話は今から約8年前に遡ります。
あるwebメディアのために、1本の記事を寄稿しました。
それは、たまに報じられる“入館者○万人目達成”のニュースに関するもの。
入念な取材をし、完成させた記事は、
我ながら面白い内容になったと自負していたのですが。
公開して数時間も経たないうちに、とある関係者筋より、
「とに~さん、あの記事は下げてもらえないかな」と連絡が入り、
渋々ながら、記事を閲覧できない形にしたのでした。
もちろん、原稿料も入ってきませんでした(泣)。
つい先日、ひょんなことから、
その幻の記事のデータが見つかりました。
しかも、記事の取り下げを迫った人物は、
現在、もうその業界からはすっかり離れています。
ということは、記事を公開しちゃってもいいんじゃない?
内容としては、8年前のものとなりますが、
現状は、あの当時とそこまで変わっていない気もします。
そういうわけで、本日は、公開禁止となったあの記事を特別に公開しちゃいます!
↓ ↓ ↓
今月4日、国立新美術館で開催中の展覧会、
“オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展”の入場者が、
ついに50万人を超えたそうだ。
めでたく50万人目となったのは、来日して20年になるフランス人女性の方。
息子さんと来館し、見事50万人目の座をゲットしました。
さらには、国立新美術館の青木保館長から展覧会図録と記念品もゲット。
実に羨ましい!
「あぁ、僕も一度でいいから、○万人目の人になってみたい!」
そこで、○万人目の人になれる方法を探るべく、
去年一年間と今年に入ってからの“○万人目突破!”のニュースを徹底的にリサーチ。
すると、とんでもない事実が浮かび上がってきました。
もしかしたら、僕は業界の秘密を暴いてしまったのかもしれません。
○万人目の人になるために~その1~
誰かを誘って行くべし!
“○万人目突破!”のニュースに登場する人は、
家族連れだったり、母と娘であったり、友達同士であったり、
と、おしなべて幸せそうな感じを醸し出しています。
逆に、ヨボヨボのおじいさんや、見るからにオタクっぽい男性が、
ちょうど○万人目になった、というニュースを見た記憶がありません。
ということは、ひょっとすると、フォトジェニックな人が選ばれているのでは??
今回僕がチェックしたところ、
この1年で“○万人目突破!”のニュースは、全部で30件ありました。
そのうち、1人で来館していたというケースは、なんと0件!
予想通り、皆誰かと来館していました。
ちなみに、ランキングにしてみると、以下の通りとなります。
1位 親子 (12件)
2位 家族 (7件)
3位 友人 (5件)
4位 夫婦 (4件)
5位 兄弟・姉妹 (2件)
昨年開催された恐竜関連の展覧会にいたっては、
10万人目、20万人目、30万人目、40万人目、50万人目そのすべてが家族連れでした。
果たして、これは偶然なのでしょうか?
なお、4位の夫婦に関しては、
4件のケースすべてが50代以上の熟年夫婦でした。
若い夫婦に声をかけてしまった場合、実は夫婦ではなく、
今流行りのゲス不倫というパターンがあるかもしれないから?
何はともあれ、親子や家族で訪れた方が、
○万人目の人になれる確率はあがるようです。
○万人目の人になるために~その2~
チケットは美術館で購入すべし!
そもそも、○万人目の人はどこで選ばれているのでしょう?
展覧会の入場口?それとも、美術館の入り口?
こればかりは実際に問い合わせてみるしかありません。
匿名を条件に、とある媒体さんから以下の回答を頂きました。
「チケット売り場です。」
なんと!
展覧会の入り口でカチカチやって、
○万人目を決めているわけではないのですね。
チケット売り場で決めているということは、
前売り券をあらかじめ用意してきた人は、○万人目にはなり得ないということ。
チケットは美術館で購入しましょう。
○万人目の人になるために~その3~
平日に行くべし!
今回、リサーチを進めていく中で判明したのが、
○万人目を突破する日は、ほぼ平日であるという衝撃の事実でした。
30件のうち、日曜に○万人目突破したのは、たった2件だけ。
土曜日は、0件。
あとの28件は、すべて平日だったのです!
ランキングにすると、こうなります。
1位 火曜日 (7件)
1位 金曜日 (7件)
3位 月曜日 (6件)
4位 木曜日 (5件)
5位 水曜日 (3件)
土日に美術館に行くという普通の仕事勤めの方は、
○万人目の人になる可能性が限りなく低いようです。
○万人目の人になりたい社会人の方は、
平日に有休を取って美術館へ行きましょう。
ちなみに、なぜ平日が多くなるのか。
その理由も、ついでに聞いたところ、教えてくれました。
「私たちが平日出勤のことが多いので。
あと、新聞の記事にしてもらうので、記者も土日は休みのことが多くて」
・・・・・なるほど(笑)。
さぁ、これで○万人目になれる可能性は、グッと高くなりましたね。
次に、○万人目になるのは貴方かもしれません!