ヴェロニカを掘り下げることにした | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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キリストが、処刑場であるゴルゴダの丘を登っていたときのこと。
十字架の重みに耐えかねて倒れたキリストに手を差し伸べ、
額の汗を拭くようにと、自身が身につけていたヴェールを差し出した女性がいました。
その名は、ヴェロニカ。




キリストは、そのヴェールで汗を拭き、彼女へ返します。
すると、次の瞬間、とんでもないことが起こりました。




なんと、そのヴェールにキリストの顔が写し取られたのです!

顔の皮脂汚れ、スゴっ!!

・・・・・・・・・というわけではなく。
これは、キリストが起こした数ある奇跡のうちの1つ。
その奇跡をアシストしたことで、ヴェロニカは聖人として認定されています。



さてさて、奇跡としては、イマイチしっくりこない聖ヴェロニカの奇跡。
名だたる芸術家たちも、この妙なお題には、かなり苦戦したのでしょう。
美術界には、なんとも変な聖ヴェロニカの絵画がいっぱい存在しています。
本日は、それらをまとめてご紹介してみることにしました。


●シモン・ブーエによる聖ヴェロニカ




キリストの顔が、くっきりとヴェールに転写されています。
プリントゴッコの比ではありません。
あまりの異常事態に、聖ヴェロニカはあえて目を背けているようです。
「えっ?ちょっ・・・今の何?見間違いよね (汗)」



●マッティア・プレティによる聖ヴェロニカ




聖ヴェロニカ、大困惑。
天に向かって、何かを訴えかけているようです。
「あのー。すいません。ヴェールを元に戻して欲しいんですけど。
 え~~っ?無理なんですか?!いや、でも、これ、明日も使うんですよ」
困惑する聖ヴェロニカに、ヴェールのキリストも困惑顔です。



●とあるフィレンツェの画家による聖ヴェロニカ




「ちょ、マジでキモいんですけど!
 ヴェールに顔が映るとか、意味わかんないし。
 つーか、持ってるのも無理無理無理・・・」
ヴェールの持ち方が、完全に汚いモノを持つそれです。
エンガチョ感がハンパありません。



●ポール・ドラローシュによる聖ヴェロニカ




あぁ、もう本当に最悪・・・。
お気に入りのヴェールだったのに・・・。
どうして、あの時、ヴェール差し出しちゃったんだろう?
私のバカバカバカ!
とりあえず、寝よ。



●エル・グレコによる聖ヴェロニカ




店員 「あの良かったら、広げてみてくださいねー」
聖ヴェロニカ 「・・・・・あ、はぁ」
店員 「いい生地使ってますし。何より、中央のオジサンの柄が、イイ感じですよねー」
聖ヴェロニカ 「・・・・・そ、そうですか?」
店員 「マジ神ですよ!良かったら、ご試着されてみます?」
聖ヴェロニカ 「・・・・・・。(無いわぁ)」



●フランチェスコ・ダ・コティニョーラによる聖ヴェロニカ




聖ヴェロニカ 「ちょっと、何なのよアンタ!」
キリスト 「お前こそ何なんだよ!」
聖ヴェロニカ 「私のヴェールに顔を現わさないでくれる?」
キリスト 「俺だって好き好んで、こんなショボいヴェールに現れてるわけじゃねーし!」
聖ヴェロニカ 「ショボい?!何よその言い草!
       変なヘアバンドしている人に言われたくないです。ふん!」
最悪な出逢いから始まった2人のラブストーリー。乞うご期待。



●ロベルト・カンピンによる聖ヴェロニカ




ヴェールがスケスケという斬新なパターン。
きっと聖ヴェロニカからは、後頭部側が見えていることでしょう。
というか、汗を拭くのに、こんなスケスケのヴェールを手渡すってどうなのよ。



●デリック・ベイガートによる聖ヴェロニカ




ねぇねぇ、ちょっと見て見て!
この前、ゴルゴダの丘んところで、
キリストさんにヴェールを貸したら、こんなんなっちゃったのよ。
もう、ビックリしちゃうわよね~。
はいはい。そこのアナタ、1拝み500円ね。



●ロレンツォ・コスタによる聖ヴェロニカ




キリスト、薄っ!!

出現の仕方がビミョーすぎて、聖ヴェロニカも微妙な表情を浮かべています。
リアクション取りづらいですよね。うん。



●とある中世の装飾写本に描かれた聖ヴェロニカ




キリストの顔デカすぎるだろ!!

完全なる巨人!
奇行種でないことを祈るのみです。
というか、そもそもヴェールがデカすぎます。タオルケットか!



●ジェームズ・ティソによる聖ヴェロニカ




おいおいっ、それで遊ぶなよ!!

「体モノマネしまーす♪」 じゃねーよ!



さてさて、お気に入りの一枚はありましたか?
次にキリストの顔が現れるのは、貴方のヴェールかもしれません。




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