モーソウ04 アンリ・ルソー《夢》 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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《夢》 ニューヨーク近代美術館(MoMA)蔵。
素朴派を代表するアンリ・ルソー晩年の傑作。
ルソーは生涯でジャングルを訪れたことが一度もなく、

長年通い続けたパリ植物園で観た光景が元になっている。

 

 

もし、昭和の空気を感じる“ゆる~いCM”でおなじみの、

あの通販会社の社長と歌手が名画を紹介するとしたら、きっとこんな感じになるのでしょう。

 

「絵画を観るのって、難しい。

 と、お悩みのお客様に、私たちのグループと同じ名前のスっゴい名画のご紹介で~す」

「社長、頑張って~」
「フランスの画家アンリ・ルソーの《夢》

 画面全体が緑色に覆われたこの1枚の絵を観るだけで、

 緑色によって副交感神経が刺激され、しっかりとリラックスできるとともに、

 視力回復にも効果があるんで~す」
「スゴい。スゴ~い!」
「画面の中心に描かれているレデーは、

 若い頃にルソーが好きだったヤドヴィガという名の女性なんです」
「昔の女性を想って描いたなんて、エモい。エモ~い!

 でも、社長、よく見ると、この絵ってヘタクソじゃないですか?

 もうちょっと上手に描けないんですか?」
「これが、せいいっぱいで~す!

 ルソーの本業は税関吏で、絵画はすべて独学で学んだんです。

 ただ、プロには出せない味のある画風は、

 ゴーギャンやロートレックら前衛芸術家の心を掴んだんです。

 ルソーを称賛した画家の中には、あのピカソもいたんですよ。

 若き日のピカソはルソーのためにパーテーも開いているんです。スゴいでしょう?」
「社長この絵、欲し~い!」

「1点限りの絵画なので、買うことはできませ~ん!

 ただし、MoMAに行けばいつでも観ることができま~す」

「MoMAには他にもたくさんの名画がありますよね。

 それだと、入館料50ドルくらいするんですか?」

「いやー、そんなに高くはありませ~ん。30ドルで~す」

「安~い。でも社長、もうちょっと安くなりませんか?」

「美術館のHPで前売り券を買うと、28ドルになりま~す」

 

 

 

 

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