「グランドジャッドの日曜日」を見るようにだった。

 

NYC リバーサイド・パーク   

 

   70年代ソーホーの画廊は世界美術の中心だった。

当然、世界中のアーティストも集まり、

キ-スやアンディ・ウォーホールなどとも時々すれ違ったりした。

NYCの街角で

       彼は当時はすでに有名だったが、

ストリート・アーティストの延長にいたキース・ヘリングは

ソーホーに、画廊然としたものではなく、雑貨屋風の店を持ち、

Tシャツなどを売っていた。

純粋アーティストというより、子供と遊ぶ生き方に比重を置いていたのだろう。

ニース/現代美術の彫刻庭園

       日本でも「マンガ」はサブカルチャーそのものだった時代から、

世界中からの注目による外圧で、主客転倒し、美術はサブカルチャーに落ちた。

 

        70年代から90年代にかけて、

アメリカのパブリックアートシーンも大きく変貌した。

イサム・ノグチやジョージ・シュガーマンなども彫刻遊具であったり、

ベンチなど使える、機能をもつ表現も増えた。

 

        キース・ヘリングの造形の人気の高まりは

多くの都市で設置されているのを見ても納得できる。

         都市は芸術のためだけでなく、キース・ヘリングは楽しい環境をつくる、

一緒になって遊べる環境づくりに突破口を開いた。