・六月灯の頃・・・ | 日本哭檄節

日本哭檄節

還暦を過ぎた人生の落ち零れ爺々の孤独の逃げ場所は、唯一冊の本の中だけ・・・。
そんな読書遍歴の中での感懐を呟く場所にさせて貰って、此処を心友に今日を生きるか・・・⁈

 もう相当前にも、一度ネタにさせて貰ったことが有るが、この南九州の薩摩と旧・都城藩地域には、昔からの風習として、

『六月灯(ろくがつどう)・・・』

と云う催しが、各地で開かれる・・・!

 

 ジジイが小学校の頃までは、産まれ在所の小学校区でも、学校近くの氏神神社に、夜、子供等が造った小ぶりに『灯ろう』が吊るされ、それに蠟燭の灯が点されて境内をほんのりと明るく浮かび上がらせると、近郷から散々後々と連れ立って集まって来る大人たちや、灯ろうを拵えた子供たちも集って、お祭りとは違う佇まいが醸される中、境内横の小川には、時季を違えて遅れて飛ぶホタルの灯も幾つが浮かんで、悪ガキ連は、そのホタルを捕まえて自慢しようと張り切って、暗い足元を違えて、小川に落ちて、集まった女子連中に笑われるのも、また微笑ましい光景だったわな・・・(笑)

 

六月灯 に対する画像結果

(画像は、tenandouproject.comさんより拝借)

 

 無論、小賢しいジジイなどは、そんなバカはしなかった方だったが・・・(汗)

 

 この小ぶりの立方体の灯ろうは、勿論、子供たちが自分たちで拵え、それに、障子紙や習字紙を張って、中の蝋燭の灯を風から守って柔らかく点すのだが、この貼る紙に、画や字を添え描かなければならないのが一苦労で、画ごころも字ごころも無いジジイなどは、当時、専ら流行初めて居た少年雑誌の表紙画などの上に習字紙を載せて、しっかりなぞり真似て、色まで真似て

『上手く見せる・・・!』

と云う邪道テクニックで誤魔化すのだが、中には、こんな時こそ、得意の手先の器用さを発揮して、

『走馬灯・・・』

なんぞと云う高等技術を見せひけらかす隠れ猛者が居て、一気に人気を横取りされたから、ジジイも、そのモテぶりに遅れを取らじと、こっそり造り方を盗み視て、翌年、それに挑戦してみたが、残念ながら、回転羽に吊るした切り絵は、蝋燭の熱だけでは上手くは廻ってくれなくて、単なる影絵に終わった苦い想い出が、蘇って来たりして・・・(笑)

 

 そんなジジイが驚いたのは、薩摩からこの

『島津の御本家(=発祥の地)、都城盆地・・・』

に引っ越して来たら、最早、薩摩では、段々消え去りつつ有ったこの風習が、此処では、未だ、盛大に受け継がれ、梅雨の合間を縫って、この広い盆地の彼方此方の神社や地域自治会辺りで、屋台が居並ぶほどの活況を呈し、最後には、何処でも花火まで打ち揚がる盛り上がりの様子が、近くから遠くから聴こえ始めることだった・・・(笑)

 

 それまで、

『六月灯と云えば、薩摩だ・・・!』

と信じて疑って居なかったジジイに、

『やはり・・・、御本家筋は、此方(=都城)かあ・・・?!』

と想わせられたのを、今も忘れないわな・・・(笑)

 

 おそらく、今夕(=土曜日)くらいから7月下旬辺りまでは、毎週、そんな様子が、聴こえ続けるのでは・・・?

 

 

 此処まで綴って、果て然て・・・、

『前に、このネタを載せたのは、いつだったのかいなあ・・・?』

と想って、過去記事を繰ってみれば、何と、2018年の7月16日(=六月灯の頃・・・)となって居るから、今回は、チョッとフライイング気味か・・・(笑)

 

 しかし、ネタのタイトルまで一緒とは、芸が無いなあ・・・(汗)

 

 ただ、その時にも載せて居るが、ジジイは、この時季が来ると、忘れられない一曲が有って、その時もだったが、YouTube を繰って一生懸命探したが、また今回も、発見できず・・・(汗)

 

 って訳で・・・、今回も、やっと探し当てた歌詞だけを貼り付けて、おそらく、今夜辺りから響き始めるであろう

『遠花火・・・』

の音にでも浸ろうかな・・・(汗)

 

『六月灯の頃』
    
作詞・作曲  はた まさひで
       歌    まつもと ようすけ


 (1) もう半年が 過ぎました あなたのことを忘れようと
        人込みの中に 紛れてる この頃です

        今年も二人行くはずでした 藍染め浴衣で夏祭り
        さみしい涙は 笑い顔を つたって 今日も 流れます
        六月灯の頃 一人帰ります 涙かくして鹿児島へ

 

   (2) もう半年が過ぎました 涙でさえ流せなかった

       あなたの事は 時がいつか消してくれるでしょう

       二人の物は写真一枚 残らず燃やしたはずなのに

       六月灯の頃 買った風鈴が風に鳴るだひ切なくて

       六月灯の頃 ひとり帰ります 涙隠して鹿児島へ

 

         六月灯の頃 揺れる灯篭に そっと悲しみ灯す為

         六月灯の頃 ひとり帰ります 涙隠して鹿児島へ

 

 そんな色気の有る恋縁などには皆無だった故か、何故か哀調を帯びたメロディーと歌詞が心に引っ掛かったままの曲で、もう一度、是非聴きたいと願って居るのだが、巡り会えないのだよなあ・・・!

 

 などと・・・、還暦半ばのジジイが、何を感傷に浸って遊んで居るのか・・・(笑)

 

 最後まで読んで頂いて居りましたら、感謝申し上げます・・・(謝&拝)