宇都宮美術館は、まもなく開館30周年を迎えます。
さらに、宇都宮市は今年2026年が市制130周年の節目の年。
そのW記念として、この春、宇都宮美術館では、
“ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち”が開催されています。
よく言えば、ホイップクリームのような。
悪く言えば、鳥のフンのような。
画面全体の中で雲だけが異質で、違和感を放っていました。
ゴッホ本人が描いたのか。あるいは、別の人が描き足したのでしょうか。
なお、本展には、ゴッホがアルルに移り住む前、
オランダ・ニューネン時代の作品《ニューネンの農家》も出展されています。
《ニューネンの農家》と《跳ね橋》。
制作年は3年しか変わらないものの、
見比べることで、劇的な作風の変化が実感できます。
さて、本展のタイトルに冠しているだけに、
《跳ね橋》に全振りした一点豪華主義的な展覧会なのかと思いきや。
モネは4点あるわ。
ルノワールも4点あるわ。
セザンヌもあるわ、ナビ派もあるわ。
ヴァルラフ=リヒャルツ美術館のコレクションから、
惜しげもなくフランス近代美術の名品の数々を大放出。
フランス近代絵画の巨匠を網羅したオールスター感謝祭的な豪華な展覧会でした。
素直に考えたら“ヴァルラフ=リヒャルツ美術館コレクション展”というタイトルでいいような?
でも、あえて、ゴッホの《跳ね橋》をフィーチャーしたことで、
展覧会としてのスペシャル感が増していたような気もします。
実際、自分はGWの真っ只中に訪れたのですが、
展覧会のチケットを求めて大行列が発生していました。
宇都宮駅からバスで約30分かかるという、アクセスにやや難のある美術館なのに!
結果的に、“ヴァルラフ=リヒャルツ美術館コレクション展”にしなくて大正解だったと思います。
ちなみに。
《跳ね橋》以外で絶対に見逃せないのが、
マネが晩年に描いたという《アスパラガス》です。
実はこの絵に関して、こんなエピソードが知られています。
マネはこの絵に対して、800フランの値を付けました。
しかし、この絵を気に入ったコレクターは、200フラン多い1000フランを送金したそうです。
すると、マネはお礼の気持ちを込めて、
1本だけのアスパラガスの絵を新たに描き、
「あのアスパラガスの束から1本抜けていました」と添えて送ったのでした。
なお、そちらのアスパラガスの絵は、オルセー美術館に所蔵されています。
他にも、そのマネと師弟関係にあったベルト・モリゾが愛娘を描いた作品や、
ヌード画を描いていた時代のミレーの作品、
構図が独特なゴーガンの作品など、
展覧会には注目したい作品が多々ありました。
写実主義から野獣派まで。
19~20世紀初頭のフランス美術を満遍なく揃えた本展ですが、
とりわけ充実していると感じたのが、新印象派の画家たちの作品です。
新印象派の創始者であるスーラや、
アンリ=エドモン・クロスやマクシミリアン・リュス、
テオ・ファン・レイセルベルヘといったマニアックな(?)、
新印象派の画家たちの作品も取り揃えられていました。
それらの中には、アルフレッド・ウィリアム・フィンチの《北海沿岸近くの村》という作品も。














