ピンクの髪をした酔っ払いが、ある夜にバーで思ったこと | 雷人の部屋

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催眠・潜在意識から見たココロとカラダ、ときどきタマシイの話。

「まあいろいろ言うてきましたけどね、ここまでは正論(タテマエ)。本気で言わしてもらうと、愛が足りないだけちゃいますの?」

とその人が言った。

愛なき時代。というか見つかりにくい時代といった方がいいか。
情報が氾濫している時代。
手元の携帯で調べれば、正解はすぐに見つかる。
でも自分が本当に欲しい「応(こた)え」は見つからない。

自分が熱くなれる何かは、Google先生は教えてくれない。

「例えばね、ギターめっちゃ上手くなりたかったら、シャブ打って誰よりも練習すればいいだけと違うんですか? 人間としては正しくないけどね」

何かを手に入れようと傷つくとき、それでもそれを渇望するとき。
手に入らないとわかっているのに、それでもどうしても諦めきれないとき。
取り返しのつかない犠牲をはらってもいいと思えるとき。
まったく皆目検討もつかないのに、それを知りたいと思うとき。
そのときに初めて心の底から好きだということに気づけるのかもしれない。

今はなんでも簡単に手に入る。
かっこ悪いことしたり、傷ついたりしなくてもだ。
インスタントに手に入れたものは、インスタント食品のようにどこか味気ない。

正解があまりにも簡単にわかるから、正しいとか正しくないとかそういうことがどうでもいい、その先にあるもの、そういうものが存在するということすら気づけない。

聞き分けのいいところに、愛は生まれない。魂を感じることは出来ない。

買ってもらえないおもちゃを欲しがって駄々をこねる子供。
あの姿が今僕たちに一番欠けているものではないのか?