中村彝 生誕130年記念~芸術家たちの絆展~ | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

今年2017年は、中村屋サロンの中心メンバーであった中村彝 (なかむらつね) の生誕130年の節目の年。
それを記念して、現在、中村屋サロンでは、
“中村彝 生誕130年記念~芸術家たちの絆展~” が開催されています。

パトロンである新宿中村屋の創業者夫妻の長女・俊子を描いた 《小女》 や、

女
中村彝 《小女》 1914年 株式会社中村屋蔵


どことなく野間口徹 (もしくは鶴見慎吾) に似ている気がする 《麦藁帽子の自画像》 など、

自画像
中村彝 《麦藁帽子の自画像》 1911年 株式会社中村屋蔵


中村彝の作品ももちろん紹介されていましたが。
中村彝をモデルにした堀進二の彫刻作品や、

堀
堀進二 《中村彝氏像》 制作年不詳 株式会社中村屋蔵


中村彝の生涯の友であった中原悌二郎の彫刻作品、

カフカス
中原悌二郎 《若きカフカス人》 1919年 公益財団法人 碌山美術館蔵


中村彝に師事した宮芳平の作品など、

中村彝
宮芳平 《ガウンをまとった女》 1915年 安曇野市豊科近代美術館蔵


むしろ中村彝と親交が深かった、
絆が強かったメンバーの作品のほうが多く紹介されていました。
『アメトーーク』 で言えば (←?)、「中村彝大好き芸人」 の回みたいな感じの展覧会です。


個人的に気になった作品は、
叔父の幼馴染である中村彝を尊敬し、生涯師事した鈴木良三の 《荒海》 という作品。

荒海
鈴木良三 《荒海》 制作年不詳 株式会社中村屋蔵


荒れてる海以上に、タッチが荒々しく。
一見すると、海景というよりも、抽象画のような印象です。
でも、しばらく眺めていると、ちゃんと波の音が聞こえてきました (←もちろん脳内で)。
あと、「東映」 の文字が浮かんできました (←もちろん脳内で)。


それから、曽宮一念の 《妹の像》 という作品もある意味で印象的な一枚。

曽宮一念 妹の像
曽宮一念 《妹の像》 1924年 常葉美術館蔵


「テンション、低っ!!」

完全に心ここにあらず、です。
何か嫌なことでもあったのでしょうか?
「ちょっと今田耕司に似てるね」 と、言われたとか。


ちなみに、中村彝の作品で一番印象に残っているのが、こちらの 《友の像》 です。

友の像
中村彝 《友の像》 1912年頃 個人蔵


全体的には、ロートレックのようなタッチで、シャシャシャッと描かれているのですが。
顔の部分だけは、丁寧に描かれています。
そのせいで、どうも顔だけが画面の中から飛び出している印象。
画面の向こうから、こっちにヌッと飛び出てきたような印象。
今夜、コイツが夢に出てきそう。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在8位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ