酒に滅法弱い婿殿としては、アルコール度数・50度を超える『白酒』のお陰だったか、ぐっすり眠って目覚めた、北京観光最後の日となる、『6日目の朝・・・』も、外は、きれいな蒼空だったのを、妙にくっきり憶えて居るのが不思議だが、そそくさと、身形を調えた御義父上様とぶりっ子婿殿は、早々、
『北京飯店のレストラン・・・』
で、毎朝恒例のなった
『中華のバイキング・・・』
を認めたのだが、殊の他、
『お粥メインの朝食・・・』
を好まれる御義父上様に、昨日の朝から、密かに、薩摩の大先輩から教えて貰っていた、
『梅干し・・・』
などを、お勧めして、殊の他喜ばれて居た・・・(笑)
これは、ジジイの大先輩(=建設会社の社長殿・・・)が、仕事の間を空ける挨拶に伺った時、
『中国に渡って来る・・・!』
と語ったると、如何にも経験者の口調で、
『オウ、哭檄・・・、中国に往くなら、梅干しを持って行け・・・!』
と自慢気に仰ったのだ・・・。
その然も自信有り気な云い方では、
『毎日、あの脂っこい料理ばかり食べて居ると・・・、梅干しが食べたくなって仕方が無くなるぞ・・・!』
と云われ、
『中国の朝食は、お粥が主食だから・・・、梅干しで食べれば、美味しいから、役に立つぞー・・・!』
と教えられたジジイは、
『然も有りなん・・・!』
と考え、前夜、女房殿に云って、御義母上様手漬けの一袋を、そっと忍ばせて携えて来て居たのだが、それを、4日目の西安の朝、
『些か、胃がお疲れ気味か・・・?』
と想ったジジイが、
『こんなのを持って来てますが・・・⁈』
と云って差し出すと、眼を輝かせて喜ばれた・・・(笑)
この想わぬ添え物で、お粥を2杯もお代わりして食べられた御義父上様は、元気を取り戻し、到って機嫌快く旅を続けて来られたのだが、今朝も、この方法でお粥をしっかり食べ、待ち受けて居たバスに、元気快く乗り込まれてのだったが、その朝、ジジイ等ご一行様が、一番に連れて行かれたのは、北京飯店からも然程離れて居ない、
『北京動物園・・・』
と云う、幼稚園か小学校に遠足で行くような処・・・(笑)
『何だよ・・・、北京まで来て、いきなり動物園かよ・・・!』
と云いたくなるシチュエーションだが、此処で、ジジイ等は、全員、眼を丸くして、まだ、Nippon でも限られた人しか見たことの無いだろう、
『無い珍獣・・・』
に会わせて貰うことになる・・・!
それは、一時、Nippon 中を熱狂させた、斯様な
『世界の人気者・・・』
だった・・・。
(画像は、torippo.net より拝借)
何も、1972[昭和57]年に、
『日中国交回復の使節・・・』
と云う大役を仰せつかって遣って来た、東京・上野動物園の、
『カンカン・ランラン・・・!』
の画像では無い・・・(笑)
尤も、その頃は、既に、初代のパンダは、相次いで死亡して、上野のパンダ舎では、夫婦姿は視れない頃だったかも識れないが、此処では、当に、
『数え切れないほど(=20頭ほど)の熊猫(ションマオ=ジャイアントパンダ)・・・』
が、まるで、其処らの猿山で遊んで居るようにうろついて居たのには、唖然とすると云うか、度肝を抜かれると云うか・・・(笑)
何せ、上野の、あの
『パンダ騒ぎ・・・』
でしかイメージを養って居ないから、
『パンダは、ガラス張りのパンダ舎の中に居るモノ・・・』
と想って居たし、希少動物の最たるモノだから、そんなにたくさん居るとも想って居なかったし・・・(笑)
然(しか)も、我々が識るパンダは、あの不思議な黒白の身体が、きれいに手入れされて視えるモノだと想い込んで居たが、此処のパンダは、土の小山を転げ回って遊んで居るから、黒色は兎も角として、白毛の部分は、
『薄茶色に汚れて居る・・・』
のだから、そのイメージギャップは、かなり大きい・・・(笑)
(画像は、AFPBB.News より拝借)
それでも、薩摩のオバサマたちは、大はしゃぎで、
『ワアァ・・・・パンダだあ・・・!』
と大声で燥がれ、早速、外柵ギリギリまで近寄って、写真に収めたり、そんな当方の事情など一向構わず、素知らぬ素振りの熊猫くんをバックに、写真に納まったり・・・(笑)
まあ、確かに愛嬌の有る表情の珍獣では有られるが、これだけ何頭も一緒に眺めると、あのNippon でのバカ騒ぎが、
『何だったのだろう・・・⁈』
と毒吐きたくなるほどだが、これが、後に云われるようになる、この国の
『パンダ外交・・・』
の片棒を担ぐ、重要な
『外貨獲得の資源・・・』
だとは、あの頃のジジイの頭には、まだ浮かんでは居なかった・・・(汗)
そして、此処での
『一燥ぎ・・・』
を終えたご一行様は、そこから、北京の街を、どの方向かは判らないが、郊外へ離れる方向へと進路を採り、段々、周囲が低い丘のような山のような光景の処へと連れて行かれたが、向かうバスの中で、袁さんが、
『これから向かう処は・・・、明代から清朝までの皇帝たちが祀られた陵墓群でーす・・・!』
と云われたが、根が不徳なジジイは、
『エエ‥・、また墓かよー・・・⁈』
などと想ってしまい、
『中国人って・・・、本当に墓好きだなあ・・・!』
と、胸の内で、毒吐いて居た・・・(汗)
(つづく・・・)