ルシアは娘をたぶらかしている中年男に、付き合いをやめるように言うと金を要求された。
その男は、訪ねてきた後に死体で発見された。ルシアは死体を隠した。しかし娘が出していた手紙を元に金を要求された。
製作年:1949、脚本:メル・ディネリ他、監督:マックス・オフュルス
■ はじめに
登場人物(キャスト)
ルシア・ハーパー(ジョーン・ベネット) 主人公、専業主婦
トム・ハーパー(ヘンリー・オニール) 夫、出張中
ビー・ハーパー(ジェラルディン・ブルックス) 娘
デビッド・ハーパー(デヴィッド・ベア) 息子
シビル(フランシス・E・ウィリアムズ) メイド
テッド・ダービー(シェパード・ストラドウィック)
ティン・ドネリー(ジェームズ・メイソン)
ネーゲル(ロイ・ロバーツ)
■ あらすじ
◆ 娘をたぶらかす男
舞台はロスアンジェルス近郊の町バルボア。住宅地。近くに湖がありボートハウスが立ち並んでいる。ハーパー家のボートハウスもある。注、バルボア湖というのがある。桜がきれいらしい。
トムは出張中。ビーはロスアンジェルスの美術学校に入学した。しかし中年男のテッドにたぶらかされている。
ルシアはテッドに会うためにロスアンジェルスに出かけた。ビーに会わないように要求するがテッドは拒否する。さらにルシアが要求すると「金を出せ」との返事。それを聞いてルシアは立ち去った。
◆ 娘は男と会ったが、
帰ってビーに「もうテッドとは会わないように」と言うがビーは拒否。デッドが「金を出せ」と言ったことも伝えるがビーは信用しない。
その夜、ビーはテッドと会うために、こっそりと外に出て約束しているボートハウスに出かける。ビーはルシアから聞いた「金を出せ」と言った言葉が本当かテッドに聞く。ビーの期待していた回答と違ってテッドは、その言葉を肯定する。
持っていたライトでテッドを殴って逃げ出した。テッドは追いかけたが柵が壊れていて下に転落した。
ビーは自宅に戻った。ビーを探していたルシアに会ってテッドとのことを話した。ルシアは興奮しているビーを落ち着かせる。ルシアはボートハウスに出かけるが暗いので分からずに戻った。
◆ 男の死体が発見された
翌朝早く、再度ルシアはボートハウスに行く。階段下に倒れて死亡しているテッドを発見する。落ちたところにちょうど錨があったらしい。ルシアは錨と死体をボートに乗せて沖で捨てる。注、死体をボートに乗せる動作は画面では表示されないが、このようなストーリーになっているようである。
自宅に戻ってルシアはビーにテッドのことを口止めする。ルシアは出張中の夫への手紙を出すために郵便局に行くが、すでにテッドの死体が発見されて、みんなの噂になっている。
◆ ドネリーという男から金を要求された
ドネリーという人物がルシアを訪ねてきた。「ビーがテッドに出した手紙を買い取ってほしい」と要求する。5000ドル。本作は1949年なので、それなりの金額である。ルシアにとっては、すぐにオーケーできる金額ではない。明日ドラッグストアの近くで会うことになる。
翌朝ドネリーは待ち合わせ場所ではなく、また自宅を訪ねてくる。待ち合わせ時刻が過ぎていたからである。ドネリーはもちろん悪人ではあるが、少々変わっている。ルシアはしょっちゅうタバコを吸っているが「体に良くないから止めろ」と言い、ドラッグストアでフィルターを買ってプレゼントする。ドラッグストアでの買い物も手伝って荷物をいっぱいに抱えて運んでいる。
ドネリーは「早く金を用意しろ」と言うが「そんなにすぐ用意できない」「トムにこんなことは話せない」と渋る。ドネリーは「ネーゲルという相棒がいて、こいつは情け容赦がないやつだ」と言うので「なんとか水曜まで待って」と答える。そして別れる。
◆ 金がなかなか都合できない
戻ってくるとボートハウス付近を警察が捜索しており、また野次馬も集まっている。「凶器は錨らしい」。その朝にルシアがいたことも話題になっている。
ドネリーから電話がある。「ネーゲルが待てないと言っているので月曜までに用意しろ」。さらに「自分の分け前はいらないので2500ドルで良い」と付け加えた。しかし家計はわりと逼迫しており、それでも大金である。ルシアは自分の宝石を取り出した。
ロスアンジェルスに行って銀行に入る。融資を申し込むがトムの承諾が必要とのことで諦める。「宝石で融資を」と言うが、銀行なのでお門違い。次に質屋に行く。700ドルと言われるが800ドルを融資してもらう。今まで質屋を利用したことがなかったルシアは宝石がすぐに質流れになるのではと心配している。
◆ ボスのネーゲルが現れた
ドネリーと会った。「800ドルしかない」と話すと「もう金は要らない」とあまりにも意外な答えである。さらに「犯人が逮捕された」とより意外な発言をする。
ルシアは「その人は無実よ」と言って、さらに「犯人は私」と作り話までする。しかしドネリーは「もうその話はするな」「(ビーが出した)手紙は戻す」と強硬である。ルシアには理由が分からない。
帰宅すると「ネーゲルがボートハウスで待っている」とのこと。ネーゲルは「如何にも悪人」といった風貌。ドスの利いた声でルシアを脅した。
◆ ドネリーがネーゲルを殺した
ドネリーが現れてネーゲルと口論⇒格闘となり結果ネーゲルを絞殺する。ルシアが警察に連絡しようとするのを止める。包帯や薬を取って戻ってくると、先にドネリーは車に死体を乗せて発車した。
ルシアはシビルと一緒に追いかける。しかしドネリーの車は道路から外れて転落。
ドネリーは車に挟まれて動けない。重傷のようである。ドネリーは手紙を渡して「早くここから立ち去れ」と言う。ルシアはドネリーを助けようとするが「すぐに救急車がくる」。ネーゲルにすべての責任を負わせるつもりのようである。「ここにいたらすべて台無し」と言うのでルシアは現場を離れる。