女性の身体・母乳育児から考える育休の長さ:どれくらい休むとどうなるの? | ジャカルタ駐在員ブログ! ~ここでも勝手にコラムニスト♪

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2012年2月、仕事の転勤で子連れ(1歳10か月)オンナ駐在員となる。インドネシアの生活、社会事情、教育環境、政治・経済、食などについて、独自の視点で情報発信。
*旧ブログ名:育休「明け」オンナの9か月 ~勝手にコラムニスト♪~

昨日の「育休の長さ」についてのコラムの続編。



今日は、主に母体・母乳育児との関係で考えてみた。



ツイッターで知り合った方によれば、フランスでは産前8週、産後10週の産前産後休業だけで仕事に復帰する女性が大半だそう。



共働き夫婦(事実婚含め)が多いフランスでは、女性が育児のため1年も休んでいたら家計がまわらないという事情に加え、仕事を行う実務上、不在の期間が長いと女性自身のためにあまりよくない、という考えもあるらしい。



実際、産後の女性の身体の回復については、とにかく個人差が多いのだが、私の実感としては、1ヶ月で日常生活に復帰し、2ヶ月で出かけるのも楽になり、3ヶ月休めば妊娠前の自分の身体を取り戻したような感覚を得られる。



アメリカなどである、産後3週間で復職しました、というのはよほど身体を鍛えていて強いか(実際、アメリカは男女ともに筋トレ、マッチョ文化なので、平均的な体力がかなり高い印象を受けた)、無理をして体を痛めながら働くか(主に激務なコーポレート系)、職場に自己主張しながらゆるめに働く(自由裁量労働、研究者など)ことをしないと、通常の勤務に戻るには、身体の負担が大きすぎると感じた。



フランスのような10週の場合、身体は回復しているだろうし、赤ちゃんも安定してくるころなので、預ける時期としてもよさそう。



ただし、母乳育児との両立は少し難しくなる。



一般的に母乳で育てたほうが、免疫が強い子になること、生後3ヶ月までは新生児突然死症候群を予防できることなどで、子どものために良いとされている。また、子宮の収縮を助けるため、出産直後の母体の回復にも良いとされる。



では、10週母乳で育てたあと、平日日中を保育園などに預けてミルクで育て、平日朝晩と土日(平日のリズムに慣れてしまっているようであれば、土日も同じく朝晩のみ)を母乳にする、という折衷案であれば、これはいけそうである。



母体の母乳の出にもよりけりなので、一概には言えないのだが、もし順調に母乳が出るようであれば、この生活リズムには、無理がなさそうである。



10週以上、その後育休を取って休む場合には、母体は感じられるところはほぼみんな回復しているので、あとは母体との関係というよりは、赤ちゃんと向き合う時間をどれくらいとりたいのか、という、むしろ心理面との兼ね合いになってくる。



(目に見えない部分の回復、とりわけ子宮の回復にはもう少しかかるようだが、それは妊娠するためにはという基準であって、日常生活を送る上では気づかない違いである。)



「5月生まれなので、約1年休んで、翌年の4月から保育園に入れて仕事に復帰しようと思います。」そういうと、先輩ワーキングマザーや、友人から「ちょうどいいわね」と言われることが多かった。



これは、おそらく、母乳をほぼあげ終わりつつあり、離乳食にも慣れ、かつ赤ちゃんがさほど人見知りをせずに保育園になじめる(1歳を過ぎてくると人見知りしてタイヘンだと聞いたことがある。これもまた個人差が大きいことなので、実際試してみるまでなんとも言えないのだが)、ということなのだろう。



新生児から、もうすぐ歩けるという「小さな人間」ができあがるまでの、育つ過程を一部始終見てきた、という満足感と自負も得られる期間なのだろう。



妊娠・出産は、おそらく多くの女性が思っている以上に、自分の身体を最大限使う、一大事である。



産んで終わり、ではなく、自分の身体と、相談しつつ、その後の健やかな移行について、何よりも女性自身が、主体的に考えて、選択することが、大事なんだと思う。