第八十六話 国宝ハンター、泣けてくる! | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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前回までのあらすじ~
 秋深き隣は何をする人ぞ。
 私は、日本全国の国宝すべてを観て回る人ぞ。
 現時点で612件の国宝を目にしたぞ。
 今年中に、700件をハンティングしてみせるぞ。



今年の秋は、国宝の当たり年と言っても過言ではありません。
こんなにも東京で国宝が観られるとは。
都内を巡るだけで、国宝がわんさかハンティング出来てしまいました。

まずは、根津美術館で開催中の・・・

名画を切り、名器を継ぐ


“名画を切り、名器を継ぐ 美術にみる愛蔵のかたち” へ。
こちらでは、 《紙本墨画漁村夕照図〈伝牧谿筆/〉》(ジャンル:絵画) と、
《小野道風筆三体白氏詩巻》(ジャンル:書跡・典籍) をゲット。


続いて、渋谷区立松濤美術館の “御法(みのり)に守られし、醍醐寺” では・・・

醍醐寺


《紙本著色絵因果経》(ジャンル:絵画) をゲットしました。

過去現在絵因果経


さらに、永青文庫で開催中の “国宝の刀 ―伝えられた武士(もののふ)の心” は、

国宝の刀


永青文庫が所蔵する4口の国宝刀すべてが、まとめて展示されているまたとないチャンス!
《刀〈金象嵌銘光忠 光徳花押/生駒讃岐守所持〉(生駒光忠)》(ジャンル:工芸品) も、
《太刀〈銘豊後国行平作/〉》(ジャンル:工芸品) も、
《短刀〈無銘正宗(名物庖丁正宗)/〉》(ジャンル:工芸品) も、
《短刀〈銘則重/〉》(ジャンル:工芸品) も、一挙にゲットいたしました。


さらにさらに、三井記念美術館の “特別展 東山御物の美” では・・・

特別展 東山御物の美


《絹本著色帰牧図〈李迪筆/(騎牛)〉》(ジャンル:絵画) をはじめ、
《絹本著色宮女図〈/伝桓野王図〉》(ジャンル:絵画) をゲットしています。


そろそろ読者の皆様も読み疲れてきたことでしょう。
自分も、まとめ疲れ始めています (笑)
が、残念ながら (?) 、まだ終わりません。
サントリー美術館で開催中の “高野山の名宝” では・・・

高野山の名宝


《澤千鳥螺鈿蒔絵小唐櫃》(ジャンル:工芸品) と、
《木造八大童子立像〈(恵光、恵喜、烏倶婆〓、清浄比丘、矜羯羅、制多伽)/(所在不動堂)〉》(ジャンル:彫刻) をゲット。


そして、ようやく、今年の国宝の秋の真打が登場。

日本国宝展


展示作品のすべてが国宝という、国宝ハンター的にはボーナスステージのような展覧会。
それが、 “日本国宝展” です。

「なんて夢のようなシチュエーションなんだろう?!」

と、テンションMAXで会場に入ったのですが。
次第に、なんとも複雑な心境に。。。

というのも。
わざわざ福井まで会いに行った国宝の土偶たちや (参照:第四十七話) 、
今年1月に奈良まで足を運んで出合った 《奈良県藤ノ木古墳出土品》 に (参照:第七十七話) 、
先月、京都の大原でお会いしたばかりの 《木造阿弥陀如来及両脇侍坐像》 (参照:第八十四話) など、
苦労してハンティングした歴代の国宝たちが、目の前にあるのです。
1600円の入館料を払うだけで観れてしまうのです。
トーハクに来るなら、来るって言ってほしかったです!
泣けてきます。


とは言え、 “日本国宝展” の第1週目だけで、以下の26件の国宝を新規でゲット出来てしまいました。
恐るべし、日本国宝展。

《蓮唐草蒔絵経箱》(ジャンル:工芸品)
《紙本著色地獄草紙》(ジャンル:絵画)
《紙本著色餓鬼草紙〈/(絵十図)〉》(ジャンル:絵画)
《絹本著色仏涅槃図》(ジャンル:絵画)
《絹本著色孔雀明王像》(ジャンル:絵画)
《絹本著色普賢菩薩像》(ジャンル:絵画)
《紺紙著色金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図》(ジャンル:絵画)
《銅鐸》(ジャンル:考古資料)
《福岡県平原方形周溝墓出土品》(ジャンル:考古資料)
《山科西野山古墳出土品》(ジャンル:考古資料)
《牡丹唐草文兵庫鎖太刀拵》(ジャンル:工芸品)
《日本書紀〈巻第二十二、第二十四/〉》(ジャンル:書跡・典籍)
《類聚国史巻第廿五》(ジャンル:書跡・典籍)
《紙本著色信貴山縁起》(ジャンル:絵画)
《後撰和歌集〈藤原定家筆/〉》(ジャンル:書跡・典籍)
《紙本著色後鳥羽天皇像〈伝藤原信実筆/〉》(ジャンル:絵画)
《紙本墨画淡彩周茂叔愛蓮図〈狩野正信筆/〉》(ジャンル:絵画)
《金銅密教法具》(ジャンル:工芸品)
《金銅透彫舎利塔》(ジャンル:工芸品)
《金銅能作生塔》(ジャンル:工芸品)
《方丈障壁画》(ジャンル:絵画)
《慶長遣欧使節関係資料》(ジャンル:歴史資料)
《琉球国王尚家関係資料》(ジャンル:歴史資料)
《無準師範墨蹟〈尺牘/〉》(ジャンル:書跡・典籍)
《虚堂智愚墨蹟〈法語/〉》(ジャンル:書跡・典籍)
《玳玻天目茶碗》(ジャンル:工芸品)


《慶長遣欧使節関係資料》《琉球国王尚家関係資料》 の両方を観れたことで、
歴史資料のジャンル3件をすべて制覇することが出来ました。
とってもうっすらとですが、ゴールが見えてきた気がします。


今現在の国宝ハンティング数 649/1092




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