モーソウ02 柳宗悦「民藝」 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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「民藝」
日本を代表する思想家・柳宗悦を中心に、

陶芸家の濱田庄司、河井寬次郎らによって提唱された新しい美の概念。
美術工芸品ではなく、無名の職人が作る民衆の日常品の中に美を見出したもの。

「民衆的工藝」の略。

 

 

今でこそ世の中に浸透した「民藝」という概念も、

提唱された当初はまだ一般的には理解しづらいものだったと思う。

でも、何かカッコよそさうと感化された人もいて、

ときどき、柳宗悦らのもとに押し掛けていたと思う。

 

「柳先生!僕の自慢の民藝コレクションを観てもらえないですか!」

「君ねぇ、アポを取ってから来ないと」

「そうだそうだ!柳さんがお前なんかを相手にするわけないだろ!」

「まぁまぁ、濱田君河井君。せっかくだから観てあげようじゃないか」

「ありがとうございます!まずはこの古伊万里なんですけど。

我が家の家宝でして。もともとは大名家に伝わったとか!」

「う~ん、それは民藝じゃないねぇ」

「民藝っていうのは民衆的工藝ですからね」

「お前もその古伊万里と一緒に窯で焼くぞ、コラ!」

「すいませんすいません!

じゃあ、この絹織物なんてどうでしょう?刺繍も豪華絢爛で!」

「民藝じゃないなぁ」

「民藝っていうのは民衆的工藝ですからね」

「その絹織物でお前を包んで東京湾に沈めるぞ、コラ!」

「あわわ、ごめんなさい!あの、よく民藝ってのをわかってなくて。

日常的なものがいいんですよね。こ、これなんかどうですか?

母ちゃんの使い古しの歯ブラシなんですけど」

「ノー民藝」

「民藝っていうのは民衆的工藝ですからね」

「お前の顔面をズタズタにして、スリップウェアみたいな紋様にしたろか、コラ!」

「ひー、それだけはお許しください!

別に皆さまを怒らせたかったわけじゃないんです。

僕は、ただ、その皆様のお仲間になりたかっただけで(泣)。グシュン!」

「おや?君、その手ぬぐいは?」

「箪笥の奥にあった普通の手ぬぐいですけど」

「それ、超民藝じゃん!」

「・・・・・民藝、ムズっ!」

 

 

 

 

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