山ノ上ギャラリー「山ノ上ト下~美大生8人展~」
「山ノ上と下~美大生8人展~」に行ってきました。
山ノ上ギャラリーは新しくできたギャラリーで、鳴和側から
卯辰山に上る坂の中腹の右手にあります。外観はコロンとしてかわいらしく、
中は坂の立地を活かし空間が上と下、2つに分かれています。
開放感のある暖かな上の空間、天井が低くモダンな雰囲気の下の空間。
山ノ上ギャラリーを形作る”上と下”。絵画・彫刻・金工・映像・インスタレーション、
この二つの異質な空間に8人の作家が展示します。上で行う8人の展示、
下で行う8人の展示。本展はこの2つが絡み合う1つの展覧会です。(DMより抜粋)
確かに、まず空間そのもののコントラストや
ユニークさがまず目に留まりました。
山の谷側全てに広がる窓、丁度いいサイズ感のテラス、
秘密基地につながるような急勾配の階段。
それに呼応するように作家さんの作品の感触も違います。
例えば作品コンセプト・イメージを「下」で、実際の作品を「上」でみせた伊藤さんや
太陽光を吸収しているような「上」と地下世界を柔らかに照らす「下」の作品の
加茂さん、山の頂きまでを「上」「下」でみせた柄澤さん、そして
上と下をつなぐ役割となっていた出村さんの作品。
今回の企画は出品作家の出村美奈さんが
オーナーの東田さんと交流があったことから
本企画「山ノ上と下」が生まれたそうです。
東田さん曰く、
「パッと見て一般民家のような空間で壁面も多いわけではない
上下対比のあるこのギャラリーを活かして
思ってもみなかったような使い方・感じ方のできる
作家にぜひ展覧会をしてほしい。」
企画・貸し、織り交ぜながらこの空間でしか
できないアートを追及していく新しいギャラリーです。
これからも、はっとする展示を楽しみにしています。
~~~~~~~~~~~~
山ノ上ト下~美大生8人展~
4月28日(木)~5月9日(月)
山ノ上ギャラリー
伊藤幸久/加茂那奈枝/柄澤健介/久恵真由美
高橋克典/谷村祐美/出村美奈/藤田有紀
http://www4.plala.or.jp/yamanouegallery/
山ノ上ギャラリーは新しくできたギャラリーで、鳴和側から
卯辰山に上る坂の中腹の右手にあります。外観はコロンとしてかわいらしく、
中は坂の立地を活かし空間が上と下、2つに分かれています。
開放感のある暖かな上の空間、天井が低くモダンな雰囲気の下の空間。
山ノ上ギャラリーを形作る”上と下”。絵画・彫刻・金工・映像・インスタレーション、
この二つの異質な空間に8人の作家が展示します。上で行う8人の展示、
下で行う8人の展示。本展はこの2つが絡み合う1つの展覧会です。(DMより抜粋)
確かに、まず空間そのもののコントラストや
ユニークさがまず目に留まりました。
山の谷側全てに広がる窓、丁度いいサイズ感のテラス、
秘密基地につながるような急勾配の階段。
それに呼応するように作家さんの作品の感触も違います。
例えば作品コンセプト・イメージを「下」で、実際の作品を「上」でみせた伊藤さんや
太陽光を吸収しているような「上」と地下世界を柔らかに照らす「下」の作品の
加茂さん、山の頂きまでを「上」「下」でみせた柄澤さん、そして
上と下をつなぐ役割となっていた出村さんの作品。
今回の企画は出品作家の出村美奈さんが
オーナーの東田さんと交流があったことから
本企画「山ノ上と下」が生まれたそうです。
東田さん曰く、
「パッと見て一般民家のような空間で壁面も多いわけではない
上下対比のあるこのギャラリーを活かして
思ってもみなかったような使い方・感じ方のできる
作家にぜひ展覧会をしてほしい。」
企画・貸し、織り交ぜながらこの空間でしか
できないアートを追及していく新しいギャラリーです。
これからも、はっとする展示を楽しみにしています。
~~~~~~~~~~~~
山ノ上ト下~美大生8人展~
4月28日(木)~5月9日(月)
山ノ上ギャラリー
伊藤幸久/加茂那奈枝/柄澤健介/久恵真由美
高橋克典/谷村祐美/出村美奈/藤田有紀
http://www4.plala.or.jp/yamanouegallery/
問屋町プロジェクト第1弾 TRAILER CAMP レポート
金沢市問屋町で始まった
『問屋町プロジェクト第1弾「TRAILER CAMP」第1部:公開制作』へ行ってきました。
--- 問屋まちプロジェクトとは ---
金沢美術工芸大学は、平成22年5月に協同組合金沢問屋町センターと「問屋町の街づくりに関する協定」を締結し、アートを活用した新しい街づくりに取り組んでいます。その一環として今回私たちは、問屋センターから提供いただいた空き店舗を活用し、展示や滞在制作が可能な「問屋町スタジオ」を開設しました。ギャラリーや美術館といった「作品鑑賞の場」としての機能だけではなく、さらに「アートが生まれる場」としての可能性を秘めた金沢での新たな「発信拠点」の誕生です。
まだ、第一歩を踏み出したばかりですが、今後、問屋センター各企業の支援もいただき、新たなものが生み出されるリアルでアクティブな場となるよう、アートを媒体に多様な人との交流を試みていきます。(チラシより抜粋)
閉場ギリギリの時間に伺ったですが、作彫刻作家の馬医さんがイヤな顔ひとつせず中を丁寧に案内してくれました。
中は、想像していた、だだっ広く無機質なまさに倉庫、という感じとは少し異なり、
床や壁は下地が剥き出しになっているけど部屋ごとに質感が少し違い、
元々印刷会社だった名残を感じさせてくれる所も見受けられました。
ただ、やっぱり中は寒いですね。風こそ入ってこないですけど、底冷えする寒さ。
制作を続けるにはちゃんとした寒さ対策をしておかないと辛いだろうなと感じました。
空間が広いので暖房を点けてもぜんぜん暖かくならないです、と苦笑いする馬医さん。
夏になったら暑さが籠って大変そうなので、ぜひそれまでに空調設備を
改善してほしいものですね。
さて肝心の制作スペースですが、一階は阿部乳房さん、土方大さん、
馬医大輔さん、中瀬康志先生。二階は武田雄介さん、菊谷達史さん、
本多裕紀さんが使用。スペースの割り振りはどういう風に決まったのですか?と
馬医さんに尋ねたところ、わりと自然にこの形になりました、とのこと。
なるほどてっきり先輩後輩の上下関係で、有無を言わさずこうなったのかと
思ったんですが、そんなことはないんですね。
各スペース、徐々に個性が出つつあるようで、ホームセンターで
購入したもののレシートが壁に貼ってあったり、
食べかけのご飯が机に置いてあったり、窓にカーテンを付けたり。
本多さんの制作スペースでは、元々あった換気設備そのまま流用して
塗装のスペースに充てているといった場面も。
制作を行うには適していて良い環境のようですね。
基本的には寝泊りも可能で、将来的にはシャワーを浴びられるスペースも
準備したいとのこと。つい最近、ネット接続も出来るようになり、
環境が整いつつあるそうです。
そして中には、男子寮を彷彿とさせるような一画も・・・。
建物の中で一番小さい部屋と暗室を雑魚寝スペースに充てるこのバイタリティ。
これでこそ若手アーティストの集まり、という感じがしました。
今回の公開制作を行うにあたって、来場者の方の対応をしながら
制作活動もされている馬医さん。運営する側と参加アーティストという
二足のわらじの状態は結構大変です、と語ってくれました。
そして、プロジェクトはまだまだ始まったばかりで、少々流動的な部分もあるということ。
今後の運営スタイルや常駐スタッフの必要性。現在活動している
「CAAK」「kapo」「金沢アートグミ」等との棲み分け及び連携。
地元問屋町の人たちとの繋がりや交流。等々。
そしてこの「TRAILER CAMP」が、問屋センターの創立50周年を迎える
7年後を時間軸の目安として街づくりを推進する、という長期プロジェクトの
大切な第一歩であるということ。
馬医さんの言葉から、金沢のアートシーンや町全体も盛り上げていこうという
想いと意志の強さが伝わってきて、私にも何かやれることないかなと思わせてくれました。
「TRAILER CAMP」は、このあと四月中旬から、制作の場から作品展示の空間へと変化します。
一体この空間がどんな変貌を遂げてくれるのか、
そしてこの問屋町自体がどの様に変化していくのか、とても楽しみです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
-TRAILER CAMP/トレーラーキャンプ-
「(映画などの)予告編=これから始まる活動の前ぶれ」という意味をこめた
「Trailer」と「滞在する場所」という意味をもつ「CAMP」を合わせた言葉。
参加アーティスト 武田雄介、阿部乳房、土方大、菊谷達史、本多裕紀、馬医大輔、中瀬康志
期日 2011年3月15日~21日 12時~19時
開催地 問屋まちスタジオ 金沢市問屋町1丁目90番地
主催 金沢美術工芸大学 協同組合金沢問屋センター
『問屋町プロジェクト第1弾「TRAILER CAMP」第1部:公開制作』へ行ってきました。
--- 問屋まちプロジェクトとは ---
金沢美術工芸大学は、平成22年5月に協同組合金沢問屋町センターと「問屋町の街づくりに関する協定」を締結し、アートを活用した新しい街づくりに取り組んでいます。その一環として今回私たちは、問屋センターから提供いただいた空き店舗を活用し、展示や滞在制作が可能な「問屋町スタジオ」を開設しました。ギャラリーや美術館といった「作品鑑賞の場」としての機能だけではなく、さらに「アートが生まれる場」としての可能性を秘めた金沢での新たな「発信拠点」の誕生です。
まだ、第一歩を踏み出したばかりですが、今後、問屋センター各企業の支援もいただき、新たなものが生み出されるリアルでアクティブな場となるよう、アートを媒体に多様な人との交流を試みていきます。(チラシより抜粋)
閉場ギリギリの時間に伺ったですが、作彫刻作家の馬医さんがイヤな顔ひとつせず中を丁寧に案内してくれました。
中は、想像していた、だだっ広く無機質なまさに倉庫、という感じとは少し異なり、
床や壁は下地が剥き出しになっているけど部屋ごとに質感が少し違い、
元々印刷会社だった名残を感じさせてくれる所も見受けられました。
ただ、やっぱり中は寒いですね。風こそ入ってこないですけど、底冷えする寒さ。
制作を続けるにはちゃんとした寒さ対策をしておかないと辛いだろうなと感じました。
空間が広いので暖房を点けてもぜんぜん暖かくならないです、と苦笑いする馬医さん。
夏になったら暑さが籠って大変そうなので、ぜひそれまでに空調設備を
改善してほしいものですね。
さて肝心の制作スペースですが、一階は阿部乳房さん、土方大さん、
馬医大輔さん、中瀬康志先生。二階は武田雄介さん、菊谷達史さん、
本多裕紀さんが使用。スペースの割り振りはどういう風に決まったのですか?と
馬医さんに尋ねたところ、わりと自然にこの形になりました、とのこと。
なるほどてっきり先輩後輩の上下関係で、有無を言わさずこうなったのかと
思ったんですが、そんなことはないんですね。
各スペース、徐々に個性が出つつあるようで、ホームセンターで
購入したもののレシートが壁に貼ってあったり、
食べかけのご飯が机に置いてあったり、窓にカーテンを付けたり。
本多さんの制作スペースでは、元々あった換気設備そのまま流用して
塗装のスペースに充てているといった場面も。
制作を行うには適していて良い環境のようですね。
基本的には寝泊りも可能で、将来的にはシャワーを浴びられるスペースも
準備したいとのこと。つい最近、ネット接続も出来るようになり、
環境が整いつつあるそうです。
そして中には、男子寮を彷彿とさせるような一画も・・・。
建物の中で一番小さい部屋と暗室を雑魚寝スペースに充てるこのバイタリティ。
これでこそ若手アーティストの集まり、という感じがしました。
今回の公開制作を行うにあたって、来場者の方の対応をしながら
制作活動もされている馬医さん。運営する側と参加アーティストという
二足のわらじの状態は結構大変です、と語ってくれました。
そして、プロジェクトはまだまだ始まったばかりで、少々流動的な部分もあるということ。
今後の運営スタイルや常駐スタッフの必要性。現在活動している
「CAAK」「kapo」「金沢アートグミ」等との棲み分け及び連携。
地元問屋町の人たちとの繋がりや交流。等々。
そしてこの「TRAILER CAMP」が、問屋センターの創立50周年を迎える
7年後を時間軸の目安として街づくりを推進する、という長期プロジェクトの
大切な第一歩であるということ。
馬医さんの言葉から、金沢のアートシーンや町全体も盛り上げていこうという
想いと意志の強さが伝わってきて、私にも何かやれることないかなと思わせてくれました。
「TRAILER CAMP」は、このあと四月中旬から、制作の場から作品展示の空間へと変化します。
一体この空間がどんな変貌を遂げてくれるのか、
そしてこの問屋町自体がどの様に変化していくのか、とても楽しみです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
-TRAILER CAMP/トレーラーキャンプ-
「(映画などの)予告編=これから始まる活動の前ぶれ」という意味をこめた
「Trailer」と「滞在する場所」という意味をもつ「CAMP」を合わせた言葉。
参加アーティスト 武田雄介、阿部乳房、土方大、菊谷達史、本多裕紀、馬医大輔、中瀬康志
期日 2011年3月15日~21日 12時~19時
開催地 問屋まちスタジオ 金沢市問屋町1丁目90番地
主催 金沢美術工芸大学 協同組合金沢問屋センター
村住知也 インタビュー4
金沢アートグミで「さてと これから 村住知也展」を開催中の村住知也さんにインタビューしました。
今日は最終回です。
村住知也 インタビュー1
村住知也 インタビュー2
村住知也 インタビュー3
ー展覧会名は「さてと これから」ですが、村住さんの今後は?
最近は、次の世代を支えていく責任についてよく考えます。今まで、自分が「こうしたい」「こうしたくない」ということを軸に生きてきたけれど、次の世代に伝えるために、伝えていくことを整理しなきゃいけない段階に来た感覚があります。子供や、学生と接する機会は増やしたいですね。
また、アーティストとして生きていくためには、社会的に認めてもらうことも、もちろん必要です。作品が売れれば、画材を買えるようになるし、来月の家賃を心配しなくてよくなる。僕だけでなく、金沢のアーティストの状況をもっと良くしていきたいという思いがあります。
日本人は、まだ評価の定まっていないものに自分で価値を見出すのが苦手です。まわりの反応や評判で価値を判断しがちですね。だから、まず海外のマーケットに出品したりすることが、実際的で有効な手段になります。今は、仲間と一緒に海外のアートフェアに出品する計画を練っています。アウトサイダーアートも、海外で評価を受ければ国内での位置づけも変わると思うし、そうなれば日本の福祉の在り方さえ大きく変化すると思う。まず普段彼らに接している福祉施設の職員たちの意識が変わると思うんです。
金沢は金沢21世紀美術館が出来て以後、ますます面白くなっています。面白いことをやっている人や団体が増えました。元々、金沢の文化的な深さや広がり、何をやっても「(私は嫌いだけど)そういうのがあってもいいんじゃない」と許してくれる懐の深さが好きでした。
金沢美大を出てから、都会にも行かず地元にも帰らなかったのは、特に理由がある訳じゃなくて、単にその必要や契機が見出せなかったからのような気がします。しかし今では、僕は金沢でないと制作できません。ここの環境、暮らしがあるからこそ作るのだと思います。
また、既に必要な要素が揃っている場所で、アートのためのシステムを作ったり、世界を開拓していくのが面白いということもあります。
僕は色んな物事に首を突っ込んでは挫折しているんですけど、どうしようもなくなると割と諦めの良い方です。地元の北海道でよく使われる言葉「しょうがないっしょ、それでいいんでないかい?」が僕の考え方の一部になっています。しかし懲りずに、新しいものや代わりのものに次々と興味を持ちますね。
結局僕は、自分自身について知るために、周りの色んなものに手を出すのかも知れない。例えば、村住家のコロッケについて語る方が、村住家について直接説明するよりも村住家をよく表しているみたいに。それを通して自分を知る様に。
今後、たくさんのやるべき課題があってワクワクしています。自分自身の社会的修行のようにも思える。昔と違って、金沢に面白い人がいっぱいいて、一人じゃないから嬉しいです。楽しみですね。
=========================================
「さてとこれから 村住知也展」
2011年1月22日(土)~2月27日(日) 金沢アートグミギャラリー
10 : 00 ~ 18 : 00 入場料無料 水曜日休廊
村住知也
1975年生まれ 北海道出身 現在金沢市在住。1998年金沢美術工芸大学(油画)を卒業。
2005年 油絵にシールを貼ったコラージュ作品のシリーズで注目を浴びる。
国内外での発表は多数。なかでも海外アートフェアでの評価は高い。
レジデンスプログラムに参加する2003年頃より活動を多方面に向け始め、
舞台美術やアートコーディネート、他に美術指導員として県内7カ所の福祉施設にも通う。
今日は最終回です。
村住知也 インタビュー1
村住知也 インタビュー2
村住知也 インタビュー3
ー展覧会名は「さてと これから」ですが、村住さんの今後は?
最近は、次の世代を支えていく責任についてよく考えます。今まで、自分が「こうしたい」「こうしたくない」ということを軸に生きてきたけれど、次の世代に伝えるために、伝えていくことを整理しなきゃいけない段階に来た感覚があります。子供や、学生と接する機会は増やしたいですね。
また、アーティストとして生きていくためには、社会的に認めてもらうことも、もちろん必要です。作品が売れれば、画材を買えるようになるし、来月の家賃を心配しなくてよくなる。僕だけでなく、金沢のアーティストの状況をもっと良くしていきたいという思いがあります。
日本人は、まだ評価の定まっていないものに自分で価値を見出すのが苦手です。まわりの反応や評判で価値を判断しがちですね。だから、まず海外のマーケットに出品したりすることが、実際的で有効な手段になります。今は、仲間と一緒に海外のアートフェアに出品する計画を練っています。アウトサイダーアートも、海外で評価を受ければ国内での位置づけも変わると思うし、そうなれば日本の福祉の在り方さえ大きく変化すると思う。まず普段彼らに接している福祉施設の職員たちの意識が変わると思うんです。
金沢は金沢21世紀美術館が出来て以後、ますます面白くなっています。面白いことをやっている人や団体が増えました。元々、金沢の文化的な深さや広がり、何をやっても「(私は嫌いだけど)そういうのがあってもいいんじゃない」と許してくれる懐の深さが好きでした。
金沢美大を出てから、都会にも行かず地元にも帰らなかったのは、特に理由がある訳じゃなくて、単にその必要や契機が見出せなかったからのような気がします。しかし今では、僕は金沢でないと制作できません。ここの環境、暮らしがあるからこそ作るのだと思います。
また、既に必要な要素が揃っている場所で、アートのためのシステムを作ったり、世界を開拓していくのが面白いということもあります。
僕は色んな物事に首を突っ込んでは挫折しているんですけど、どうしようもなくなると割と諦めの良い方です。地元の北海道でよく使われる言葉「しょうがないっしょ、それでいいんでないかい?」が僕の考え方の一部になっています。しかし懲りずに、新しいものや代わりのものに次々と興味を持ちますね。
結局僕は、自分自身について知るために、周りの色んなものに手を出すのかも知れない。例えば、村住家のコロッケについて語る方が、村住家について直接説明するよりも村住家をよく表しているみたいに。それを通して自分を知る様に。
今後、たくさんのやるべき課題があってワクワクしています。自分自身の社会的修行のようにも思える。昔と違って、金沢に面白い人がいっぱいいて、一人じゃないから嬉しいです。楽しみですね。
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「さてとこれから 村住知也展」
2011年1月22日(土)~2月27日(日) 金沢アートグミギャラリー
10 : 00 ~ 18 : 00 入場料無料 水曜日休廊
村住知也
1975年生まれ 北海道出身 現在金沢市在住。1998年金沢美術工芸大学(油画)を卒業。
2005年 油絵にシールを貼ったコラージュ作品のシリーズで注目を浴びる。
国内外での発表は多数。なかでも海外アートフェアでの評価は高い。
レジデンスプログラムに参加する2003年頃より活動を多方面に向け始め、
舞台美術やアートコーディネート、他に美術指導員として県内7カ所の福祉施設にも通う。